DEMENTOR

”Kill The Thought On Christ”
 スロヴァキアのブルータルデスメタル1ST。絶望のどん底を表現するような女子供の泣き叫ぶ声が木霊する気が滅入るようなSEから幕をあけ、ARCH ENEMYのリフを切り取って持ってきた様なナンバーが炸裂する。(よ〜似てます/笑)楽曲的にはスラッシュ寄りのブルータルデスという感じで複雑であるがストレートに聴かせる部分もあり暴走と言うより疾走感重視。若干のメロディはココでは聴ける。だがプロダクションがシャープではなくモタっとしているのが原因でイマイチ吹っ切れていない印象。カッコ良いところもちゃんとあるが飛び抜けたモノが無いため実に普遍的な出来に留まってるのが残念。何か一つ飛び抜けたモノを持っていたなら印象も違っただろうが...ま、2NDが強烈なため地味に聴こえがちだが決して悪い作品ではないので悪しからず。ファンならゲット。ラストはスロヴァキアロックバンドTUBLATANKAのカヴァーらしい。ひょっとして有名?(笑)めっちゃ聞き覚えのあるメロディなんですが..
”The Art Of Blasphemy”
 スロヴァキアのブルータルデスメタル2ND。前作から格段の進化を遂げドラムの速さが極限まで目立つ作風になった。もうブラスト、ブラスト、ブラストである。これ人間が叩いてるのか!?と疑問を抱いてしま程の速さと目の細かさ。手も足も凄まじい事になっている。走る時の激速感はもはや究極の域にまで達してると思う。ただ走るだけではなくスロー、ミドルパートもしっかりしているのである程度の緩急は付いている。メロディは皆無なのは言うまでもなく冒涜的に吐き捨てまくるVoと無愛想で禍々しいリフにより構築された所謂硬派ブルータル路線。ブラストフェチはコレをチェックせずには生きてはいけません(笑)いやマジで。噂には聞いていたが相当イカツイ内容になっている。ブルータルデスファンは要チェック。楽曲、ジャケット、アルバムタイトルがそのマンマだが冒涜の芸術とはよく言ったものだ。ハマリ過ぎでなんだか怖い。
”Enslave The Weak”
 スロヴァキアのブルータルデスメタル3RD。前作よりミドルパートが多く走る部分の最高速が落ちたような気もするが(それでも充分速い!)路線も変わっておらず相変わらず邪悪で冒涜的。前作ではあまり気にならなかったが今回はベースが大活躍で適度なウネリを出すことに成功しているのもポイントの一つだろう。前作より微妙に展開を重視するスタイルに変貌しているのでギターソロなども少し派手になってきている。勿論泣きなど甘えた要素など皆無のヒステリックギターソロである。まだまだ硬派ブルータルデスなので安心できると言った所だろう。ブラスト速度が前作より目立たなくなったがそれと引き換えに起伏が激しくなり展開が増えた感じである。総じてダイナミックになった気がするのでその辺は好みの問題であろう。ブルータルデスファンにオススメ。
”God Defamer”
 スロヴァキアのブルータルデスメタル4TH。前作の延長線上だがよりMORBID ANGEL化した模様。しかもかなりの精度で(笑)荘厳なリフ、本家に迫るヒステリックなギターソロ、地を這うようなドコドコ2バスドラミング。まさに邪悪デスメタルの王道を走っておられます。2NDの印象からドラムが自己主張しているバンドといった認識が強かったが今回は楽器全体にバランスが取れており演奏のキレも増しており作品自体の完成度が高い。なんつーか、より一体感が取れているといった感じ。極めて定番スタイルなので個性は無いが邪悪デスメタルの王道中の王道、確かな手応え。カッコ良いぞ〜。余談だが裏ジャケの絵が素晴らしい(笑)

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