DECENBER WOLVES

”Til Ten Years”
 US産KEY入りメロディックブラック1ST。US産にしては珍しく民族的な女性Voを所々に配置しトラディショナルな感覚もあったり微妙に武勇を感じさせる曲展開など実に北欧的な感覚が味わえる作品である。曲自体がドラマティック志向と言った感覚であるがアレンジの詰めが若干甘く、なんか中途半端..と言った感じが拭えないそんな作品である。時折耳を惹く部分も確かにあるので楽しめないと言う訳でもない。しかし全体的に聴き通してみると中途半端で不完全燃焼気味な感覚に陥ったのは俺だけだろうか?無理をして聴く作品ではないが後の化けっぷりが極端なのでこの作品から順番に聴いて悶絶するのも一つの聴き方と言えるのかもしれない。(笑)
”Completely Dehumanized”
 US産KEY入りメロディックブラック2NDのはずだったが..180度路線変更。恐ろしいほど化けっぷりが堪能できる。前作の中途半端なトラディショナル要素、ドラマティック路線は完全に消え去り、勢いが良いスラッシュ路線に変化を遂げた。ジャケからも変わった!といった感じである。もはや前作からの面影は微塵も感じられない化けっぷりは凄いの一言。この化けっぷりが気持ち良く全く別物バンドになってしまった。さて音源の方はかなりカッコ良く、刻み中心であくまでスピーディに突っ走るので爽快感抜群。また楽曲に散りばめられたSE音声が都会派って感覚である為、ブラックっぽく陰湿ではないところがポイントだろうか?ブラックっぽさが滲み出てるのはもはやVoのみになっている。徐々にではなくイキナリこのスタイルに移行する潔さはナカナカ真似できないだろう。オススメです。
”Blasterpiece Theatre”
 US産ブラックメタル3RD。またもや路線が変わったようである。スラッシーな路線から更に進化し次世代ブラックに変貌、インダストリアル要素も取り入れより垢抜けた感じも。前作のスラッシーな路線も捨て難いがもう一歩踏み込んだ濃い作品に仕上がってる。これがとんでもなく刺激的でカッコ良い!この路線にスイッチングするとは誰が想像できただろうか?所謂ANAAL NATHRAKHDHGの名作MCD、「SATANIC ART」路線である。現代的かつ暴力的なSEを多用しているせいか都会派ブラックと言った表現も出来るかと思う。まるでTVのチャンネル、もしくはラジオのチャンネルをガチャガチャと無造作に選局し、番組が入れ替わり立ち代り変わっていく様を聴いているような感覚に陥ってしまった逸品。実に混沌としたノイジーな空間が展開し非常にカッコ良い。私的感覚だが犯罪が蔓延る現代をそのまま表現した様な音作りはブラックメタルとして非常に斬新だと感じた。ジャケも非常に面白く作ってある。ブックレットには何故か日本語で「喋ってない」って文字が記されているのが非常に印象的であった。激オススメ!

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