FUNERIS NOCTURNUM

”Pure Satanic Blasphemy”
 フィンランド産のKEY入リウルトラファストブラックの1ST。まだ少々作りが荒いがデビュー作と思えない完成度とハイパーブラストが堪能できる必殺盤。まず、驚かされるのは驚異的なドラマーの2バス連打であろう。思いっきり手数足数が多い。ファストブラック特有のブラスト一辺倒ではなく展開を絡め緩急が付いている。曲展開はドラマティックでもありKEYによる味付けも程よいため、同郷のTHYRANE辺りと比較されそうだがこちらの方がアンダーグランドな音。喚き散らすブラックヴォイスを軸にひたすら暴虐の嵐が吹き荒れる。(低音デスヴォイスも聴ける)例えるなら、まるで、もがき苦しみながら砂埃を上げている様な豪快さがある。(謎)とにかくファストブラックファンは要チェックだと思う。プロダクションは普通のブラックメタルっぽい感じだが案外曲の輪郭がハッキリしているため聴きやすいと思うので初心者も是非オススメしたい。とにかくドラムの凄さは特筆するものがある。将来有望な新人登場。刺激的でブチ切れた感覚は本当に気持ちが良いものだ。オススメ!
”From The Aspect Of Darkly Illuminated”
 フィンランド産のKEY入りブラックメタル2ND。荒削りな部分が整理され整合感を増し始めたので随分と落ち着いてしまったな〜といった印象。やはりこのバンドもブラックメタルで云うメタルの部分を強化した結果、聴きやすくなっている。ブラストビートが目立った前作より展開を重んじ音楽的にも一歩踏み込んだ意欲的な作品ではあるが何故か中途半端に聞こえてしまうのは何故?(そういえばブックレット内の写真で見るメンバーの白塗りも中途半端だ。/笑)まぁ、前作のインパクトが強すぎたっつーのもあるんだろうけど。なんというか刺が無くなり丸くなったような感じもしないでもない。聴き手にもよるがインパクト不足が指摘されそうな...。実際1STを聴いてしまってからでは物足りないだろう。ただ、音楽的に成長しているのは確かなので安心して聴ける。国内盤のボーナスは漢メタルMANOWARのカヴァーが収録されている。
”Slay And Burn”
 フィンランド産のKEYブラックメタルのMCD。1999年のデモ音源にBARTHRUMのカヴァー、MANOWARのカヴァー(2NDの国内盤、ボーナスとして収録されている)を加え、更にはビデオクリップまで詰め込んだ全6曲の音源(ビデオクリップを含めると7曲)。デモ音源といえどクオリティは高く、暴れに暴れまくっている。やはりスタートは1ST同様、ヒステリックなファストブラックをやっており相当テンションは高い。ビデオクリップはコンクリートに囲まれた密室でのプレイなのだが...白塗りがメッチャ中途半端。なんかヤケにカッコ悪いゾ!?(苦笑)
”Code666 Religion Syndrome Deceased”
 フィンランド産のKEY入りメロディックファストブラックメタル3RD。超高品質!凄い!お見事!前作のモヤモヤが吹っ切れた感もあり、プロダクション、楽曲ともに大幅にカッコ良くなった。ブラックメタルでありながら楽曲にキレが増し、メロデス的なアグレッションとメロディを前面に出した作品である。当然、軟弱さは全く感じられず新たなファンを獲得できそうな逸品。ここまできたら一般メタラーにも十分対応できるだろうし、確固たる地位、地盤を固めることに成功した作品といえるだろう。KEYの装飾もなんだか狙ったような感じもするので真性ブラックファンには鼻に付きそうだが一般的には受け入れられる音だろう。また、勢いなどのブルータルな部分は全く失われておらず、明快なメロディも惜しげもなく発散。総じて派手になったといえるが、星の数ほどいるメロデス寄りのブラックメタルバンドの中、正直これだけまとめ上げてるバンドはそうはいないはず。ブルータルなメタルのカッコ良さが詰った良質なアルバムである。前作もそうであったように初期にあったブラック的要素は、ほぼ無くなった。脱UGを目指しているのか、スケールがすでにメジャー級。個人的にこれ以上派手になると苦手となるのだが....このギリギリのラインがお気に入り。単純に素晴らしいと思う。尚、余談だがブックレットには全9曲とあるが、トラックは22まで進行し途中のトラック17でシークレットトラック。ありがちなインダストリアルなインストが入る。そのあとまた無音が続く...。なんつー作り。。意味はあるのか!?ちなみに国内盤もリリースされているがレビューしているのは輸入盤なのであしからず。

Back