DARK FUNERAL

”In The Sign...”
 スウェーデンのLOAD AHRIMAN氏率いるブラック界の大物。このMCDはデビューMCD「DARK FUNERAL」のリマスター音源と2曲のボーナストラック(BATHORYのカヴァー)が追加されての再発盤。楽曲の方はこれぞスウェディッシュブラックの真髄と言える作風でブラックファンは必聴盤といえるであろう。暗黒美に満ち溢れ寒々しいリフを主体にあくまでメロディアスに攻める彼らの世界観の骨組みは既に組みあがっている。明確なヴィジョンがあってからこそだと思う。KEYを使わず冷たく冷気を放つリフ主体(ココがポイント)と疾走感が見事に融合している。当然、必聴盤である。
”The Secrets Of The Black Art”
 スウェーデンの疾走系ブラック1ST。前作から大幅にスピード、冷気、騒々しさがUPした強烈な1ST。とにかく荒涼感が凄まじく(4曲目は名曲!)それに伴い冷気も上がり一段と冷え込む(笑)1STにして既に彼らの描きたい世界がクッキリ、ハッキリと明確に伝わってくる。また楽曲におけるイメージも常に統一されていて一気に聴かせてくれる。イメージ的には荒れ狂う吹雪のように凍てつく中、負のエネルギーが迸ると言った感じ?とにかく寒い。個人的にココまで徹底して冷気を聴かせてくれるのはこのバンドとDISSECTIONくらいだと思う。後にチラホラとフォロワーを生むことになるほど影響力があった作品。ブラックメタルの入門としても大いにオススメできるのではないだろうか?必聴盤。
”Vobiscum Satanas”
 スウェーデンの疾走系ブラック2ND。正に前作から理想的に進化を遂げたと言える。音圧がグンと上がり轟音の中、確実に感じる荒涼とした世界観。荘厳かつ寒さを伴うギターリフ、邪悪に喚き散らすVo、ひたすらな2ビートとブラストで覆い尽くし無理なく疾走感を表現するリズム隊、KEYを使わず暗黒美を高次元で再現するとこう言う音が出来上がるのだろう。ビシッっと一本筋が通っていて迷いが無く、確実に聴き手に凍てつく波動が襲い掛かる究極の出来。隙が全く無く音に関してはもう言うことが無いでしょう。聴いた事の無い人は黙って買いましょう。ブラックメタルの歴史に名を残す名盤中の名盤で勿論必聴盤であることは間違いない。因みにこの後、メンバーが分裂してしまう。
”Teach Children To Worship Satan”
 スウェーデンの疾走系ブラック通産4枚目はメンバーが2人になっての新たな旅立ちを記念してかの如く発売されたMCD。新曲1曲にカヴァー曲が4曲、そしてMPEG形式のVIDEOで動くDARK FUNERALが拝める。(要PC)さておき、新曲だが2NDで聴かれた凄まじい音圧はほんの若干減退しより曲の輪郭がハッキリとダイナミックにより聴きやすくなっている。楽曲における展開も随分と露骨になってきたような感じがするが基本は何一つ変わっていない。新曲はこの一曲だけなので今後どういう展開になるのかは判断出来ないが恐らく一本筋の通ったDARK FUNERALらしい良い作品を作ってくれそうだ。カヴァー曲はKING DIAMONDSLAYERSODOMMAYHEMと彼らのルーツを垣間見ることが出来る。MPEG方式のビデオクリップは貴重なLIVE映像が...そして、メンバーが炎を吹く!(笑)
”Daibolis Interium”
 スウェーデンの疾走系ブラック3RDにして日本盤デビュー作品。デビューするのに随分と時間がかかったな..と言ったのが正直な感想。さておき、メンバーが若干変わった新生DARK FUNERALだが基本路線は全く変わっていない。邪悪度、荒涼感は少し後退したがそれに引き換えてメロディを前面に打ち出したスタイルである。とは言うモノの初期から貫いているスウェディッシュなブラックは健在で一般にも分りやすく進化したと言った印象を受ける。そう言った面では今作は大成功だろう。ブラックスタイルを崩す事無くメジャー化した感じが素晴らしい。大抵メジャー化したブラックメタルと言う物はリフに刻みを入れたりしてブラックとしてはウソっぽく聴こえたりする物だが一切そう言うことは無い。(ボーナスのカヴァー曲は除く)あくまでトレモロリフが奏でる荘厳リフのオンパレード。流石である。それに今回から正式なメンバーとして活躍しているMATTE氏のドラミングが凄まじい事になっている。コレは凄まじい。。尚、日本盤ボーナスとして前作のMCDからカヴァー曲4曲が収録されているので持ってない方には嬉しい所だろう。スウェディッシュブラックファンのみならず全ての人に聴いて貰いたい作品である。分りやすい狂気である。
”Attera Totus Sanctus”
 スウェーデン産ファストブラックの代名詞(?)4THアルバム。最新アルバムは彼らの中で一番最速かつアグレッシヴになる...と前評判で耳にしたのだが。確かにブルータルになった印象を受ける。ブルータルになり音もタイトになっていくと段々とブラックメタルっぽく無くなっていくのだが、心配御無用。しっかりブラックメタルの範囲内っつーか何者でもない音を出していると思う。Voの叫び方が獣の如く野太くなっている点とタイトにブラストするMATTE氏のドラミングがブルータルさに拍車を掛けているのが原因なのだろう。無論、プロダクションも音がカッチリ、タイトになっている事も要素の一つ。しかし随所にDARK FUNERAL節(メロディ)はしっかりと刻印されているのでまずは安心して聴けるといった作品である。先に書いた通り、プロダクションが実に丁寧な仕事をしているので過去最良の音質になっており、もともとある激烈かつ冷酷といった印象は更に強まった感もある。ただ、音質的に最良だが個人的に最高傑作ではないと思っている。彼らのベストは間違いなく1ST及び2NDだろう。

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