21 -TwoOne-(PC) ※ディスク2枚組 | |||
メーカー | BasiL | 総合評価 | 55点(凡作〜及第点) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2001/05/25 | ||
シナリオ | あごバリア・王雀孫 | 「BLESS」でデビューしたBasiLの第2弾。 メッセサンオーの特典CD(専用の描き下ろしCGまで付いたおまけシナリオ入り)については多くの非難が(ぉ 中小ブランドって立場弱いからねぇ……(^^; |
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原画 | 西又葵・こつえー・里海ひなこ | ||
サウンド | アッチョリケ・KING・coldhand・内藤侑史 |
個人的エピソード |
3人いる原画さんのうち西又さんとこつえーさんのファンなので購入。 それと前作が結構気に入ってたので。 |
内容 |
母親を病気で失ったその時、主人公は医者になる事を決めた。 どんな病気にも打ち勝つ事の出来る、苦しんでいる人達を助ける事の出来る医者になる事を。 そして、その目標通り彼は医者になった。それも優秀な医者に。 しかし、自分がどれだけ頑張ろうとも、どれだけ努力しようとも、 すべての患者を救うことはできない、という現実。 『死』という概念を消し去る事はできないという現実。 医師としての存在意義に疑問を感じ、自信を失っていく毎日。 だが、そんな日々の中で起こった一つの殺人事件。 あまりにもあっけない「生」の終わり。 死ぬという事。生きるという事。限りがあるという事。永遠という事。 彼は医師としての自分と対面しながら。そして答えを求めながら その先に待つ真実を、何一つ知らずに…。 『人が人として生きる』事の価値を。 (マニュアルより) |
システムとか |
必要容量は約500MB。 基本的には選択肢分岐型のADVですが、特徴的な点として「信頼度チェック」が挙げられます。 これはプレイヤーの意思で、それぞれのキャラクターに「信頼」「平常」「疑惑」のいずれかの属性を振り分けることによって主人公の対応を変えることができるというものです。 で、あるキャラを信頼していないと特定ルートに進めなかったりするわけですね。 推理・謎解きADVなどで使うとかなり面白いシステムだと思います。 ただ、これが劇中上手く機能しているかというと話は別で、多くのプレイヤーがするであろう「攻略対象ヒロインは“信頼”にして他は放置」というやり方で移動先などの選択肢さえ間違えなければ、クリアできてしまうんですよね……(^^;(ただし1人除く) 途中、殺人事件の謎を追う!みたいな展開になるんですから、しかるべき人物を疑わないとヒロインを信頼したってダメっていうようにして欲しかったです。 他の特徴としては人物相関図とシナリオチャートマップ。 それほど複雑な関係があるわけでもないので前者の意味はそれほど感じませんでしたが、後者は繰り返しプレイする際には便利かと。自力攻略派の方には嬉しい仕様でしょう。 セーブ数は標準10個+クイックセーブ1個。 これに加えてファイル名を付けることで無限に増やせます。 スキップは既読のみですが、Ctrl押下で強制も可。 バックログが何行かわかりませんが、相当量可能です。 プログラマさんが「Portrait」と同じ方で選択肢履歴なども表示されますので、おそらく999行なんじゃないかと(ぉ 鑑賞系はCG・BGM・シーン回想に加えて、全ED(未解決ED含む)確認後にはおまけシナリオが出現と充実。 我が家の環境では時々、起動直後にフリーズすることがありましたけどそれ以外は特に不満もありません(^^; |
絵とか |
3名いる原画陣のうち、里海さんだけ若干見劣りするような気がしますが、これは個人的嗜好なので置いておくとして(^^; 出来としては多くのユーザーがこの分野を目当てに買ってるだけあって何も問題はありません。 立ち絵は可愛く、種類も結構豊富ですし(角度が変わるとちょっと崩れますが)、 イベント絵は原画・塗りともにかなりのハイクオリティじゃないかと。 しっかりと原画陣の魅力を殺すことなく引き出しています。 枚数の方は122枚(パターン違い・背景除く)。 3人で作業分担していることを考えるとどうかわかりませんが、プレイ時間から算定するとかなりの枚数だと思います。 |
音楽とか ※音声はありません |
BGMはCD-DAで収録、全21曲。うち2曲がボーカル曲です。 まず一言。歌が上手くなりました(爆) で、それはさておき全体としての質なんですが…水準やや上ってところでしょうか。 決して低いということもないんですが、印象に残るという程でもありません。 この出来ならもうちょっと印象に残っても良さそうなもんですが…。 まあ、ゲームBGMの出来ってのは曲単体じゃ決まりませんからね(ぉ 恒例のお気に入りはOP「TRUTH and FATE」に「DAYREPEAT」「RED MOON」といったところ。 前作やった時にも思ったんですが、音楽のアッチョリケさんは結構才能あるんじゃないかと思います。 さて、音声についても一言。 このゲームには音声が入ってないんですが、これは致命的と言わざるをえません。 シナリオ面でも触れますが、キャラクターの立て方や会話テンポ自体はいいと思うので絶対に付けた方がプラスに働いたかと。 このソフトの武器である(と思っている)萌え度に修正かかりますから(^^; |
シナリオとか |
まず最初に総括してしまうと、 書きたいテーマに対して実力が追いついていないってところでしょうか。 詳細はどちらから先に書くべきかはわかりませんが、まずはいい方から。 それぞれのキャラがしっかりと立っていて、かつ会話のテンポも良いのでヒロインとの会話はなかなか楽しめます。 特に紅葉との軽妙なやり取りは個人的に◎ こういった日常シーンは読んでて素直に楽しめました。 そして、これは個人的なことになってしまいますが真魚と芹(特に真魚)の反応が 私にとってはいちいちツボで何度も悶えるハメに(爆) というわけで萌え度は結構高いんじゃないかと。 え〜っと言いにくいんですが、誉めどころは以上です(マテ では難点をいくつか。 まず最初に気づくのがシーンが断片的ということでしょうか。 シリアスなシーンが画面切り替えと同時に一転、コミカルなシーンに変わるという、 それ自体は問題ないんですがそのシフトがあまりスムースに行えていない気がします。 なんだか急変って印象を受けてしまうんですよね。 シーンとシーンの接合がうまくいっていないとでも言うべきでしょうか。 EDとエピローグの間にすら断絶感を感じるのはまずいでしょう(^^; さらに、ちょっと「断片的」というのと被りますが、Hシーンへの導入が不自然に感じました。 …主人公さん、医者なんだから手術中に屋上行って患者の血縁者とHしたり、当直勤務中に部屋で始めちゃうのはやめましょうよ。「淫内感染」とかじゃないんだから(笑) 個人的には主人公が独立した過去・人格を持ちすぎていて感情移入しにくい点、「呪い」とか言いながら手術を頑張るだけであっさり人魚の力を乗り越えられる点、キャラによっては殺人事件などを出す意味がない展開というのも難点だったんですが、この辺は人次第だと思いますのであくまでご参考までに。。 でも真面目な話、シナリオさんの実力的に見て「生と死」「人間が人間として生きる意味」というテーマはハードルとしては高すぎたと思います。 殺人事件とか人魚の肉とか不老不死だとか小難しいモチーフ抜きに、 ただ単純に「主人公の挫折と再起」に焦点を絞ったオマケの方が個人的には面白かったです。 |
総評 |
人によってはまたちょっと違うでしょうが、大体こんなところでしょう。 まとめ。意欲が微妙に空回りな感動物? ちょっと背伸びして色んな要素を欲張りすぎた感があります。 だから、単純な成長物語にしたオマケの方が質が高く思えてしまうわけで。 個人的には次回作は学園あたりを舞台にしたオーソドックスな萌え系恋愛ゲームを作って欲しいところ。 もちろん音声もつけて。それなら買います(ぉぃ 評価は自己評価50点に真魚ちゃん修正でプラス5点(爆) オマケシナリオは修正には加えていませんが、もしも加えるならさらに5点加点。 そんな感じです。 |
書いた時点での総プレイ時間 | 約9時間(コンプ・メッセのCD含む) | ||
お気に入りのキャラ | 二見真魚・榊芹 | ||
お気に入りのセリフ | 特になし |
初版2001/05/30 最終更新06/02