第一級陸上無線技術士試験 無線工学B 過去問題 R5.1(2) B-1 R4.1(2) B-1 R3.1(2) B-1 R2.1 B-1 H30.1 B-1

R5.1(2) B-1

次の記述は、図に示すように、同一の半波長ダイポールアンテナA及びBで構成したアンテナ系の利得を求める過程について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、アンテナ系の相対利得\(\,G\,(真数)\,\)は、アンテナ系に電力\(\,P\,[\mathrm{W}]\,\)を供給したときの十分遠方の点\(\,O\,\)における電界強度を\(\,E\,[\mathrm{V/m}]\,\)とし、このアンテナと置き換えた基準アンテナに電力\(\,P_0\,[\mathrm{W}]\,\)を供給したときの点\(\,O\,\)における電界強度を\(\,E_0\,[\mathrm{V/m}]\,\)とすれば、次式で与えられるものとする。なお、同じ記号の\(\,\boxed{\phantom{1234}}\,\)内には、同じ字句が入るものとする。

\[ G=\cfrac{|E|^2}P/\cfrac{|E_0|^2}{P_0}=M/M_0\cdots\text{①} \\ ただし、M=\cfrac{|E|^2}P、M_0=\cfrac{|E_0|^2}{P_0}とする。 \]
  1. アンテナA及びBの入力インピーダンスは等しく、これを\(\,Z_i\,[\mathrm{\Omega}]\,\)、自己インピーダンスと相互インピーダンスも等しく、これらをそれぞれ\(\,Z_{11}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)、\(Z_{12}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とすれば、\(Z_i\,\)は、次式で表される。 \[ Z_i=\boxed{\quad\text{ア}\quad}\,[\mathrm{\Omega}]\cdots\text{②} \]
  2. アンテナAと同一の半波長ダイポールアンテナを基準アンテナとして、給電点の電流を\(\,I\,[\mathrm{A}]\,\)、\(Z_{11}\,\)の抵抗分を\(\,R_{11}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とすれば、\(M_0\,\)は、次式で表される。 \[ M_0=\boxed{\quad\text{イ}\quad}\cdots\text{③} \]
  3. アンテナA及びBにそれぞれ\(\,I\,\)を供給すれば、\(M\,\)は、次式で表される。ただし、\(Z_{12}\,\)の抵抗分を\(\,R_{12}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とする。 \[ M=\boxed{\quad\text{ウ}\quad}\cdots\text{④} \]
  4. 式③と④を式①へ代入すれば、アンテナ系の相対利得\(\,G\,\)は、次式によって求められる。 \[ G=\boxed{\quad\text{エ}\quad}\cdots\text{⑤} \]
  5. 式⑤において、\(R_{11}\,\)は一定値であるから、\(G\,\)は\(\,R_{12}\,\)のみの関数となる。\(R_{12}\,\)の値は\(\,\boxed{\quad\text{オ}\quad}\,\)によって変わるので、\(\,\boxed{\quad\text{オ}\quad}\,\)の大きさにより\(\,G\,\)を変えることができる。。
\[ \begin{array}{r c} 1&\cfrac{|E_0|^2}{R_{11}|I|^2} \\ 2&2(Z_{11}+Z_{12}) \\ 3&\cfrac{R_{11}}{2(R_{11}+R_{12})} \\ 4&d \\ 5&\cfrac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2} \\ 6&Z_{11}+Z_{12} \\ 7&\cfrac{|E_0|^2}{R_{11}|I|} \\ 8&\cfrac{2R_{11}}{R_{11}+R_{12}} \\ 9&I \\ 10&\cfrac{|E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})^2|I|^2} \end{array} \]

解法

アンテナA及びBそれぞれに電流\(\,I\,\)を供給したとき、各アンテナからの電界強度を\(\,E_0\,\)とすると、最大放射方向の電界強度は\(\,2E_0\,\)となる。そのとき供給される電力は\(\,2P\,\)となるので、\(M\,\)は次式で表される。

\[ M=\cfrac{|2E_0|^2}{2P}=\cfrac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2} \]

利得\(\,G\,\)を求めると

\[ G=\cfrac M{M_0}=\cfrac{\frac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2}}{\frac{|E_0|^2}{R_{11}|I|^2}}=\cfrac{2R_{11}}{R_{11}+R_{12}} \]

アンテナの間隔\(\,d\,\)が変化すると、相互インピーダンス\(\,\dot Z_{12}=R_{12}+jX_{12}\,\)が変化するので、\(d\,\)の大きさにより\(\,G\,\)を変えることができる。

答え…ア-6 イ-1 ウ-5 エ-8 オ-4

R4.1(2) B-1

次の記述は、図に示すように、同一の半波長ダイポールアンテナA及びBで構成したアンテナ系の利得を求める過程について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、アンテナ系の相対利得\(\,G\,(真数)\,\)は、アンテナ系に電力\(\,P\,[\mathrm{W}]\,\)を供給したときの十分遠方の点\(\,O\,\)における電界強度を\(\,E\,[\mathrm{V/m}]\,\)とし、このアンテナと置き換えた基準アンテナに電力\(\,P_0\,[\mathrm{W}]\,\)を供給したときの点\(\,O\,\)における電界強度を\(\,E_0\,[\mathrm{V/m}]\,\)とすれば、次式で与えられるものとする。なお、同じ記号の\(\,\boxed{\phantom{1234}}\,\)内には、同じ字句が入るものとする。

\[ G=\cfrac{|E|^2}P/\cfrac{|E_0|^2}{P_0}=M/M_0\cdots\text{①} \\ ただし、M=\cfrac{|E|^2}P、M_0=\cfrac{|E_0|^2}{P_0}とする。 \]
  1. アンテナA及びBの入力インピーダンスは等しく、これを\(\,Z_i\,[\mathrm{\Omega}]\,\)、自己インピーダンスと相互インピーダンスも等しく、これらをそれぞれ\(\,Z_{11}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)、\(Z_{12}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とすれば、\(Z_i\,\)は、次式で表される。 \[ Z_i=\boxed{\quad\text{ア}\quad}\,[\mathrm{\Omega}]\cdots\text{②} \]
  2. アンテナAと同一の半波長ダイポールアンテナを基準アンテナとして、給電点の電流を\(\,I\,[\mathrm{A}]\,\)、\(Z_{11}\,\)の抵抗分を\(\,R_{11}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とすれば、\(M_0\,\)は、次式で表される。 \[ M_0=\boxed{\quad\text{イ}\quad}\cdots\text{③} \]
  3. アンテナA及びBにそれぞれ\(\,I\,\)を供給すれば、\(M\,\)は、次式で表される。ただし、\(Z_{12}\,\)の抵抗分を\(\,R_{12}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とする。 \[ M=\boxed{\quad\text{ウ}\quad}\cdots\text{④} \]
  4. 式③と④を式①へ代入すれば、アンテナ系の相対利得\(\,G\,\)は、次式によって求められる。 \[ G=\boxed{\quad\text{エ}\quad}\cdots\text{⑤} \]
  5. 式⑤において、\(R_{11}\,\)は一定値であるから、\(G\,\)は\(\,R_{12}\,\)のみの関数となる。\(R_{12}\,\)の値は\(\,\boxed{\quad\text{オ}\quad}\,\)によって変わるので、\(\,\boxed{\quad\text{オ}\quad}\,\)の大きさにより\(\,G\,\)を変えることができる。。
\[ \begin{array}{r c} 1&\cfrac{|E_0|^2}{R_{11}|I|} \\ 2&Z_{11}+Z_{12} \\ 3&\cfrac{R_{11}}{2(R_{11}+R_{12})} \\ 4&I \\ 5&\cfrac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2} \\ 6&2(Z_{11}+Z_{12}) \\ 7&\cfrac{|E_0|^2}{R_{11}|I|^2} \\ 8&\cfrac{2R_{11}}{R_{11}+R_{12}} \\ 9&d \\ 10&\cfrac{|E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})^2|I|^2} \end{array} \]

解法

アンテナA及びBそれぞれに電流\(\,I\,\)を供給したとき、各アンテナからの電界強度を\(\,E_0\,\)とすると、最大放射方向の電界強度は\(\,2E_0\,\)となる。そのとき供給される電力は\(\,2P\,\)となるので、\(M\,\)は次式で表される。

\[ M=\cfrac{|2E_0|^2}{2P}=\cfrac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2} \]

利得\(\,G\,\)を求めると

\[ G=\cfrac M{M_0}=\cfrac{\frac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2}}{\frac{|E_0|^2}{R_{11}|I|^2}}=\cfrac{2R_{11}}{R_{11}+R_{12}} \]

アンテナの間隔\(\,d\,\)が変化すると、相互インピーダンス\(\,\dot Z_{12}=R_{12}+jX_{12}\,\)が変化するので、\(d\,\)の大きさにより\(\,G\,\)を変えることができる。

答え…ア-2 イ-7 ウ-5 エ-8 オ-9

R3.1(2) B-1

次の記述は、図に示すように、同一の半波長ダイポールアンテナA及びBで構成したアンテナ系の利得を求める過程について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、アンテナ系の相対利得\(\,G\,(真数)\,\)は、アンテナ系に電力\(\,P\,[\mathrm{W}]\,\)を供給したときの十分遠方の点\(\,O\,\)における電界強度を\(\,E\,[\mathrm{V/m}]\,\)とし、このアンテナと置き換えた基準アンテナに電力\(\,P_0\,[\mathrm{W}]\,\)を供給したときの点\(\,O\,\)における電界強度を\(\,E_0\,[\mathrm{V/m}]\,\)とすれば、次式で与えられるものとする。なお、同じ記号の\(\,\boxed{\phantom{1234}}\,\)内には、同じ字句が入るものとする。

\[ G=\cfrac{|E|^2}P/\cfrac{|E_0|^2}{P_0}=M/M_0\cdots\text{①} \\ ただし、M=\cfrac{|E|^2}P、M_0=\cfrac{|E_0|^2}{P_0}とする。 \]
  1. アンテナA及びBの入力インピーダンスは等しく、これを\(\,Z_i\,[\mathrm{\Omega}]\,\)、自己インピーダンスと相互インピーダンスも等しく、これらをそれぞれ\(\,Z_{11}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)、\(Z_{12}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とすれば、\(Z_i\,\)は、次式で表される。 \[ Z_i=\boxed{\quad\text{ア}\quad}\,[\mathrm{\Omega}]\cdots\text{②} \]
  2. アンテナAと同一の半波長ダイポールアンテナを基準アンテナとして、給電点の電流を\(\,I\,[\mathrm{A}]\,\)、\(Z_{11}\,\)の抵抗分を\(\,R_{11}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とすれば、\(M_0\,\)は、次式で表される。 \[ M_0=\boxed{\quad\text{イ}\quad}\cdots\text{③} \]
  3. アンテナA及びBにそれぞれ\(\,I\,\)を供給すれば、\(M\,\)は、次式で表される。ただし、\(Z_{12}\,\)の抵抗分を\(\,R_{12}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とする。 \[ M=\boxed{\quad\text{ウ}\quad}\cdots\text{④} \]
  4. 式③と④を式①へ代入すれば、アンテナ系の相対利得\(\,G\,\)は、次式によって求められる。 \[ G=\boxed{\quad\text{エ}\quad}\cdots\text{⑤} \]
  5. 式⑤において、\(R_{11}\,\)は一定値であるから、\(G\,\)は\(\,R_{12}\,\)のみの関数となる。\(R_{12}\,\)の値は\(\,\boxed{\quad\text{オ}\quad}\,\)によって変わるので、\(\,\boxed{\quad\text{オ}\quad}\,\)の大きさにより\(\,G\,\)を変えることができる。。
\[ \begin{array}{r c} 1&\cfrac{|E_0|^2}{R_{11}|I|} \\ 2&Z_{11}+2Z_{12} \\ 3&\cfrac{2R_{11}}{R_{11}+R_{12}} \\ 4&d \\ 5&\cfrac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2} \\ 6&Z_{11}+Z_{12} \\ 7&\cfrac{|E_0|^2}{R_{11}|I|^2} \\ 8&\cfrac{R_{11}}{R_{11}+2R_{12}} \\ 9&I \\ 10&\cfrac{|E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})^2|I|^2} \end{array} \]

解法

アンテナA及びBそれぞれに電流\(\,I\,\)を供給したとき、各アンテナからの電界強度を\(\,E_0\,\)とすると、最大放射方向の電界強度は\(\,2E_0\,\)となる。そのとき供給される電力は\(\,2P\,\)となるので、\(M\,\)は次式で表される。

\[ M=\cfrac{|2E_0|^2}{2P}=\cfrac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2} \]

利得\(\,G\,\)を求めると

\[ G=\cfrac M{M_0}=\cfrac{\frac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2}}{\frac{|E_0|^2}{R_{11}|I|^2}}=\cfrac{2R_{11}}{R_{11}+R_{12}} \]

アンテナの間隔\(\,d\,\)が変化すると、相互インピーダンス\(\,\dot Z_{12}=R_{12}+jX_{12}\,\)が変化するので、\(d\,\)の大きさにより\(\,G\,\)を変えることができる。

答え…ア-6 イ-7 ウ-5 エ-3 オ-4

R2.1 B-1

次の記述は、図に示すように、同一の半波長ダイポールアンテナA及びBで構成したアンテナ系の利得を求める過程について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、アンテナ系の相対利得\(\,G\,(真数)\,\)は、アンテナ系に電力\(\,P\,[\mathrm{W}]\,\)を供給したときの十分遠方の点\(\,O\,\)における電界強度を\(\,E\,[\mathrm{V/m}]\,\)とし、このアンテナと置き換えた基準アンテナに電力\(\,P_0\,[\mathrm{W}]\,\)を供給したときの点\(\,O\,\)における電界強度を\(\,E_0\,[\mathrm{V/m}]\,\)とすれば、次式で与えられるものとする。なお、同じ記号の\(\,\boxed{\phantom{1234}}\,\)内には、同じ字句が入るものとする。

\[ G=\cfrac{|E|^2}P/\cfrac{|E_0|^2}{P_0}=M/M_0\cdots\text{①} \\ ただし、M=\cfrac{|E|^2}P、M_0=\cfrac{|E_0|^2}{P_0}とする。 \]
  1. アンテナA及びBの入力インピーダンスは等しく、これを\(\,Z_i\,[\mathrm{\Omega}]\,\)、自己インピーダンスと相互インピーダンスも等しく、これらをそれぞれ\(\,Z_{11}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)、\(Z_{12}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とすれば、\(Z_i\,\)は、次式で表される。 \[ Z_i=\boxed{\quad\text{ア}\quad}\,[\mathrm{\Omega}]\cdots\text{②} \]
  2. アンテナAと同一の半波長ダイポールアンテナを基準アンテナとして、給電点の電流を\(\,I\,[\mathrm{A}]\,\)、\(Z_{11}\,\)の抵抗分を\(\,R_{11}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とすれば、\(M_0\,\)は、次式で表される。 \[ M_0=\boxed{\quad\text{イ}\quad}\cdots\text{③} \]
  3. アンテナA及びBにそれぞれ\(\,I\,\)を供給すれば、\(M\,\)は、次式で表される。ただし、\(Z_{12}\,\)の抵抗分を\(\,R_{12}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とする。 \[ M=\boxed{\quad\text{ウ}\quad}\cdots\text{④} \]
  4. 式③と④を式①へ代入すれば、アンテナ系の相対利得\(\,G\,\)は、次式によって求められる。 \[ G=\boxed{\quad\text{エ}\quad}\cdots\text{⑤} \]
  5. 式⑤において、\(R_{11}\,\)は一定値であるから、\(G\,\)は\(\,R_{12}\,\)のみの関数となる。\(R_{12}\,\)の値は\(\,\boxed{\quad\text{オ}\quad}\,\)によって変わるので、\(\,\boxed{\quad\text{オ}\quad}\,\)の大きさにより\(\,G\,\)を変えることができる。。
\[ \begin{array}{r c} 1&\cfrac{|E_0|^2}{R_{11}|I|^2} \\ 2&Z_{11}+Z_{12} \\ 3&\cfrac{|E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})^2|I|^2} \\ 4&I \\ 5&\cfrac{R_{11}}{R_{11}+2R_{12}} \\ 6&Z_{11}+2Z_{12} \\ 7&\cfrac{|E_0|^2}{R_{11}|I|} \\ 8&\cfrac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2} \\ 9&d \\ 10&\cfrac{2R_{11}}{R_{11}+R_{12}} \end{array} \]

解法

アンテナA及びBそれぞれに電流\(\,I\,\)を供給したとき、各アンテナからの電界強度を\(\,E_0\,\)とすると、最大放射方向の電界強度は\(\,2E_0\,\)となる。そのとき供給される電力は\(\,2P\,\)となるので、\(M\,\)は次式で表される。

\[ M=\cfrac{|2E_0|^2}{2P}=\cfrac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2} \]

利得\(\,G\,\)を求めると

\[ G=\cfrac M{M_0}=\cfrac{\frac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2}}{\frac{|E_0|^2}{R_{11}|I|^2}}=\cfrac{2R_{11}}{R_{11}+R_{12}} \]

アンテナの間隔\(\,d\,\)が変化すると、相互インピーダンス\(\,\dot Z_{12}=R_{12}+jX_{12}\,\)が変化するので、\(d\,\)の大きさにより\(\,G\,\)を変えることができる。

答え…ア-2 イ-1 ウ-8 エ-10 オ-9

H30.1 B-1

次の記述は、図に示すように、同一の半波長ダイポールアンテナA及びBで構成したアンテナ系の利得を求める過程について述べたものである。\(\boxed{\phantom{1234}}\,\)内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、アンテナ系の相対利得\(\,G\,(真数)\,\)は、アンテナ系に電力\(\,P\,[\mathrm{W}]\,\)を供給したときの十分遠方の点\(\,O\,\)における電界強度を\(\,E\,[\mathrm{V/m}]\,\)とし、このアンテナと置き換えた基準アンテナに電力\(\,P_0\,[\mathrm{W}]\,\)を供給したときの点\(\,O\,\)における電界強度を\(\,E_0\,[\mathrm{V/m}]\,\)とすれば、次式で与えられるものとする。なお、同じ記号の\(\,\boxed{\phantom{1234}}\,\)内には、同じ字句が入るものとする。

\[ G=\cfrac{|E|^2}P/\cfrac{|E_0|^2}{P_0}=\cfrac M{M_0}\cdots\text{①} \\ ただし、M=\cfrac{|E|^2}P、M_0=\cfrac{|E_0|^2}{P_0}とする。 \]
  1. アンテナA及びBの入力インピーダンスは等しく、これを\(\,Z_i\,[\mathrm{\Omega}]\,\)、自己インピーダンスと相互インピーダンスも等しく、これらをそれぞれ\(\,Z_{11}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)、\(Z_{12}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とすれば、\(Z_i\,\)は、次式で表される。 \[ Z_i=\boxed{\quad\text{ア}\quad}\,[\mathrm{\Omega}]\cdots\text{②} \]
  2. アンテナAと同一の半波長ダイポールアンテナを基準アンテナとして、給電点の電流を\(\,I\,[\mathrm{A}]\,\)、\(Z_{11}\,\)の抵抗分を\(\,R_{11}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とすれば、\(M_0\,\)は、次式で表される。 \[ M_0=\boxed{\quad\text{イ}\quad}\cdots\text{③} \]
  3. アンテナA及びBにそれぞれ\(\,I\,\)を供給すれば、\(M\,\)は、次式で表される。ただし、\(Z_{12}\,\)の抵抗分を\(\,R_{12}\,[\mathrm{\Omega}]\,\)とする。 \[ M=\boxed{\quad\text{ウ}\quad}\cdots\text{④} \]
  4. 式③と④を式①へ代入すれば、アンテナ系の相対利得\(\,G\,\)は、次式によって求められる。 \[ G=\boxed{\quad\text{エ}\quad}\cdots\text{⑤} \]
  5. 式⑤において、\(R_{11}\,\)は一定値であるから、\(G\,\)は\(\,R_{12}\,\)のみの関数となる。\(R_{12}\,\)の値は\(\,\boxed{\quad\text{オ}\quad}\,\)によって変わるので、\(\,\boxed{\quad\text{オ}\quad}\,\)の大きさにより\(\,G\,\)を変えることができる。。
\[ \begin{array}{r c} 1&Z_{11}+2Z_{12} \\ 2&\cfrac{|E_0|^2}{R_{11}|I|} \\ 3&\cfrac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2} \\ 4&d \\ 5&\cfrac{2R_{11}}{R_{11}+R_{12}} \\ 6&\cfrac{|E_0|^2}{R_{11}|I|^2} \\ 7&Z_{11}+Z_{12} \\ 8&\cfrac{|E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})^2|I|^2} \\ 9&I \\ 10&\cfrac{R_{11}}{R_{11}+2R_{12}} \end{array} \]

解法

アンテナA及びBそれぞれに電流\(\,I\,\)を供給したとき、各アンテナからの電界強度を\(\,E_0\,\)とすると、最大放射方向の電界強度は\(\,2E_0\,\)となる。そのとき供給される電力は\(\,2P\,\)となるので、\(M\,\)は次式で表される。

\[ M=\cfrac{|2E_0|^2}{2P}=\cfrac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2} \]

利得\(\,G\,\)を求めると

\[ G=\cfrac M{M_0}=\cfrac{\frac{|2E_0|^2}{2(R_{11}+R_{12})|I|^2}}{\frac{|E_0|^2}{R_{11}|I|^2}}=\cfrac{2R_{11}}{R_{11}+R_{12}} \]

アンテナの間隔\(\,d\,\)が変化すると、相互インピーダンス\(\,\dot Z_{12}=R_{12}+jX_{12}\,\)が変化するので、\(d\,\)の大きさにより\(\,G\,\)を変えることができる。

答え…ア-7 イ-6 ウ-3 エ-5 オ-4