GOLDEN DAWN

”The Art Of Dreaming”
 シンフォニックでアバンギャルドなオーストリアのブラックメタル1ST。非常に展開が多く突っ走る部分での激走とそれに対極の激シンフォニックパートがあったり、オペラ風Voがあったりと何かと忙しない。非常に混沌とした世界観で個性的である。まさにアルバムタイトル通りの音だと思う。基本はストレートなメロディックブラックだが頻繁にインストパートでの劇的空間が広がっている。結構ごった煮な感じで彼らは一体何を描きたいのかがよく分らないがアルバムタイトルを考えると納得できる。一部の曲ではテクノロジーを使用したりしているし、ホント一口では言い表せない世界観を堪能できる。個性的で混沌とした世界観が味わいたければ是非GETである。ちょっと変わってます。面白い存在。
”Masquerade”
 オーストリアのゴシック/ブラックメタル2ND。一発屋だったか?と記憶から遠ざかっていた頃に突如としてリリース。全作から実に7年ぶりだ。メタル色が随分と増した感じでかなり様式美に拘ったエクストリームゴシックといった感じである。メタルとしてのカッコ良さもさることながら確実に成長した感じで完成度が非常に高い作品である。アグレッションとゴシックメタルが持つ耽美性の鬩ぎあいがシッカリと聞ける。全作で摩訶不思議な音空間を醸し出していたが若干、整理されたようだ。だが、やっぱりこのバンド、一筋縄ではいかない個性的でクセの強い楽曲がこのアルバムでも確かに詰め込まれている。なんだか先が読めないワクワク感が聴いていて楽しい。全体を通して展開が激しいが常人が着いて行けないほど自己満足に陥っていない辺り絶妙のバランスだ。個性的な楽曲が聴きたくなったら聴いてみては如何だろう?凄いよ、これ。そうそう女性Voの貢献度も聴き所の一つだと言う事を付け加えておこう。

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