第一級陸上無線技術士試験 無線工学B 過去問題 H29.1 A-9

H29.1 A-9

次の記述は、図に示す導波管で構成されたラットレース回路について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、管内波長を\(\,\lambda_g\,[\mathrm{m}]\,\)とする。なお、同じ記号の\(\,\boxed{\phantom{1234}}\,\)内には、同じ字句が入るものとする。

  1. 導波管の\(\,\boxed{\quad\text{A}\quad}\,\)面を環状にして、全長を\(\,6\lambda_g/4\,[\mathrm{m}]\,\)とし、間隔を\(\,\lambda_g/4\,[\mathrm{m}]\,\)及び\(\,3\lambda_g/4\,[\mathrm{m}]\,\)として、四本の\(\,\boxed{\quad\text{A}\quad}\,\)分岐を設けた構造である。
  2. 分岐①からの入力は、左右に分離して進むとき、分岐②では左右からの行路差が\(\,\lambda_g\,[\mathrm{m}]\,\)になるために同相となり、分岐④でも左右からの行路差が\(\,\lambda_g\,[\mathrm{m}]\,\)になるために同相となる。したがって、分岐②と④には同じ出力が得られる。しかし、分岐③では左右からの行路差が\(\,\boxed{\quad\text{B}\quad}\,[\mathrm{m}]\,\)になるために、出力は得られない。同様に、分岐②からの入力は分岐\(\,\boxed{\quad\text{C}\quad}\,\)に出力が得られる。
  3. この回路を用い、分岐\(\,\boxed{\quad\text{D}\quad}\,\)に接続した受信機を分岐①に接続した送信機の大送信出力から保護し、かつ、分岐②に接続した一つのアンテナを送受共用にすることができる。
\[ \begin{array}{l c c c c} &\text{A}&\text{B}&\text{C}&\text{D} \\ 1&H&\lambda_g/4&③と④&③ \\ 2&H&\lambda_g/2&①と③&④ \\ 3&E&\lambda_g/4&③と④&④ \\ 4&E&\lambda_g/4&①と③&③ \\ 5&E&\lambda_g/2&①と③&③ \end{array} \]

解法

分岐①からの入力が分岐③へ向かうとき、時計回り行路が\(\,\lambda_g/2\,\)、半時計回り行路が\(\,\lambda_g\,\)となる。この行路差が\(\,\lambda_g/2\,\)なので逆位相、互いに打ち消しあうので分岐③への出力は得られない。

答え…5