アルキメデスのわすれもの(Win) ※ディスク2枚組 | |||
メーカー | CIRCUS | 総合評価 | 65点(及第点〜佳作) |
ジャンル | アミューズメントディスク | ||
発売日 | 2001/12/14 | ||
シナリオ | クレリン漢・御影 | サーカスのアミューズメントCD第2弾。 今回は「水夏」おまけ要素+来春発売予定の「D.C.」の先行版がメイン。2万本限定で販売された。 |
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原画 | igul・七尾奈留 | ||
サウンド | 猫野こめっと |
個人的エピソード |
「水夏」が割と気に入ったので、とりあえず購入。 あとはメーカーサイトで公開されていた「D.C.先行版」の音声にすっかり参ってしまって(^^; 鳥居花音さんのあのセリフは反則だよなぁ……。 |
内容 |
とりあえずは内容をサラッと紹介。 <水夏0章>(ADV) 日本のどこかにある、海と山に囲まれた常盤村。 いつまでも変わらないと名付けられた村では、やっぱりいつものように寂れた夏が訪れていた。 扇風機とうちわ、セミの声とテレビの野球中継、線香花火と海開き、打ち水と夕暮れを告げる鐘の音。 恋が生まれ、恋が消えていく夏…… だが、そんな夏、死の病をかかえたもの静かな少年と、白い鳥を従えた名無しの少女が出会うとき、 満天の星空の下、0番目――「夏の夜の物語」が動き出した。 <水夏超外伝>(ミニADV) 水夏本編のサブキャラクターをメインにした短編・ショートショートを集めたシナリオ集。 それ以外に説明のしようがありません(^^; <D.C.〜ダ・カーポ〜先行版> 日本のどこかにある常磐……もとい「初音島」。 年がら年中「枯れない桜」が咲き誇るという不思議な島だが、住人はまったく普通の暮らしを営んでいる。 そんな中、私立風見学園付属に通う主人公――朝倉純一は、クリスマスの日に夢を見ていた ……幼い頃に別れた幼なじみの夢を……。 そんな日――クリスマスの日に学園で行われる、クリスマスパーティー♪ そこに参加する純一と、義妹の音夢。2人と何人ものヒロインと友人が繰り広げる、愛と笑いと格闘と、 ちょっぴりの恋愛劇のはじまりはじま〜り!(感動は?) <アミューズメント> ファンディスクに付き物のアクセサリデータなど。以下簡単に紹介。 *ちとせボイスパッチ 「水夏」本編サブヒロイン・稲葉ちとせに音声をつけるためのパッチファイル。 ……生憎、本編は削除済みなのでどんな声なのかわかりません(^^; *デスクトップアクセサリ 1.メデス★クロック…読んで字の如く「水夏」のアルキメデスの時計です 2.出張さやか&名無し…いわゆるデスクトップマスコットです。 その他、ゲスト壁紙・ユーザー投稿・珍しいところでは他社のゲームのデモが収録されています。 |
システムとか |
必要容量は450MB。 ただしアミューズメント部分の容量はこれに含まれません。 ゲーム部分は選択肢分岐型のADV。 とはいっても選択肢の意味は皆無に近いので文字通りのノベルやデジタルコミックとでも思った方がいいかも(^^; システムとしては「水夏」本編と完全に一緒。 というわけで以下詳細はそちらをご覧いただければ幸いです(ぉぃ セーブ数は57+クイックセーブ1+オートセーブ1の計59個。 ゲーム自体のボリュームも薄いので足りなくなることはまずないでしょう。 スキップとバックログは例によってシーン単位で管理。 スキップは既読シーンのみ可能。 そのシーンの概要が表示される「あらすじモード」は相変わらずなかなか便利です。 まあ今回は(も?)さほど繰り返しプレイする必要があるソフトではないのであまり恩恵は受けられませんが(^^; バックログも以前と同様にシーンの頭までバック可能。 数ページしか戻れないこともあって微妙な使い勝手も健在です(^^; まあ、どうしても見たいシーンはイベント回想を使えばいいんですから、構わないことは構わないんですけど…。 鑑賞系はCG・BGM鑑賞とイベント回想が用意されています。 本編のどのテキストであろうとも読み返せるイベント回想は人によっては便利かもです。 さて、さんざん「水夏」本編を引き合いに出してきたので総論も対比して書きますが、 相変わらず使いやすくて○、今回は急に不自然に重くなることもなくなりました。 ということで不満はほとんどありません。 |
絵とか |
塗り・原画ともにレベルは高い方だと思います。 原画さんは2人いますが今回から登場のigulさんも七尾さん同様人気が出そうです。 気になったところと言えば、名無しの薄目を開けた表情が不自然で怖いということと テキスト表示時のCG明度が低すぎるという2点でしょうか。 特に後者に関しては「水夏」本編時は特に問題なかったような気がするのでちょっと残念です。 夜の海が背景に描かれているシーンが漆黒の闇にしか見えないのはどうかと(^^; 枚数の方は鑑賞モードによれば21枚(うち水夏0章が8枚、D.C.が13枚)。 はっきり言って少ないです。 ゲームのボリュームの少なさやファンディスクであることを考えればこんなものかもしれませんが…。 本編もCG枚数は少なかったので別段不思議はありませんが、こちらの方が「少なさを感じさせない工夫」をしてないせいか余計に少なさを感じてしまうんですよね〜。 |
音楽・音声とか |
BGMはPCMで収録、全23曲。 ボーカル曲はなしで、23曲中10曲が新曲となっています。 曲全体としての質はなかなか高めですが、新曲だけで見れば質は微妙なライン(^^; 新曲の中でお気に入りは名無しのテーマ「心の奥に秘めたもの」くらいでしょうか。 次点で「D.C.先行版」用楽曲の「懐かしい夢」がありますが、まあ“お気に入り”というほどのものでもないです(ぉ 音声は主要キャラのみフルボイス。 具体的には「水夏0章」の名無し・鳥および「D.C.先行版」の各ヒロイン+杉並(♂)が喋ります。 男性も含めて声はキャライメージにあっており、演技力も合格点には達しています。 「D.C.」の方なんかはアイボリー作品で名を知られた人も多く、絵の可愛さも相まってなかなか萌えます(ぉ まあ音声のレベルは相変わらず高めということで。 |
シナリオとか |
悪くは無いけどやっぱりファンディスク(^^; いつものように一言に編集するとこんな具合のシナリオなんじゃないかと。 最初から総論として述べてしまえば「水夏」本編の時に指摘した「構成力に富んでいてシナリオとしては優秀ながらテキストとしては普通」という難点がはっきりと出ているように思われます。 今回はどのシナリオも長くないということで、本編で実践できたような叙述トリックなどをふんだんに盛り込んだシナリオ構成で見せるタイプの話は実質的に不可能です。 それだけの制限下でプレイヤーを話に引き込むには、どうしてもテキストが淡々としすぎていて力に欠ける印象は否めません。 また蛇足ながら「水夏0章」ラストでの飛躍(説明不足)も若干気になるところです。 別につまらないということはないし、「D.C.」だったらそれなりに萌えるとは思うんですけど…。 及第点以上なのは間違いないけど佳作以上かと聞かれると答えに悩む、そんな微妙なレベルです(^^; このライターさんはいっそ長編に特化した方がいいかもしれません(ぉ では総論を書いたところで個別に若干のコメントを。 <水夏0章> 相変わらず読んでいて薄ら寒くなるようなダークな部分は健在。 主人公とヒロインがお互いを見ているようで実は相手の向こうの死を見て、それに惹かれていただけというオチは生と死を扱ったこの作品らしいと言えるでしょう。 しかし先述した弱点ゆえに本編と比べるとどうしても見劣りがします。 あと、私にはわからなかったんですがどの辺が0章なんでしょう? 単に時間軸上で1章以前に属するだけでは0章と呼ばないと思うのですが…(^^; <水夏超外伝> 収録されている5本のうち、「夏休みのクリスマス」「なくした過去をとりもどせ!」の短編2本は評価できます。 特に前者は話としてなかなかよくできているのではないかと。 構成上の捻りが使えなかった今回の作品の中で、話の面白さとしてはトップだったかもしれません(マテ 他の3本のショートショートは完全なギャグ作品ですが、私には評価できません。 どこでオチてるのかもよくわからないくらいつまらなかったので(´Д`; <D.C.先行版> 注意すべきは体験版でも何でもなく先行版だということ。 文字通りキャラの顔見世だけで終わってしまっているのは残念。 これなら別にミニシナリオの形態を取らなくてもデモで十分じゃないかと思ってしまいます(^^; 中身自体はギャグあり萌えあり、ややファンタジー性を伴う現代が舞台の学園物。 ……なんだかどこかで見たような感じがするのは気のせいでしょうか?(ぉぃ まあそれはさておいて、出来として見ると悪くは無いし、人によってはこの先行版段階で結構萌えたりもするんじゃないかと思いますが、これだけで製品版の購入意欲を高めるにはやや弱いというような印象を受けました。 キャラの顔見世的内容でしかないので、あまり買おうという気にならないんですよね〜。 |
総評 |
メーカーサイトによれば「ADVだけで8〜15時間は遊べる」はずなんですが、はてさて? とかく公式発表は不思議です(笑) まとめ。パッケージに偽りなし。 「水夏ファンディスク」以上でも以下でもありません。そんなソフト。 本編をやって「2章が萌えた」とか「4章が好き」という人は気に入りそうです。 逆に「2章の“彼”の正体には驚いた」とか「3章の意外性でしょ」という人にはあまり奨められませんのでご注意を。 |
書いた時点での総プレイ時間 | 5時間35分(ゲームはコンプ、投稿作品は未見) | ||
お気に入りのキャラ | 朝倉音夢 | ||
お気に入りのセリフ | 特になし(強いてあげれば「兄さん、好きっ」) |
初版2001/12/24