Floralia〜フローラリア〜(Win) | |||
メーカー | XUSE【純米】 | 総合評価 | 65点(及第点〜佳作) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2002/05/31 | ||
シナリオ | 藤原将 | 同メーカーとしては初の学園恋愛物という王道ジャンルへの挑戦なだけに出来が注目された。 発売後は萌えとエロが各所で話題になることに。 |
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原画 | まさはる | ||
サウンド | 林克洋 |
個人的エピソード |
まさはるさんの絵が好きなので前から気になるブランドだったところに、 今回の学園恋愛物という自分的に一番好きなジャンル。 その上、各所での「萌える」「エロい」という評判を聞いたらやらないわけにはいかんでしょ、ということで。 |
内容 |
色とりどりの花咲き誇る春の日。桜吹雪に導かれ、僕は懐かしい女性と再会した。 母を早くに亡くした僕にとって、母でもあり姉でもあった幼なじみ。 幼い僕の初恋がフワリと脳裏をよぎる。 唯一の趣味である園芸は、彼女から教わったものだった。 そう。それは、感動すべき再会の物語。――にはならなかった。 「私、今日からこの家に住むから。よ・ろ・し・く♪」 数学教師になり、僕の通う学園に赴任してきた彼女は、人を驚かせたり意地悪したりするのが趣味の悪ガキのままだった。 いや、その悪さぶりは、会わなかった数年の間にエスカレートしていた。 気が付けば、僕の家には教師が3人も同居するという事態に陥っていたのだ。 僕の担任の化学教師、そして学園長の娘であり同じく新任の体育教師。 しかもこの3人、旧知の仲である上に、同じ様な悪戯好き揃い。 更に困った事に全員が美女である上、誘惑の術にも長けていたのだ。 食虫植物よろしく、僕はその甘い香りに引き寄せられた、哀れな虫となってしまう。 どうしよう―― 僕には今『好きな女の子』がいるっていうのに。 好きな女の子への純愛を貫き告白するか。 それとも、同居している美人教師たちの誘惑に負けてしまうのか。 『花畑〜フローラリア〜』に咲き乱れる花々から、僕は1本の、本当に愛でるべき花を選び出さなければならない。 たとえ、その選択に艱難辛苦のあろうとも! 注1:上記は、主人公の手によって美化されている傾向があります。 注2:この「艱難辛苦」とは主に「快楽」の事を差しており、主人公はその「肉欲」を正当化しようとしている姑息な人間のようです。 (マニュアルより) |
システムとか |
必要容量は250/610MBのいずれかを選択。 ゲームは最初にどのヒロインが好きかを選択、以後そのヒロインを中心としたシナリオを進めていくという 選択肢分岐型ADVとなっています。 若干フラグがわかりにくい面もあるので難易度的には中の上といったところでしょうか。 セーブ数は30個。これだけあればとりあえず困るということはないでしょう。 しかしながら、選択肢表示中にセーブ不可はやや不便な仕様かと(^^; スキップは既読スキップのみですが、Ctrlキー押下で高速化も可能です。 速度は十分で基本的には大きな不満はありません。 強いて挙げればスキップ時にはエフェクトをオフにして欲しかったというくらいですか。 セーブ時のことといい、細かい指摘だと思われるでしょうけど他がある程度キチッとしているだけに気になるんですよ(^^; バックログは約350行程度にわたって戻ることが可能。 これだけ戻れれば何も不満はないことかと思われます。 鑑賞モードはCG・BGM鑑賞とシーン回想と一通り揃っています。 16bitカラー以外だとフルスクリーンになってしまうなど細かい部分で詰めが甘い気がしますが、基本的には何も問題のないシステムだと思います。 特に不具合にも遭遇しませんでしたし。もう一歩改善されれば言うことなしですね。 |
絵とか |
原画さんは顔立ちの整った女の子が特徴。割と手広く受けるタイプの絵柄でしょう。 原画・塗りともになかなかの高レベルでイベントCGに関しては何も注文をつけるところはないと思われます。 ただ立ち絵に関しては少々思うところが。 服装変化分+裸の枚数しか立ち絵がないのは手抜きでは?(´Д`; フェイスウィンドウによる豊富な表情変化は大変面白いですし、それのおかげである程度立ち絵の少なさを感じさせなくはなっていますが、やはり画面が寂しい印象を受けます。 せっかくの魅力的な絵なんですし、もうちょっと頑張って欲しかったところ。 枚数は鑑賞モードによれば84枚(パターン違い除く) Hシーンが多いこともあって半数以上がHCGというのは純愛物としては珍しいかも。 プレイ時間的に見ても枚数に特に不満はありません。 本当は教師ルートの通常CGが欲しいのですけどイベント自体がないのはどうにもならないので(^^; |
音楽・音声とか |
BGMはPCMで再生、全15曲。うち1曲がボーカル曲です。 質の方はごくごく標準程度といったレベルでしょうか。 ただ使う場面には合っていたのでBGMとしては十分及第点だと思います。 お気に入りの曲は「孤独の名前」と「恋の花〜pianoforte〜」 ボーカル曲「恋の花」はもう少し歌詞かメロディがバカノリだったらお気に入りになってたかもです(ぉ 音声の方は脇役も含めてフルボイス。 声質もキャラに合っていますし演技の方も概ね問題ない面々だったかと思われます。 個人的にはいずみ役の方の演技は少々苦手なんですが……まあこれは単純な好みの問題で、客観的に見れば気にならないレベルかと。 彼女にしたって濡れ場の演技なんかは気になりませんし(爆) |
シナリオとか |
キャラはいいのに掘り下げが浅いなぁ(^^; 例によって例の如く一言で総括してしまうとそんな感じのシナリオです。 とりあえずは先に誉めどころから。 まず挙げられるのはキャラ立ての上手さでしょう。 教師側にせよ学生側にせよヒロインは特徴的かつ非常に魅力的に描かれています。 様々なタイプのヒロインが用意されているので誰でも1人くらいは気にいるキャラができるのではないでしょうか? またテキストのテンポがいいせいもあって特に中弛みなどを感じないのもポイント。 基本的なシナリオ展開が恐ろしくベタなラブコメというのは多少好みの分かれるところだとは思いますが、ヒロイン達の個性を上手く見せる意味では有効だったと思います。 元々ラブコメ好きの私はかなり萌えてしまいました(^^; それ以外ではこの手の作品としては異例と言っていいほどHシーンが多いです。 まあ「誘惑」があるから、という単純な理由ですけど「萌えゲーとはいえエロがないと」という方には朗報かと。 個人的には後述しますが単に多いだけで面白みに欠けると思ってしまうのですけどね(ぉぃ 誉めどころをまとめると「魅力的なキャラのおかげで萌えるし、実用性も十分のラブコメ」ってとこですか。 では誉めたところで次は難点を洗い出していきます。 冒頭にも書いていますが最大の問題は教師ルートが完全にオマケ扱いなことでしょう。 「純愛」と「誘惑」のどちらを選ぶかがテーマのゲームの割に誘惑(教師)ルートの扱いがあまりにも軽すぎます。 元々最初に「どの学生側ヒロインが好きか」を選択してゲームが始まる以上、仕方ない面もあるのでしょうが何回かあるHするかしないかの選択肢で誘惑に乗るだけでラストもラストで分岐して「好きになってた」と告白されても説得力が全くありません(^^; 乱暴な言い方をしてしまえばHシーンの数を増やすだけの存在に終わっている気さえしてしまいます(ぉ せっかくキャラは魅力的だし裏設定もあるようなのでもっとそれを活かして欲しかったです。 またこれは学生・教師の両ルートに共通したことですけど好きになった理由付けが弱いです。 教師側についてはその描写はほぼ皆無ですし(ほとんどイベントらしいイベントもないのに惚れろと?)、 学生側についても最初に軽く提示はされるもののどうにも弱い気がします。 もうちょっとキッカケ的なことをきちんと描くだけで随分入り込みやすさが違ったのではないでしょうか。 細かいところだと文章が三人称ナレーション調でどこか感情移入しにくいというのも。 やはりこの手のゲームに関しては主人公視点の方が向いていると思います。試みは面白いんですけど(^^; う〜ん、そんなところですかね。 それ以外だと、人によっては「基本的にどのシナリオも話の流れが同じ」というのが気に障るかもしれません。 同じ流れの中で多少の幅を持たせていたので私としてはさほど気にしませんが…。 しっかり萌えたし個人的には好きなお話ですけど、気になるところも多い。 全体としてはそんな感じです。あと一歩なんだけどなぁ(^^; |
総評 |
ちょっと世間の評価に煽られて期待しすぎましたかね。 でもまあ、基本的には結構好きなソフトです。 まとめ。典型的及第点〜佳作なソフト。 あとちょっとの改善でグッと良くなるのに…という点があらゆる部門で見受けられました。惜しいです。 誘惑側の扱いの軽さに起因する全体としてのバランスの悪さと、全体としての惜しい出来、しかしながら強力なキャラの魅力……様々な点の考慮に加えて、次での改善への期待も込めつつこの評価にしておきます。 |
書いた時点での総プレイ時間 | 約11時間(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 白瀬憂・加賀御文 | ||
お気に入りのセリフ | 「もっと……もっともっと、嫉妬されたいです」 |
初版2002/06/27