第11回 濾過層の話し

 前回もお話ししましたが、生物を飼育する水を作る濾過とは微生物が関与する生物学的濾過のことをさします。

 現状でもよく質問を受けるのは水もよく換え、砂もよく掃除し、フィルターもまめによく洗う。なのに藻類がよく発生するし今ひとつ調子が良くない、といったことが多いようです。このとき水換えや底床の清掃等は必要なのですが、行いすぎると濾過細菌にとって思わしくない環境となるのです。

 微生物が定着し、物質循環に寄与するためには被分解物が微生物により分解されなければならない、強いていえば微生物もしくは被分解物がそれぞれの周りに滞留する時間が必要であるということなのです。ましてや独立栄養硝化細菌や還元細菌などはイオンレベルの微少なものがそれらの周りに停滞しないとその効果が認められないということになります。

 そのような環境は微細な穴を持つ比較的水の通りにくい(被分解物質の滞留時間が長く、微生物がその水流に流されず被分解物質もしくは濾過材表面に停滞できること)環境がなければ本来微生物的濾過が行われてとはいえないということになります。

 通常、我々の使用するフィルターはどれをとっても単位流量あたりの濾過堆積があまりにも少ないということになり、初期設定時、何らかかの原因で流量が落ちるもしくは濾過材中に水が停滞できうる箇所が発生しなければならないということになります。

 これは、水草水槽でも海水水槽でも大型魚飼育水槽でも、理論的には皆同じなのです。

 それらを早く醸し出すためにはある程度の有機物供給と、水溶性有機物並びに無機体窒素並び炭素の除去が必要となるのです。

 これはある意味で矛盾だと思われがちですが繊維や、分解かす等の有機物が濾過材や底床を水流面や微生物の定着面から有効となるのです、しかし、この微生物活性環境が完全に醸し出されるまでに余剰な水溶性有機物やガス、イオンが藻類の原因や飼育生物に影響を与えてしまします。

 これらの環境を醸し出すためにはいくら多孔質であっても通過面の多いリング状の物などは意味をなさいことがご理解いただけるでしょう。また、良い濾過材でも立ち上げ時や濾過材交換時などその微生物環境が不安定になることがあります。それらの余剰な物質を除去する濾過材も必要といえるでしょう。

 これらの濾過材の比較を時を見てでも記載します。