DEICIDE

”Deicide”
 US産デスメタル1ST。アンチクライスト精神を世間に堂々と見せつけそして貫き、色々と話題の絶えないバンドである。USデスメタル界でも重要なバンドと言えるのではないだろうか?さて楽曲だが凄くストレートでスマートな展開でありスラッシュメタル色が強い。ザクザクと刻むリフにヒステリックなギターソロ、主にスラッシュビートを叩き出すので疾走感があり非常に気持ち良い。その上を冒涜的な言葉を吐き捨てまくるスタイルで今時のデスメタルが持っているヤカマシイだけの凶暴さとは違ったアルバムである。あくまで若気の勢いで繰り出されるスラッシュな演奏であり吐き捨てる部分の怒り、冒涜的な言葉がダイレクトに伝わってくるのが本作のポイントである。邪悪さとは一味違う冒涜的かつ怒りに満ち溢れたデスメタルである。こう言った感覚がDEICIDEのなかで一番伝わる作品ではないだろうか?素晴らしい!オススメ。
”Legion”
 US産デスメタル2ND。前作の延長上だが楽曲は激しさを増した。実際、DEICIDEのアルバム中一番のヤカマシサを誇る。そして一番最初に彼らの音源に触れた思い出の一枚なので個人的な思い入れは相当なものであった。当時、俺はまだ学生で初めて与えられた自分の部屋で轟音で聴いた覚えがある。そんな事はどうでも良いっすね(笑)さておき、音源の方だが最初にも書いたように激しさが増してよりデスメタルらしくなったようだ。演奏力も向上していて実に荒々しくてゴリ押しする展開がチラホラ。リフ自体も前作より複雑になっている。相変わらず吐き捨てまくる冒涜的なVoが凄まじい気迫で勢いある楽曲に絡んでくる辺りはDEICIDEならではの迫力だろう。デスメタルが持つ暴力性、そこに絡むキリストへの完全なる憎悪が融合して独自の世界を生み出している。何か得体の知れない負のパワーが充満した脅威のアルバムである。デスメタルファンは1STとこの2NDそして続く3RDは是非押さえておきたい。オススメ!!!
”Once Upon Cross”
 US産デスメタル3RD。過激なアートワークが問題になった話題作。布でこそ覆われているが中ジャケにてキリストさんが大胆に解剖されていると言う冒涜極まりない出来である。(汗)一応中ジャケはコチラに貼っておきます。(クリックしてね。注:キリスト教信者さんは見ない方が良いデス/笑)さて楽曲の方だが前作までの荒々しい方向性では無く、整合感と重さを追求した方向に変化したようだ。よって個人的に感じていた熱さが減退しているのは少し残念だがそれと引き換えに随分とストロングになった。高品質でこれぞデスメタル!!!ってな出来栄えになっているので安心して聴ける。そしてドコから聴いても洗練されたDEICIDEに他ならない。地の底に蠢くマグマのように憎悪がうねりまくる独自の世界観が円熟され完成されたような気すらする。この徹底された感覚がタマラナイ。デスメタルファンは聴くべし!オススメ!!!!
”Serpents Of The Light”
 US産デスメタル4TH。1STの路線に原点回帰した今作だが3RDで見られた要素も聴ける好盤である。更には若干のメロディ導入にもチャレンジして上手いこと融合した感じであり楽曲の音もバラエティ豊かになっている。それにより魅力が分散してしまい前3作を上回っていないと言うのがこのアルバムの特徴だろうか?DEICIDEDEICIDEだが少し様子が変わったかな?と言った印象。少しギターソロなどに色気が出てきた感じもするがまだまだ硬派デスメタルで保っている辺りは流石である。尚、前半にインパクトが強い曲が集中している気がするので後半はあまり印象に残らないのは残念。ファンならゲット!!
”Insineratehymn”
 US産デスメタル5TH。ここらで方向転換しようと思ったのだろうか?結果的に裏目に出てしまったのが今回のアルバムである。終始ズンズンと深く沈みミドル〜スローテンポが実に多くドゥーミーになった作品である。時折メロディアスなギターソロが飛び込んできてそれが引き立つようになっているがVoの冒涜的に吐き捨てるスタイルのパワーが減退しているため個性が無くなったのは痛い。このようならしくない作風ゆえにDEICIDEが持っているが抜けた感じで残念な結果に終わっている。もはやココで聴けるDEICIDEは昔のDEICIDEではない。次回作で巻き返しを期待したい。質としては決して悪くは無いので悪しからず。個人的に大好きなバンドだけに先行きが非常に不安。一時の迷いだと信じたい。

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