2001/12/01 - 2001/12/10

10 Dec, 2001 22:25 / Release 2.6 with CSS Level 1
 私が勤める会社では、営業職及び事務職を除く社員を、主に3つのカテゴリーに分類している。1つ目はシステムインテグレータ。彼らはソフトウェアの開発を主な役割としている。2つ目はネットワークインテグレータ。ネットワークの設計・構築・運用を手がける人々のことだ。そして3つ目がカストマエンジニア。主にハードウェアの調整・運用・保守を行う。
 私が属しているのは、その3つ目のグループ。カストマエンジニア、略してCEである。「カスタマ」ではなく「カストマ」と表記している時点で、もはやどこのメーカーの系列かは自明の理、という気もする(あまつさえ会社名さえ判明しかねない)が、それはさておき、昨今の私はこのCEという職務にかなりの疑問を抱いている。
 端的に言って、CEの先行きは厳しい。確かに、システムプロバイダとしては、大規模な保守部隊を抱えていることは一定のセールスポイントになるかもしれない。当社が構築したシステムは最後まで面倒を見ます、というわけだ。
 だが、CEの売り上げは伸び悩んでいる。保守契約は、基本的にハードウェアの価格を元に締結されており、周知のようにハードウェアの価格は下落する一方であるからだ。単価が20万円を切るようなパソコンの保守契約を結んでも、ほとんど利益にはならない。
 そうした現状のなかで、会社の上層部は相当な危機感を抱いている。そして、CE業務に様々な幅を持たせようともしている。いわく、CEは現場で顧客と接する機会が最も多いから営業的な側面にも期待できる、とか、ハードウェアとソフトウェアの両方の障害に対応しているわけだからシステムエンジニア(我が社でいうSI/NIのことか)としての業務にも従事させたい、というわけだ。この考え方は、場合によっては「一人三役」などとも称される。
 だが、残念ながらそうした意識は現場の末端まで行き届いているとは言い難い。部署にもよるのだろうが、少なくとも私が所属する部署では、ハードウェア保守というCE業務の基本に押し流される日常が送られている。個々人のレベルではまた別だが、しかしそれはどこまで行っても個々人のレベルでの話に過ぎない。多くの課員達は、重要社会システムの保守という業務から来る重圧に、自覚の無いまま押しつぶされようとしている。
 こうした課員達の意識を改革する手段として、例えば研修制度のことを思い浮かべた方もいるかもしれない。だが、こちらは期待薄である。SI/NIと違い、CEはハードウェアとの関わりが強いため、親会社が実施する研修を受講することが多い。そして、この親会社による研修が最大のネックになっているのだ。
 現に私は、「一人三役」の実験台として今年から設けられた新人研修のコースに所属している。しかし、このコースは、建前としてはネットワーク構築とハードウェア保守の両立を目指すカリキュラムが組まれたことになっているが、実態はそれぞれ専門のコースを混ぜ合わせただけに過ぎない。その証拠に、研修の最後に行われた試験は、それぞれの専門コースのそれと同じものだった。
 講座の内容も然り。例えばハードウェア保守の講座であれば、保守の際に必要とされるコマンドを暗記させるだけ。新人研修は底上げが目的、という意見もあるが、それにしても、いくら何でも目指すところが低すぎはしないか。CEの意識を改革する前に、教育を担当するものの意識を改革する必要があるのではないか、と思わずにはいられない。

 つまるところ、私が疑問に思うのは、彼らがどこまで本気なのか、という点なのだ。一人三役は大いに結構。だが、果たしてそれが現実にどこまで可能なのか、そして可能にするだけの努力をしているのか。理念を述べ立てるだけでは何も始まらない。そのあたりのことを、会社に関わる人々の全てがもう一度考えてみる必要があるのではないだろうか。

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