EBONY TEARS

”Tortura Insomniae”
 スウェーデンの叙情派メロディックデスメタル1ST。ヴァイオリン、女性Voが全編に散りばめたスタイルで非常に耽美かつ叙情的。メロディックデスメタルがブレイクして乱発されていた時に彗星のように現れ、叙情派ファンのハートを射抜いたアルバムである。基本は気持ちの良い疾走でノリの良い刻み中心であるが装填されているメロディに対する拘りが凄まじい。そこに耽美要素を倍増させるヴァイオリン、女性Voを大胆に導入している点は当時にしてはナカナカ新鮮な物があった。そのやり過ぎる部分がそのマンマ個性になっている感じである。最初聴いたときのインパクトは壮絶なものがあるのでメロデスファンは聴いて置いても損は無い。ただ、音質を気にする人にとってプロダクションが若干しょぼいのとVoの迫力不足が気になる人もいるようだがそう言う要素はインパクトが吹き飛ばしてくれるだろう。メロディアスなデスメタルではなく、メロデスと言った造語による表現が最も似合う作品だと思う。叙情派ファンにオススメ。真性デスファンが聴いたらその甘美さに倒れます(笑)
”A Handful Of Nothing”
 スウェーデンの叙情派メロディックデスメタル2ND。と言いたいが今作は前作で聴かれた耽美要素を徹底的に排除。前作の聴き所となったヴァイオリンが残る部分はインストのみになってしまった。前作の耽美メロディ路線ではなく突撃感重視の爽快メロディックデスラッシュに変貌しビシバシっと決めるタイトかつザクザクとした質感。実にカッコ良く進化したと言えるのではないだろうか?ただ前作ほど楽曲の一曲一曲に個性、インパクトがあまり感じられなくなったので普遍的になってしまった感じもする。今でこそ、この様なスタイルが多いので余計そう感じるのかもしれないが数多く出てくる中ではやはり一級品の出来。安心して聴けると言う点では大成功と言った感じだと思う。前作のやり過ぎまでのメロディを期待した人には残念なモノがあるかもしれないが、エクストリームとして考えた時に無駄を無くしスリムになったんではないだろうか?素直にカッコ良い。
”Evil As Hell”
 スウェーデンのスラッシュ3RD。一見、前作の延長線上に聴こえるがよく聴くとそうでもない。完全に脱メロデスと言った感じである。さて音源の方は音が非常に硬くなりパワフルに成長したが多少モダンなリフも登場すると言った感じであろうか。前作で聴かれたメロデス的要素は若干は残すモノの彼らの焦点はソコではなかったといった感じであり完全に今風のスラッシュ路線に変貌している。これが実にカッコ良かったりするのでオススメ。かったるい曲は一切無くテンション高めで気持ち良く聴かせてくれる。彼らがやっているもう一つのバンドDOG FEACED GODSにより近くなってきた感じがする。流石の出来である。文句なしにカッコ良い!オススメ。尚、1STの方向性とは全く逆になってるので注意が必要。

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