水の中の成分
先日、ある有名小売店の海水ご担当者から質問を受けた疑問点について よく海水ではリンや銅があるとまずい、添加剤に銅が入っていると使用してはならないなどということが通例となってるように伺っております。
さてこのようなことはどうなのでしょう。
海草や1次生産者のプランクトンを育てる上でリンは必要ですし、生物の物質循環やヘモシアニンを血液に持つ軟体動物や甲殻類には比較的大量に必要なはずです。
リンの場合水槽という環境で、給餌量や排泄物量が多くそれを濾過しきれないもしくは水槽外へ排泄できないような状況であれば過剰に蓄積するため不要ということになるでしょう。
しかし、淡水で水草を育てるときも同様、ある元素がリービッヒの最小率より少なければ他がいくらあれども利用はできず、また、何かの元素が多ければ少なからず他のものと反応しその生態系内を悪い方へと引きずり2次的な弊害が現れるでしょう。
たとえばリン酸塩が多い場合、リン酸塩自身は藻類の発生等に起因する程度ですが、海水などの場合はアルカリ土類金属イオン等と反応し、リン酸カルシウムなどの沈殿を生じ、濾過層の表面積を縮小し濾過機能を低下させます。また、有機リンの場合もカルシウムなどを取り込み比較的分解が遅いいわゆるヘドロのような状態へと環境を変えていき、それに伴う水質悪化が起こり生態系としての水槽が崩れていくのです。
このような場合は、リンが多いということは様々な反応が起こり他のものはその反応により不活性となっている場合が主のため、リンだけをのぞけば良いということではなくリンをのぞけばリンを含めて他の元素も同時に供給してやる必要があるのです。
銅の場合も同じです。
無脊椎動物には鉄やモリブデン、マンガンが必要と記載されそのような商品が観賞魚用として販売されています。
無論必要なものは必要なのですが、生体代謝サイクルから言えば、それだけあっても何の役にも立たないのです。それらを取り込み必要な形へと変換する他の物質(有機物)やそれらを取り込み合成するエネルギー回路(解凍系)が順調に働くだけの有機物がなければ無意味なのです。
その中の一環として、微量な有機銅があり、有機亜鉛が存在せねばなりません。
無論過剰にあれば生物は死に至ります。
これらのことから、本当に生体代謝を考えものを言う製品では複雑きわまりないものになって当たり前なのです。
単にリンはだめ、銅はだめ、モリブデンはいい等では話にはならないことを頭に置いて下さい。