事業を始めましょう(5)
◎法人と個人の税金の違い
一番の違いは事業主とその家族の取り扱いにあります。
◆個人の場合
個人の場合は生計を一にする配偶者その他親族に給料、家賃、借入金の利子などを支払っても、その支払った金額を必要経費とすることは出来ません。ただしその支払を受けた親族にその収入を得るために要した費用がある場合には、その経費の額を必要経費に算入することが出来ます。
例
@夫の所有する家屋で、妻が月5万円の家賃を支払って事業をしている場合。
5万円×12ヶ月で年60万円支払いました。この場合、支払家賃として60万円を経費とすることは出来ません。ただし、その家屋にかかる固定資産税や火災保険料等は、妻の事業所得の計算上、必要経費とすることが出来ます。
A事業主である妻が自分に給料として月25万円、時々手伝ってもらっている子供に4万円、夫に3万円支払っている場合。
32万円×12ヶ月で384万円を支払いました。この場合、384万円は給料として必要経費とすることは出来ません。事業主が自分に給料を支払うことは、経費として認められません。
青色申告者がその事業の専従者に支払う給与については、青色事業専従者給与の特例があります。この特例は専従者のみに認められるもので、他に職業のある場合や高校大学その他の学生である場合には認められません。この特例を受けるには、その年の3月15日までに青色専従者給与に関する届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
B専従者給与をもらっている人は、金額に関わらず控除対象配偶者又は扶養親族とはされません。