■ 第十 賦役令 ≪全39条≫ ○01 調絹【糸《いとへん》+施の旁】条 調の絹〔かとり〕、【糸《いとへん》+施の旁】〔きぬ〕(=あしぎぬ)、 糸、綿〔わた〕、布は、いずれも郷土の所出に応じること。正丁1人に、絹 〔かとり〕、【糸《いとへん》+施の旁】〔きぬ〕、8尺5寸 (2m52cm)、6丁で疋を成すこと{長さ5丈1尺(15m12cm)、 広さ2尺3寸(68cm)}。美濃の【糸《いとへん》+施の旁】〔きぬ〕 は、6尺5寸(1m93cm)、8丁で匹を成すこと{長さ5丈2尺 (15m41cm)、広さは絹〔かとり〕・【糸《いとへん》+施の旁】〔き ぬ〕と同じ}。糸8両、綿1斤、布2丈6尺(7m71cm)。いずれも2丁 で【糸句】〔く〕、屯、端を成すこと{端の長さ5丈2尺 (15m41cm)、広さ2尺4寸(71cm)}。望陀〔もうた〕の布は、 4丁で端を成すこと{長さ5丈2尺(15m41cm)、広さ2尺8寸 (83cm)}。もし調を雑物で輸納するならば、鉄10斤(6kg)、鍬3 口{口ごとに3斤(1.8kg)}。塩3斗、鰒〔あわび〕18斤 (10.8kg)、堅魚〔かつを〕35斤(21kg)、烏賊〔いか〕30斤 (18kg)、螺〔つび/つい〕(貝の種類。巻き貝かはまぐりかサザエか) 32斤(19.2kg)、いりこ(なまこのはらわたを煮て干したもの)26 斤(15.6kg)、雑魚の楚割〔すはやり〕(魚肉を細長く割いて塩干した もの。サキイカならぬサキウオ)、【月肅】〔ほしを/ほしいを〕(=乾魚) 100斤(60kg)、紫菜〔むらさきのり〕48斤(28.8kg)、雑 「海菜」〔もは〕(藻類)160斤(96kg)、海藻〔め/にきめ〕(わか め)130斤(78kg)、滑海藻〔あらめ〕(わかめじゃないもの)260 斤(156kg)、海松〔みる〕130斤(78kg)、凝海菜〔こるもは〕 (てんぐさの類か)120斤(72kg)、雑魚の「きたい」(乾肉)6斗、 海藻根〔まてがいのね/めかい(/めかぶ)〕8斗、未滑海藻〔かちめ〕(乾 燥後、臼で搗いて粉にしたアラメか)1石、 沢蒜〔ねびる〕(湿地に生える 蒜)1石2斗、嶋蒜〔あさつき〕(沢蒜と似たもので、いずれもふつうの蒜 (=家蒜)とは違うところに生えるもの)1石2斗、鰒の鮓〔あわびのすし〕 2斗、貽貝〔いかい〕の鮓3斗、白貝〔おふ〕の「なまり」(塩と楡の皮粉で 漬けたものか)3斗、辛螺〔あぎ〕の頭打〔かふち〕(貝の殻の頭を割穿して 貝のまま漬けたものか)6斗、貽貝〔いかい〕の後折〔しりおり〕(貝の殻の 尻を割穿して貝のまま漬けたものか)6斗、海細螺〔したたみ〕(小さな巻き 貝か)1石、うに6斗、「かせえ」(棘のないうに類か)6斗、雑魚の鮨〔す し〕(塩に漬けて発酵させたものか。鮓〔すし〕も同じ)5斗、近江の鮒〔ふ な〕5斗、煮塩の年魚〔あゆ〕4斗、煮堅魚〔にかつを〕(なまり節の類か) 25斤(15kg)、堅魚煎汁〔かつをいろり〕(煮込んだ煮汁を煎ったも の)4升。次丁2人、中男4人は、いずれも正丁1人に準じること。調の副物 〔そはつもの〕は、正丁1人に、紫3両(112.5g)、紅3両 (112.5g)、茜2斤(1.2kg)、黄連2斤(1.2kg)、東の木 綿〔ゆふ〕12両(450g)、安芸の木綿4両(150g)、麻〔を〕2斤 (1.2kg)、熟麻〔にを〕10両16銖〔しゅ〕(400g)、「けむ し」(麻の一種)12両(450g)、黄蘗〔きはだ〕7斤(4.2kg)、 黒葛〔つづら〕6斤(3.6kg)、木賊〔とくさ〕6両(225g)、胡麻 の油7勺、麻子〔まし〕の油7勺、荏〔え〕の油1合、曼椒〔ほそぎ〕の油1 合、猪の脂〔いのあぶら〕3合、脳〔なづき〕1合5勺、漆3勺、金漆〔こし あぶら〕3勺、塩1升、雑肉の「きたい」(乾肉)2升、堅魚煎汁〔かつをい ろり〕1合5勺、わさび1升、青土〔そに〕(染料か)1合5勺、橡〔つるば み〕(染料か)8升、紙6張{長さ2尺(59cm)、広さ1尺 (30cm)}、筺柳〔はこくさ〕(筺を編む材料か)1把。7丁に、席〔む しろ〕1張、苫1張、鹿角1頭〔づ〕、鳥羽〔とりは〕1隻〔しゃく〕、砥 〔と〕1顆〔か〕。2丁に、簀〔す〕1張。3丁に、薦〔こも〕1張。14丁 に、樽〔こむか〕(木製の甕〔みか〕の意か。和名抄には、酒樽、脚のある酒 器のこと、とある)1枚{3斗受けるもの}。21丁に、樽1枚{4斗受ける もの}。35丁に、樽1枚{5斗受けるもの}。京及び畿内は、みな正丁1人 に、調の布1丈3尺(3m85cm)。次丁2人、中男4人は、各々正丁1人 と同じ。 ○02 調皆随近条 調は、みな近いものから合成すること。絹〔かとり〕、【糸《いとへん》+施 の旁】〔きぬ〕(あしぎぬ)、布の、両方の頭(首端と尾端)、及び、糸、綿 の嚢〔つつみ〕には、つぶさに、国、郡、里、戸主の姓名、年月日を注記し て、それぞれ国の印を押印すること。 ○03 調庸物条 調庸の物は、毎年、8月中旬より輸納を始めること。近国は10月30日よ り、中国は11月30日より、遠国は12月30日以前に輸納を終えること。 もし調庸が本国を出発する前に、死亡者があれば、その人の物は返却するこ と。運脚(運搬人夫)は、均しく庸調の家から出させること。みな国司が領送 すること(=貢調使)。実物を運ばずに、京内での品物の売買によってまか なった物を提出してはならない(これはたとえば、鉄を輸納すべきところで、 実際に鉄を運んで来ずに、京内で別の品物等を売って鉄と買い換え、その買い 換えた鉄、つまりもともと京にあった鉄、を提出するようなことをしてはなら ない、ということ)。 ○04 歳役条 正丁の歳役は10日。もし庸を取るならば、布2丈6尺(7m71cm){1 日に2尺6寸(77cm)}。留役(所定の10日を超えて役に留めること) するならば、その日数が30日を満たしたら、租調ともに免除すること{役日 がそれより少ない場合は、見役日(実際に働いた日数)を計算し、それに応じ て免除すること}。正役を通じて、いずれも40日を超過させてはならない。 次丁2人は正丁1人と同じ。中男、及び、京、畿内は、庸を取る対象としな い。丁が役に赴く日には、長官が自ら親しく点検し、併せて、衣粮を選んで、 もれなく備えること。しかる後に発遣すること。もし当国郡の人を雇い、また は、家人を代役として派遣したいと欲したならば許可すること。代役が劣弱な 場合はしてはならない。そうして、送る簿の名の下に、つぶさに代役の人の本 籍、姓名を注記すること。匠については、同種技能に巧みな人を雇って代役さ せたいと欲したならば、また許可すること。 ○05 計帳条 計帳が到着したならば、毎年8月30日以前に、民部省に渡すこと。主計寮 は、庸の多少を計算して、衛士、仕丁、采女、女丁等の食に充当すること。そ れ以外は、みな、役民の雇直〔やといちから〕(雇用料)及び食に配分するこ と。9月上旬以前に太政官に申告すること。 ○06 義倉条 一位以下、及び、百姓、雑色の人等は、みな戸の粟を取り、これを以て義倉と すること。上上の戸に2石、上中の戸に1石6斗。上下の戸に1石2斗。中上 の戸に1石。中中の戸に8斗。中下の戸に6斗。下上の戸に4斗。下中の戸に 2斗。下下の戸に1斗。もし稲とする場合は2斗、大麦〔ふとむぎ〕ならば1 斗5升、小麦〔ほそむぎ〕であれば2斗、大豆〔まめ〕なら2斗、小豆なら1 斗を、それぞれ粟1斗に充当すること。みな田租と同時に徴収し終えること。 ○07 土毛条 土毛〔ども〕(当国で「生えた」もの)を臨時に用いる際は、いずれも当国の 時価に準じること。このとき基準の価には郡稲を用いること。 ○08 封戸条 封戸には、みな課戸を充当すること。調庸は全て給付すること。田租は2分し て、1分は太政官に入れること。1分は主に給付すること。 ○09 水旱条 田は、水害・干ばつ・虫害・冷害などに遭ったり、作物が実らなかったりした ものについては、国司は実情を検討して、つぶさに記録して、太政官に申告す ること。10分のうち5分以上の損失がある場合、租を免除すること。7分損 失した場合は、租調を免除すること。8分以上損失した場合は、ともに課役も 免除すること。もし桑・麻が損尽(=全損)したならば、それぞれ調を免除す ること。すでに役を終えていたり、すでに輸納していた場合には、来年分から 削るのを許可すること。 ○10 辺遠国条 辺遠の国の、夷人の雑類がいるところについては、調役を輸納する場合は、事 情に応じて斟量すること。必ずしも華夏〔かが〕(夷に対して、支配者と同じ 文化を持つ地域)と同様でなくてもよい。 ○11 【益蜀】符条 課役を免除する際は、みな、【益蜀】符〔けんぷ〕(課役を【益蜀】除する 符)の到着を待ち、しかる後に免と注記すること。符が到着しない場合でも、 位記を調べれば明確な実情がある場合には、また免除すること。雑任が解任さ れて、本国帳に附けた場合には、みな本司が解いたときの日月に依って次の徴 収の規則に準拠すること。 ○12 春季条 春季に本国帳に附けたならば、課・役はいずれも徴収すること。夏季に附けた ならば、課を免除し、役は従事させること。秋季以後に附けたならば、課・役 ともに免除すること。偽ったり、名をごまかしたり、隠れたり、避けたりし て、課役を免れた場合は、附けた早晩(はやさおそさ)に限らず、みな、当年 の課役を徴収すること。逃亡の者を附けた場合もまた同様とする。 ○13 口及給侍条 課口、及び、侍〔じ〕を給付された老疾の人が死んだ場合、里長は、10日以 内に、死家と死亡日月を注記して、国郡司に報告し、印記すること。 ○14 人在狭郷条 狭郷に在る人が、寛郷に遷って就労したいと願ったならば、本拠を去ること路 程が10日以上ならば、復〔ふく〕(賦役の全免)を3年、5日以上ならば、 復2年、2日以上ならば、復1年とする。ひとたび遷って後は、さらに移転す ることはできない。 ○15 没落外蕃条 外蕃に没落して帰還できた場合には、1年以上であれば、復3年。2年以上な らば、復4年。3年以上ならば、復5年。外蕃の人が帰化したならば、復10 年。家人、奴婢が、放されて籍に附いたならば、復3年。 ○16 外蕃還条 公使として出向いて外蕃より帰還した場合には、1年の課役を免除すること。 唐国に出向いた場合には、3年の課役を免除すること。 ○17 孝子順孫条 孝子・順孫・義夫・節婦(いずれも、子孫として人としてまた妻としてのカガ ミ)の志行が、国郡に名高ければ、太政官に申告して奏聞して、その門閭〔も んりょ〕に表彰(その家の門、及び、里門の横に堆を築き、「孝子門」などと 書いた札を立てる)すること。同籍の人は悉く、課役を免除すること。精誠の 通感する者(これらの美徳が神に通じて奇跡を生じた者)があれば、これとは 別に優賞をも加えること。 ○18 三位以上条 三位以上の父祖、兄弟、子孫、及び、五位以上の父子は、いずれも課役を免除 すること。 ○19 舎人史生条 舎人、史生、伴部、使部、兵衛、衛士、仕丁、防人、帳内、資人、事力、駅 長、烽長、及び、内外の初位の長上、勲位の八等以上、雑戸、陵戸、品部、徒 人の役にある場合は、いずれも課役を免除すること。主政、主帳、大毅以下兵 士以上、牧の長帳、駅子、烽子、牧子、国学の博士、医師、諸々の学生、侍 丁、里長、得第したがまだ叙位されていない貢人、勲位の九等以下、初位、及 び、残疾は、いずれも徭役を免除すること。坊長、価長は、雑徭を免除するこ と。 ○20 除名未叙条 除名されてまだ除せられない人は、役を免除して庸を輸納させること{自身で 役を願ったならばこれを許可すること}。庸を徴収する場合もまた、雑徭、及 び、点防(兵役)は担当させない。 ○21 免朞年徭役条 父母の喪に遭ったならば、いずれも朞年(期年)〔ごねん/きねん〕(=1周 年)の徭役を免除すること。 ○22 雇役丁条 丁を雇役(強制的雇傭)するにあたっては、本司(木工寮)は、あらかじめ当 年に製作するところの種類と数量を計算して、太政官に申告すること。記録し て主計寮に預けること。  (主計寮は)それを再審し、(太政官は)実施の手配をすること。7月30 日以前に奏し終えること。10月1日から2月30日以内までに、仕事量を均 分して上役すること。1回の上番で、50日を超過してはならない。もし要月 (農繁期)であれば、30日を超過してはならない。その人が、限度以上に上 役して、直〔じき〕(労賃(?))を取ろうとしたならば許可すること。国司は、 みな親しく貧富強弱を把握し、それによって戸口について9等を定めた簿を作 成すること。あらかじめ差発の順番を定め、その順に依って役に赴かせるこ と。 ○23 差科条 差科(賦役を科すこと)は、富強の人を優先し、貧弱の人を後回しにするこ と。多丁(戸内に丁が多い家)を優先し、少丁を後回しにすること。分番(交 替で番を分けること)して上役する場合には、家に兼丁(=2人以上の正丁・ 中男)があれば要月に、家が貧しく単身(丁が1人)であれば閑月に。 ○24 丁匠赴役条 (丁と(?))匠丁が役に赴く場合は、みなつぶさに簿を作成すること。(丁と (?))匠丁の到着前3日(3日前なのか、それ以前の月日の3日付ということな のか(?))に、あらかじめ簿を太政官に送って配置先を分けること。京外へ配置 する場合は、配所に簿を送ること。みな近いところから遠くへと配置すること (?)。簿によって(?)配置先を分けること。作具は自身で備えること。 ○25 有事故条 丁匠が役に赴くにあたって、理由があって到着せず就労しなかった場合には、 後の番で赴任する人と一緒に配送して、就労を埋め合わせさせること。もし、 故意に、怠ったり忌避したり、また逃走したならば、所司は、すぐに追捕し て、決罪すること。そうして専使(特別に派遣(?))して役の配所に送り、就労 を埋め合わせさせ、雇用料は給付すること。 ○26 役丁匠条 丁匠が役に就労した場合、10人に対して、外から1人を給付して火頭(炊事 係)に充当すること。疾病したり、また、雨に遭って、就作できない日は、半 食(支給される米のうち、給食としてでなく、それとほぼ同量で米のまま支給 されるもの)を減らすこと。就労の欠けたぶんは埋め合わせさせること。ただ し、疾病した場合には、役日(所定就労日数分(?))の雇用料を給付すること。 雨天といっても、露天で就労するのでないものについては、この限りにあら ず。 ○27 営造条 京において、大営造(500人以上を必要とするような大規模工事)させるこ とがあって、丁匠を就労させる場合、みな弾正に巡行させること。もし非違が 在れば、事情に応じて糺弾すること。 ○28 丁匠在役遭父母喪条 丁匠が就労中、父母の喪に遭ったならば、みな国司は、実情を調べて役所に申 告すること。すぐに雇用料を給付して放還させること。 ○29 藁藍条 京に供給する藁・藍といった雑用品の類は、毎年、民部省が、あらかじめ畿内 に斟量して、科し下すこと。 ○30 斟酌功力条 丁匠を就労させる場合には、みな労働量を斟量して、労働の軽重が均しくなる ようにして課すこと。徴発日限になったならば、すくに放還すること。主当の 官司(司る官司)が検校を加えずに、労働日程をないがしろにするようなこと があったならば、節級(?)して推科すること。そうして考殿(?)に附けること。 ○31 丁匠往来条 丁匠の往来にあたって、もし重患があり、任地に到着することができない場合 は、留めて最寄りの郡里に置き、供給飲食させること。快癒を以て、発遣する こと。もし粮食がない場合は、すぐに公粮を配給すること。 ○32 赴役身死条 丁匠が役に赴いて死亡した場合、棺を給付すること。路上で死んだ場合は、所 在の国司が官物を以て作り給付すること。いずれも道脇に埋めて仮安置するこ と。牌を立て、併せて、本籍地に報告すること。もし、取りに来る家人がなけ れば焼くこと。人が迎えに来ることがあれば、分明に(?)付け、受領させる(?) こと。 ○33 昼作夜止条 丁匠が役したときには、みな、昼には作り、夜には止めること。6月7日は、 午(正午)から未(午後2時)まで、解放して休息するのを許可すること。 (喪葬や饗宴といった)要の役にあたる場合はこの例に該当しない。 ○34 車牛人力条 公事のために、車、牛、人力を用いて伝送するにあたっては、それについて令 条に載せないので、みな臨時に勅を聴くこと。差科の日には、みな所司が、必 要数を量定して行下させること。(数量や日時等を明示しないことで)在下 (供の下司)に疑い(不安不審)を抱かせたり、百姓を労擾(疲れ乱す)させ てはならない。 ○35 貢献物条 諸国の貢献の物は、みな当地の所出に限ること。金、銀、珠、玉、皮、革、 羽、毛、錦、「けい」(毛氈の類)、羅、「こく/こめ」(文(もん)がある のを羅といい、文がないのを「こく」というらしく、また、「こく」は薄紬と もいうらしい)、紬(「こく」に対して厚紬というらしい)、綾、香薬、彩 色、服食、器用、及び、諸々の珍異の類は、みな、布に準じて値を定めるこ と。官物を以て購入すること。50端を超過する値になってはならない。送る ところの物は、損壊していたり汚れ(穢悪)ていることのないようにするだけ で、  (たとえば、薦で包めば済むところに布を用いるなどして)必要以上に整え て、浪費をしてはならない。 ○36 調物条 調物、及び、地租、雑税は、みな明確に輸納すべき物の数を写して、牌を坊里 に立てて、衆庶に等しく知らしめること。 ○37 雑徭条 令条に定めのない雑徭は、人ごとに均しく使役すること。総日数が60日を超 過してはならない。 ○38 仕丁条 仕丁は、50戸ごとに2人{1人を廝丁〔しちょう/かしわで〕に充てるこ と}。3年に1度交替させること。もし本司が、その才用に頼ることがあり、 自身も交替を望まなければ、許可すること。女丁は、大国に4人、上国に3 人、中国に2人、下国に1人。 ○39 斐陀国条 斐陀(飛騨)の国は、庸調ともに免除すること。里ごとに匠丁を10人、点じ ること{4丁ごとに、廝丁を1人支給すること}(つまり、10人中の2人を 廝丁とする)。1年に1度交替させること。その他の丁は、米を輸納して、匠 丁の食に充てること{正丁に6斗、次丁に3斗、中男に1斗5升}。                 (公開:2000/03/18 更新:2000/04/02) ====================================================================== 訳者:しげちゃん(猪狩浩美) Email: HGF03435@nifty.ne.jp   「官制大観」 http://www.sol.dti.ne.jp/‾hiromi/kansei/ ======================================================================