第7回 生物の適応と変調1
水質が変動を起こすと生物は変調を来す。
しかし、生物には適応という能力が備わっています。数々の生物がその環境へ適応し、その環境において進化を遂げていくのです。
生物は有性生殖を行う(他の遺伝子を組み込み適応していく)ものと大腸菌のように環状の遺伝子を持ち同じ遺伝子で増殖するものとがあります。
前者は世代を重ねる上でその環境に適応し日時あるいは季節変化に適応するために進化していくのです。たとえば同じ分類に属するものでも生活環境や適応性の違う種は数え切れないほどあるのです。
その中で我々の水辺を基本とするアクアリウムでは水質変化が生物に与える影響が大きいということになります。陸上生物では湿度や水分、温度といったものに限られますが水中の場合は水に溶け込む物質がすべて起因するため一筋縄ではいけません。
pH一つをとってもその変動が1というがなにに対して1なのかどのような生体が生息するのかにより論議をしなければものはいえません。たとえば琵琶湖のクロモなどが繁茂する夏場のpHは夜間7を割り込むことは珍しくありません。昼間時光合成により炭酸ガスが消費されpHは8.5という値まで上がります。(大学の時に測定した)その中に生息する魚類や貝類、甲殻類には異常は見られません。ただし水草類は移動できませんが動物は若干の垂直移動を行うことがありますがこれはpH変動が原因のものより水温変動が原因のものの方が多いように推測されます。また、pHは対数ですので中性付近の1の変動とそれを離れたところでの変動では全然違います。
もしpHの変動が日時変化で1あるような天然環境が存在するのならそれは水草の光合成による炭酸ガス吸収ということが起因することがほとんどだと思われます。そのときのpHは中性付近であるはずです。それをはずれた環境がもし天然に存在したとすればそこには特定な生物以外存在しないでしょう。もう一つ、pHといいますがpHは水素イオン濃度であってその濃度の変動が、なにに起因するのか により全然違ってきます。たとえば、水槽水の水を半分換えてpH5を6にした。べつにその中の魚は異常はない。という場合とそうでない場合があります。pHを変動させるすなわち水質そのものを変動させる場合と二酸化炭素や炭酸の変動のみで終わる場合の水質変動では前者の場合微生物に影響を与えより違ったものの物質循環変動が起こる可能性があります。その物質循環異常が起こったときになぜ同じように水変えしたのに調子を崩したのかという論議が起こるわけです。
pHや硬度は測りやすい指標です。しかし、一口にpH7といってもその内容が違います。海水でも淡水でもpH7は存在するのです極端ですがその7で水を換えればということを考えて下さい。
水草水槽では7を基準として炭酸ガス30mg/l程度でのpH変動が良いのですが通常新しい水槽では、炭酸ガスの供給を夜間停止すればその変動は夜昼逆転してしまいます。 (水草の神髄参照)上記のような変動範囲が一定内でおさまれば生体には何事もなかったように伺えます。しかし、飼育生物がそうであったとしても環境をつかさどる微生物に変異が起これば数日後その生態系全体が崩壊したように見えます。
しかし、それは飼育生物が死減しようとも環境はその後適用をはじめいわゆる浄化が始まり生物の生息できる環境へと変異させることができます。
また、短時間での急激な環境変化でない限り、数週間、数ヶ月で起こる場合はその期間内に適応することができるのです。
生物は数学や物理とは違い答えは無限大にあります。しかし、間違いを起こせば数学のようにやり直しはできません。その大切な飼育生物を死に追いやるということです。自分の水槽基本を確立しその生態系を正確を知りそれにあったメンテナンスを行うべきです。