第一級陸上無線技術士試験 無線工学B 過去問題 H30.1 A-13 H28.7 A-13

H30.1 A-13

次の記述は、携帯電話等の携帯機に用いられる逆L形アンテナ、逆F形アンテナ及び板状逆F形アンテナについて述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. 逆L形アンテナは、1/4波長モノポールアンテナの途中を直角に折り曲げたアンテナであり、放射抵抗は、1/4波長モノポールアンテナに比べて大きい。
  2. 逆F形アンテナは、逆L形アンテナの給電点近くで、放射素子と地板(グランドプレーン)の間に短絡部を設けたものである。
  3. 逆F形アンテナは、入力インピーダンスが調整しやすく、逆L形アンテナに比べて機器との間の整合がとりやすい。
  4. 逆F形アンテナの放射素子を板状にし、放射素子と地板(グランドプレーン)との間に短絡板と給電点を設けたものは、板状逆F形アンテナと呼ばれている。
  5. 板状逆F形アンテナは、逆F形アンテナに比べて周波数帯域幅が広い。

解法

逆L形アンテナは、1/4波長モノポールアンテナの途中を直角に折り曲げたアンテナであり、放射抵抗は、1/4波長モノポールアンテナに比べて小さい。

答え…1

H28.7 A-13

次の記述は、図に示す携帯電話等の携帯機に用いられる逆L形アンテナ、逆F形アンテナ及び板状逆F形アンテナの原理的構成例について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  1. 逆L形アンテナは、図1に示すように1/4波長モノポールアンテナの途中を直角に折り曲げたアンテナであり、そのインピーダンスの抵抗分の値は、1/4波長モノポールアンテナに比べて\(\,\boxed{\quad\text{A}\quad}\,\)、また、リアクタンス分の値は、\(\boxed{\quad\text{B}\quad}\,\)であるため、通常の同軸線路などとのインピーダンス整合が取りにくい。
  2. 逆F形アンテナは、図2に示すように逆L形アンテナの給電点近くのアンテナ素子と地板(グランドプレーン)の間に短絡部を設け、アンテナの入力インピーダンスを調整しやすくし、逆L形アンテナに比べてインピーダンス整合が取りやすくしたものである。
  3. 板状逆F形アンテナは、図3に示すように逆F形アンテナのアンテナ素子を板状にし、短絡部と給電点を設けたものであり、逆F形アンテナに比べて周波数帯域幅が\(\,\boxed{\quad\text{C}\quad}\,\)。
\[ \begin{array}{l c c c} &\text{A}&\text{B}&\text{C} \\ 1&大きく&容量性&狭い \\ 2&大きく&誘電性&広い \\ 3&小さく&容量性&広い \\ 4&小さく&誘電性&広い \\ 5&小さく&誘電性&狭い \end{array} \]

解法

逆L形アンテナは、1/4波長モノポールアンテナの途中を直角に折り曲げたアンテナであり、放射抵抗は、1/4波長モノポールアンテナに比べて小さい。

リアクタンス分の値は、容量性である。

板状逆F形アンテナは、図3に示すように逆F形アンテナのアンテナ素子を板状にし、短絡部と給電点を設けたものであり、逆F形アンテナに比べて周波数帯域幅が広い。

答え…3