第一級陸上無線技術士試験 無線工学B 過去問題 R5.1(2) A-15 R2.11(2) A-16 R1.7 A-17 H30.1 A-17 H28.7 A-17

R5.1(2) A-15

次の記述は、電離層における電波の反射機構について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  1. 電離層の電子密度\(\,N\,\)の分布は、高さと共に徐々に増加し、ある高さで最大となり、それ以上の高さでは徐々に減少している。\(N\,\)が零のとき、電波の屈折率\(\,n\,\)はほぼ\(\,1\,\)であり、\(N\,\)が\(\,\boxed{\quad\text{A}\quad}\,\)のとき、\(n\,\)は最小となる。
  2. \(N\,\)が高さと共に徐々に増加している電離層内の\(\,N\,\)が異なる隣接した二つの水平な層を考え、地上からの電波が層の境界へ入射するとき、下の層の屈折率を\(\,n_i\,\)、上の層の屈折率を\(\,n_r\,\)、入射角を\(\,i\,\)、屈折角を\(\,r\,\)とすれば、\(n_r\,\)は、\(n_r=n_i\times\,\boxed{\quad\text{B}\quad}\,\)で表される。
  3. このときの\(\,r\,\)は\(\,i\,\)より\(\,\boxed{\quad\text{C}\quad}\,\)ので、\(N\,\)が十分に大きいとき、電離層に入射した電波は、高さと共に徐々に下に向かって曲げられ、やがて地上に戻ってくることになる。
\[ \begin{array}{r c c c} &\text{A}&\text{B}&\text{C} \\ 1&最大&\sin r/\sin i&大きい \\ 2&最大&\cos i/\cos r&小さい \\ 3&最大&\sin i/\sin r&大きい \\ 4&最小&\sin i/\sin r&大きい \\ 5&最小&\sin r/\sin i&小さい \end{array} \]

解法

屈折率は光、電波などが曲がる率を言い、真空の層1から真空の層2に進行するとき\(\,1\,\)となり、曲がらないことを意味する。物理的な媒介と光の関係を考えた場合には、1が最小であり、空気だと1.003、水だと1.3330と言う具合に増えていく。ただし、電離層と電波の関係を言えば電子密度が増加することにより1より小さくなる。\(\cdots\boxed{\quad\text{A}\quad}\)

参考までに屈折率の表現には絶対屈折率と相対屈折率とがあり、ここでは絶対屈折率を言っている。

電子密度が入射する側の層の屈折率を\(\,n_a\,\)、入射角を\(\,\alpha\,\)、進行する側の層の屈折率を\(\,n_b\,\)、屈折角を\(\,\beta\,\)とすると、次の関係が成り立つ。

\[ n_a\sin\alpha=n_b\sin\beta \]

これをスネルの法則という。

問題では、下の層から入射し、上の層に進行するので

\[ \begin{eqnarray} n_i\sin i&=&n_r\sin r \\ n_r&=&n_i\times\cfrac{\sin i}{\sin r}\cdots\boxed{\quad\text{B}\quad} \end{eqnarray} \]

となる。

上の層にいくほど\(\,N\,\)は増加し、\(n\,\)は小さくなる。つまり\(\,n_i\,\)より\(\,n_r\,\)が小さくなる。\(n_i\sin i=n_r\sin r\,\)の関係なので、\(\sin i\,\)より\(\sin r\,\)が大きくなる。\(\cdots\boxed{\quad\text{C}\quad}\)

答え…3

R2.11(2) A-16

次の記述は、電離層における電波の反射機構について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  1. 電離層の電子密度\(\,N\,\)の分布は、高さと共に徐々に増加し、ある高さで最大となり、それ以上の高さでは徐々に減少している。\(N\,\)が零のとき、電波の屈折率\(\,n\,\)はほぼ\(\,1\,\)であり、\(N\,\)が最大のとき、\(n\,\)は\(\,\boxed{\quad\text{A}\quad}\,\)となる。
  2. \(N\,\)が高さと共に徐々に増加している電離層内の\(\,N\,\)が異なる隣接した二つの水平な層を考え、地上からの電波が層の境界へ入射するとき、下の層の屈折率を\(\,n_i\,\)、上の層の屈折率を\(\,n_r\,\)、入射角を\(\,i\,\)、屈折角を\(\,r\,\)とすれば、\(n_r\,\)は、\(n_r=n_i\times\,\boxed{\quad\text{B}\quad}\,\)で表される。
  3. このときの\(\,r\,\)は\(\,i\,\)より\(\,\boxed{\quad\text{C}\quad}\,\)ので、\(N\,\)が十分に大きいとき、電離層に入射した電波は、高さと共に徐々に下に向かって曲げられ、やがて地上に戻ってくることになる。
\[ \begin{array}{r c c c} &\text{A}&\text{B}&\text{C} \\ 1&最大&\sin r/\sin i&大きい \\ 2&最大&\cos i/\cos r&小さい \\ 3&最大&\sin i/\sin r&大きい \\ 4&最小&\sin i/\sin r&大きい \\ 5&最小&\sin r/\sin i&小さい \end{array} \]

解法

屈折率は光、電波などが曲がる率を言い、真空の層1から真空の層2に進行するとき\(\,1\,\)となり、曲がらないことを意味する。物理的な媒介と光の関係を考えた場合には、1が最小であり、空気だと1.003、水だと1.3330と言う具合に増えていく。ただし、電離層と電波の関係を言えば電子密度が増加することにより1より小さくなる。\(\cdots\boxed{\quad\text{A}\quad}\)

参考までに屈折率の表現には絶対屈折率と相対屈折率とがあり、ここでは絶対屈折率を言っている。

電子密度が入射する側の層の屈折率を\(\,n_a\,\)、入射角を\(\,\alpha\,\)、進行する側の層の屈折率を\(\,n_b\,\)、屈折角を\(\,\beta\,\)とすると、次の関係が成り立つ。

\[ n_a\sin\alpha=n_b\sin\beta \]

これをスネルの法則という。

問題では、下の層から入射し、上の層に進行するので

\[ \begin{eqnarray} n_i\sin i&=&n_r\sin r \\ n_r&=&n_i\times\cfrac{\sin i}{\sin r}\cdots\boxed{\quad\text{B}\quad} \end{eqnarray} \]

となる。

上の層にいくほど\(\,N\,\)は増加し、\(n\,\)は小さくなる。つまり\(\,n_i\,\)より\(\,n_r\,\)が小さくなる。\(n_i\sin i=n_r\sin r\,\)の関係なので、\(\sin i\,\)より\(\sin r\,\)が大きくなる。\(\cdots\boxed{\quad\text{C}\quad}\)

答え…4

R1.7 A-17

次の記述は、電離層における電波の反射機構について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  1. 電離層の電子密度\(\,N\,\)の分布は、高さと共に徐々に増加し、ある高さで最大となり、それ以上の高さでは徐々に減少している。\(N\,\)が零のとき、電波の屈折率\(\,n\,\)はほぼ\(\,1\,\)であり、\(N\,\)が最大のとき、\(n\,\)は\(\,\boxed{\quad\text{A}\quad}\,\)となる。
  2. \(N\,\)が高さと共に徐々に増加している電離層内の\(\,N\,\)が異なる隣接した二つの水平な層を考え、地上からの電波が層の境界へ入射するとき、下の層の屈折率を\(\,n_i\,\)、上の層の屈折率を\(\,n_r\,\)、入射角を\(\,i\,\)、屈折角を\(\,r\,\)とすれば、\(n_r\,\)は、\(n_r=n_i\times\,\boxed{\quad\text{B}\quad}\,\)で表される。
  3. このときの\(\,r\,\)は\(\,i\,\)より\(\,\boxed{\quad\text{C}\quad}\,\)ので、\(N\,\)が十分に大きいとき、電離層に入射した電波は、高さと共に徐々に下に向かって曲げられ、やがて地上に戻ってくることになる。
\[ \begin{array}{r c c c} &\text{A}&\text{B}&\text{C} \\ 1&最小&\sin r/\sin i&小さい \\ 2&最小&\sin i/\sin r&大きい \\ 3&最大&\sin r/\sin i&大きい \\ 4&最大&\sin i/\sin r&小さい \\ 5&最大&\sin i/\sin r&大きい \end{array} \]

解法

屈折率は光、電波などが曲がる率を言い、真空の層1から真空の層2に進行するとき\(\,1\,\)となり、曲がらないことを意味する。物理的な媒介と光の関係を考えた場合には、1が最小であり、空気だと1.003、水だと1.3330と言う具合に増えていく。ただし、電離層と電波の関係を言えば電子密度が増加することにより1より小さくなる。\(\cdots\boxed{\quad\text{A}\quad}\)

参考までに屈折率の表現には絶対屈折率と相対屈折率とがあり、ここでは絶対屈折率を言っている。

電子密度が入射する側の層の屈折率を\(\,n_a\,\)、入射角を\(\,\alpha\,\)、進行する側の層の屈折率を\(\,n_b\,\)、屈折角を\(\,\beta\,\)とすると、次の関係が成り立つ。

\[ n_a\sin\alpha=n_b\sin\beta \]

これをスネルの法則という。

問題では、下の層から入射し、上の層に進行するので

\[ \begin{eqnarray} n_i\sin i&=&n_r\sin r \\ n_r&=&n_i\times\cfrac{\sin i}{\sin r}\cdots\boxed{\quad\text{B}\quad} \end{eqnarray} \]

となる。

上の層にいくほど\(\,N\,\)は増加し、\(n\,\)は小さくなる。つまり\(\,n_i\,\)より\(\,n_r\,\)が小さくなる。\(n_i\sin i=n_r\sin r\,\)の関係なので、\(\sin i\,\)より\(\sin r\,\)が大きくなる。\(\cdots\boxed{\quad\text{C}\quad}\)

答え…2

H30.1 A-17

次の記述は、電離層における電波の反射機構について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  1. 電離層の電子密度\(\,N\,\)の分布は、高さと共に徐々に増加し、ある高さで最大となり、それ以上の高さでは徐々に減少している。\(N\,\)が零のとき、電波の屈折率\(\,n\,\)はほぼ\(\,1\,\)であり、\(N\,\)が最大のとき、\(n\,\)は\(\,\boxed{\quad\text{A}\quad}\,\)となる。
  2. \(N\,\)が高さと共に徐々に増加している電離層内の\(\,N\,\)が異なる隣接した二つの水平な層を考え、地上からの電波が層の境界へ入射するとき、下の層の屈折率を\(\,n_i\,\)、上の層の屈折率を\(\,n_r\,\)、入射角を\(\,i\,\)、屈折角を\(\,r\,\)とすれば、\(n_r\,\)は、\(n_r=n_i\times\,\boxed{\quad\text{B}\quad}\,\)で表される。
  3. このときの\(\,r\,\)は\(\,i\,\)より\(\,\boxed{\quad\text{C}\quad}\,\)ので、\(N\,\)が十分に大きいとき、電離層に入射した電波は、高さと共に徐々に下に向かって曲げられ、やがて地上に戻ってくることになる。
\[ \begin{array}{r c c c} &\text{A}&\text{B}&\text{C} \\ 1&最大&\sin r/\sin i&大きい \\ 2&最大&\sin i/\sin r&小さい \\ 3&最大&\sin i/\sin r&大きい \\ 4&最小&\sin r/\sin i&小さい \\ 5&最小&\sin i/\sin r&大きい \end{array} \]

解法

屈折率は光、電波などが曲がる率を言い、真空の層1から真空の層2に進行するとき\(\,1\,\)となり、曲がらないことを意味する。物理的な媒介と光の関係を考えた場合には、1が最小であり、空気だと1.003、水だと1.3330と言う具合に増えていく。ただし、電離層と電波の関係を言えば電子密度が増加することにより1より小さくなる。\(\cdots\boxed{\quad\text{A}\quad}\)

参考までに屈折率の表現には絶対屈折率と相対屈折率とがあり、ここでは絶対屈折率を言っている。

電子密度が入射する側の層の屈折率を\(\,n_a\,\)、入射角を\(\,\alpha\,\)、進行する側の層の屈折率を\(\,n_b\,\)、屈折角を\(\,\beta\,\)とすると、次の関係が成り立つ。

\[ n_a\sin\alpha=n_b\sin\beta \]

これをスネルの法則という。

問題では、下の層から入射し、上の層に進行するので

\[ \begin{eqnarray} n_i\sin i&=&n_r\sin r \\ n_r&=&n_i\times\cfrac{\sin i}{\sin r}\cdots\boxed{\quad\text{B}\quad} \end{eqnarray} \]

となる。

上の層にいくほど\(\,N\,\)は増加し、\(n\,\)は小さくなる。つまり\(\,n_i\,\)より\(\,n_r\,\)が小さくなる。\(n_i\sin i=n_r\sin r\,\)の関係なので、\(\sin i\,\)より\(\sin r\,\)が大きくなる。\(\cdots\boxed{\quad\text{C}\quad}\)

答え…5

H28.7 A-17

次の記述は、電離層における電波の反射機構について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  1. 電離層の電子密度\(\,N\,\)の分布は、高さと共に徐々に増加し、ある高さで最大となり、それ以上の高さでは徐々に減少している。\(N\,\)が零のとき、電波の屈折率\(\,n\,\)はほぼ\(\,1\,\)であり、\(N\,\)が最大のとき、\(n\,\)は\(\,\boxed{\quad\text{A}\quad}\,\)となる。
  2. \(N\,\)が高さと共に徐々に増加している電離層内の\(\,N\,\)が異なる隣接した二つの水平な層を考え、地上からの電波が層の境界へ入射するとき、下の層の屈折率を\(\,n_i\,\)、上の層の屈折率を\(\,n_r\,\)、入射角を\(\,i\,\)、屈折角を\(\,r\,\)とすれば、\(n_r\,\)は、\(n_r=n_i\times\,\boxed{\quad\text{B}\quad}\,\)で表される。
  3. このときの\(\,r\,\)は\(\,i\,\)より\(\,\boxed{\quad\text{C}\quad}\,\)ので、\(N\,\)が十分に大きいとき、電離層に入射した電波は、高さと共に徐々に下に向かって曲げられ、やがて地上に戻ってくることになる。
\[ \begin{array}{r c c c} &\text{A}&\text{B}&\text{C} \\ 1&最小&\sin i/\sin r&大きい \\ 2&最小&\cos i/\cos r&小さい \\ 3&最大&\cos i/\cos r&大きい \\ 4&最大&\sin i/\sin r&小さい \\ 5&最大&\sin i/\sin r&大きい \end{array} \]

解法

屈折率は光、電波などが曲がる率を言い、真空の層1から真空の層2に進行するとき\(\,1\,\)となり、曲がらないことを意味する。物理的な媒介と光の関係を考えた場合には、1が最小であり、空気だと1.003、水だと1.3330と言う具合に増えていく。ただし、電離層と電波の関係を言えば電子密度が増加することにより1より小さくなる。\(\cdots\boxed{\quad\text{A}\quad}\)

参考までに屈折率の表現には絶対屈折率と相対屈折率とがあり、ここでは絶対屈折率を言っている。

電子密度が入射する側の層の屈折率を\(\,n_a\,\)、入射角を\(\,\alpha\,\)、進行する側の層の屈折率を\(\,n_b\,\)、屈折角を\(\,\beta\,\)とすると、次の関係が成り立つ。

\[ n_a\sin\alpha=n_b\sin\beta \]

これをスネルの法則という。

問題では、下の層から入射し、上の層に進行するので

\[ \begin{eqnarray} n_i\sin i&=&n_r\sin r \\ n_r&=&n_i\times\cfrac{\sin i}{\sin r}\cdots\boxed{\quad\text{B}\quad} \end{eqnarray} \]

となる。

上の層にいくほど\(\,N\,\)は増加し、\(n\,\)は小さくなる。つまり\(\,n_i\,\)より\(\,n_r\,\)が小さくなる。\(n_i\sin i=n_r\sin r\,\)の関係なので、\(\sin i\,\)より\(\sin r\,\)が大きくなる。\(\cdots\boxed{\quad\text{C}\quad}\)

答え…1