GORGOROTH

”A Sorcery Written In Blood’93 & Promo’94”
 ノルウェーのブラックメタル、ブート盤。おそらく#1〜#2が93年音源、残りが94年の音源だと思われる。音は当然、口が裂けても良いとは言えないもので邪悪極まりないものになっている。特に#1〜#2はアンダーグラウンド臭をプンプン漂わせながら非常に邪悪に迫る出来である為、この部分だけでも充分ファンは買いだと思う。#3〜#5は1STのプロモーション時に使っていたテープだとおもうのだがこれまた音源レベルが非常小さくなっているので気をつけて頂きたい。この部分、音が小さいだけで極端に劣悪な音と言うわけではなくヒシヒシとメロウさが伝わってくるので普通の人でも充分聴ける範囲だとおもう。とにかくGORGOROTHファンは持っておきたい逸品。
”Pentagram”
 ノルウェーのブラックメタル1ST。DARKTHRONEIMMORTALEMPERORBURZUMと並びノルウェイジャンブラックメタル大御所バンドの一つ。なんと言っても印象に残るのは悪魔の赤子(?)が喚きじゃくる様なVo。好き嫌い関係なく強烈な印象を残すであろう(笑)楽曲は如何にも初期ノルウェイジャンブラックメタルといった所謂、基本形。それほど強烈なモノではなく至ってストレートな作風である。聴き所はメロウさと荒涼とした雰囲気を大放出したラストの曲だろう。何故かこの曲だけ飛び抜けて良い。う〜ん全編この路線だったら初期ブラックメタルの名盤になってたんだろうな〜とか思ったりする。
”Antichrist”
 ノルウェーのブラックメタル2ND。これぞGORGOROTH!個人的に抱いている彼らのイメージにスッポリ当て嵌まる作品。演奏もソコソコRAW。あくまでブラックメタルとしてのスタイルは崩さず実に硬派。前作より楽曲メロディの寒々しさが際立っている点が今作のポイント。これまたノルウェイジャンブラックメタルの本質的な部分を強調した作りになっていると言えるだろう。また妙な普通声など不気味で妖しい展開をフィーチャーしたりして、ドラマティックとも言える展開を儲けている。身に染み入るようなような寒さと荒廃したメロディが堪能できる傑作。因みにこのアルバムにてドラムを叩いているのはSATYRICONFROST氏である。流石に良い仕事しておられます。これも名盤だ!
”Under The Sign Of Hell”
 ノルウェーのブラックメタル3RD。超名盤。個人的に生涯共にしたいアルバムの一つ(笑)何回聴いても飽きないのも珍しい...。楽曲の路線は然程変わってないのだが、なんか音に凝りだして個性的な音を作り上げている。初っ端のドラムの音が非常に変である。パシパシ...と小気味良く弾けるような音を出しているのだが...オモロイです(笑)Voも凄く邪悪で音が割れんばかりのEVILな絶叫Voである。前作同様、OBTAINED ENSLAVEMENTPEST氏がVoを勤めているのだが...この人、前作より逝っておりメチャクチャ邪悪にパワーアップしておられます(笑)もはや正気の人間が出せる声ではなく凄まじくカッコ良い(爆)前作より勢いが増し楽曲によっては物凄く怪しかったりするので楽曲のヴァリエーションは非常に豊富でアルバム単位で考えても起伏があり面白い。5曲目のインストなんかがいい例だろう。マジで怪しすぎ!(笑)またヴァイキング調の勇壮な楽曲も披露、普通声で朗々と歌う部分もあり、どの曲も非常に個性的。また、かなりRAWな演奏なのがまたツボ。しかも前作にも増してブラック然としたメロディが強化されているし、コレは正に名盤!ブラックファンは是非チェックしておく事をオススメしたい。いや...オススメというよりは義務である(笑)
”Destroyer”
 ノルウェーのブラックメタル4TH。前作から少し攻撃的な印象を受けるが根本的にはGORGOROTH!存分に楽しめる内容である。ってかこのアルバムもカナリ好き(笑)ゲストミュージシャンがかなり関わっている。FROST氏も再戦しているしOBTAINED ENSLAVEMENTのメンバーも参加。さて、音源だが超クールなオープニングナンバーDESTROYERがスラッシュっぽく仕上がっておりのっけから非常にカッコ良い。このアルバムから正式にメンバーになったGAAHL氏がこの曲に参戦しているのだが、凄まじい絶叫で「デェ〜ストロ〜〜〜イギャ〜〜〜〜〜!」と物凄い殺気に満ちた絶叫を聴かせてくれる。これが聴きたいがために何度も繰り返して聴いてしまう程インパクトは大きくカッコ良すぎて悶絶した次第。この一曲のために買っても損はない!(笑)大手レーベルのNUCLEAR BLASTに移籍したのにも関わらず音質が凶悪なのはブラックメタルとして貫いている。やたらノイジーでメロディも若干後退したように思えるしアンチトレンド精神が伺える。因みにラストはDARKTHRONEのカヴァーで締めくくる!
”Incipit Satan”
 ノルウェーのブラックメタル5TH。前作のDESTROYERよりかは若干聴きやすい音作りではある。が、楽曲に相当なクセがあるといった作品。また、表面的な部分ではほんの少しモダンかつヘヴィになった様だ。なんだか.打ち込みらしき部分もあるし、妖しいアンビエントっぽい曲、普通声メインの渋めに歌い上げる曲と...3RDの幅の広さを再び持ってきたのだろうか...。逆に言えば色々と実験色が強くなってきている...とも捉える事が出来る。中にはゴシックっぽい曲もあり楽曲の充実振りが伺える。尚、初期からのブラック然としたスタイルは徐々に薄れてきているので初期が好きな人はウケが悪そうだ。まぁ個人的にはアリだと思うんだが。そうそう良く考えてみたらジャケットもこのバンドでは初めてのカラー仕様ではないか!?(笑)
”Twilight Of The Idols
-In Conspirary With Satan-”
 ノルウェーのブラックメタル6TH。力強くダイナミックになり楽曲に凶暴性が増した模様。総じて分厚くなった...とも言えそうだ。ファストかつ力強くドカドカ突っ走る曲、ミドル〜スローに展開する楽曲とアルバム中にバランスよく配置されており緩急ある構成。また、GAAHL氏のVoも冴えまくっており良い仕事をしている。EVILヴォイス、怪獣みたいなヴォイスと芸達者。本作の聴き所の一つである事は間違いないだろう。2ND〜3RD辺りのブラックメタル特有のメロウさは薄くなったモノの不穏な空気が上昇した本作は「マダマダ現役だぜ!」ってな彼らの意気込みを感じ取ることが出来た次第。実に頼もしい。

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