NARGAROTH

”Herbstleyd”
 ドイツの闇黒雰囲気満載のKANWULF氏なる人物によるブラックメタル1ST。焚き火をバックに民族風女性合唱隊が歌い始め....とにかくアルバム全体にSEが効果的に多用されている。楽曲よりもむしろSEに耳が行くそんなアルバムである。そもそもアルバム全体のかなりの部分をSEで占めているので...雷鳴、風が吹き荒む音、狼の遠吠え、少女の語り、そして叫び、聴いていて寂しくなるようなKEYパートETC...インストを含めるとアルバムの半分以上がSEと言っても過言ではない。個人的にコレを真夜中にヘッドフォンで聴くと非常に孤独感に襲われ妙に寂しくなる(笑)楽曲の方もドンヨリとしてひたすら暗い。全7曲あるが70分近くあるので長い曲が苦手な人、淡々とした曲調であるため激しさを求める人には耐えられないであろう。雰囲気重視の人は一聴の価値あり。と言うか聴くべし。とにかく吹き荒む風のSEに凍えるはず。寒い!
”Amarok”
 ドイツの闇黒雰囲気満載のブラックメタル。2ND。過去の音源の寄せ集めである。ジワジワと攻める邪悪な旋律。KEYなどが非常にいい空気を楽曲に与えている。(特に1曲目)プロモ曲、DEMO曲、カヴァー曲(BURZUM)などで構成されている作品であるため、KANWULF氏が志しているモノが何なのかが明確に浮き彫りになっていて分りやすい。特に1曲目、3曲目などは非常に良く出来ていると思うのでブラックファンには楽しめる内容である。楽曲における一貫性があり、ドンヨリとした空気がひたすら重苦しく苦手な人も多そう。オマケに6曲70分を越えてます。中には20分の曲あり(笑)ブラックメタルとして非常に叙情的である。TRUEな方は是非。
”Black Metal Ist Krieg(A Dedication Monnment)”
 ドイツの闇黒雰囲気満載のブラックメタル。3RD。ゲストミュージシャンにMANIAC BUTCHER/AVENGERBUTCHER氏、MOONBLOODOCCULTA MORS氏が参加。また、このアルバムにはカヴァー曲が数多くフィーチャーされておりROOT/MOONBLOOD/AZHUBHAM HAANI/LORD SOULのカヴァーを含む全11曲、実に70分に及ぶブラックメタルがお腹いっぱい堪能できる。(残念ながらカヴァー曲に関しては原曲を聴いた事がありません。)オリジナルの曲もどうやら結構昔に書かれたモノのリメイクらしい。さて楽曲の方はジワジワとスローに延々と邪悪な旋律が繰り広げられる曲、ファストでストレートな曲調との2軸で進んでいく。特にオリジナル曲である4曲目などは実に淡々としているがこの切なさと寂しさを伴うメロディが実に 素晴らしく安心してその旋律に身を委ねる事が出来る。個人的にこの路線を大切にしてもらいたい気もするがファストなナンバーも実に魅力的だったりする。あくまでアンダーグラウンド路線を貫いており、邪悪さ満点のVoがブラック度を引き立てている。決して派手ではなくドンヨリ、ジワジワとしている所はフェチにはたまらないと思う。ブラックファン限定の作品。オススメです!見事に真っ黒です(汗)尚、パッケージがA5サイズであり手書きナンバー入り(1000枚限定)なので欲しい人は急いだ方が宜しいかと思われます。(通常盤はでているのでしょうか?)
”Rasluka-Part U”
 ドイツのブラックメタルMCD。カラスが鳴くSEと何処となく寂しく悲壮感溢れまくる笛によるソロから一転してノイジーでメランコリックなブラックメタルへと繋がっていく本格派。只管寂しく延々と繰り返される暗黒メロディでゆったりとジワジワと訴えかけてくると言った相変わらずの作風である。ファストで爆発するといった印象が無くミドルテンポから放たれる実に説得力がある暗黒ぶり。激しさ、邪悪さというよりかはどうしようもない悲壮感や寂しさと言った雰囲気が充満している辺りがポイントとなっている。曲間にSEが詰め込まれているがそこがまた寂しさを倍増させるかの如く装填されている。ジャケットのアートワークもなんだかそんな感じで雰囲気にぴったり。初期BURZUMとか初期DARKTHRONE辺りに理解がある方はきっと楽しめるであろう作品である。本格派ブラックファンにオススメ!
”Geliebte Des Regens”
 ドイツのブラックメタル4TH。延々、ゆったりと繰り返される淡々とした憂鬱なリフレイン....悲壮感が漂いまくるミサンスロピックなブラックメタルはココに極まったようだ。非常に素晴らしい説得力と叙情性はより一層磨きがかかっているように思える。また荒涼としたギターの音が実によくマッチしており音作りがそのまま楽曲に漂う空気に直結している。淡々としたメロディ、展開が乏しい楽曲をココまで聴かせるセンスは只者ではない。相変わらず各曲が非常に長く1曲が10分を軽く超え、全6曲で70分を超える大作に仕上がっている。個人的には名盤。
Rasluka-Part T
 ドイツのブラックメタルのMCD、ジャケ、タイトルからお気付きのように作品の位置づけとしてはRasluka-Part Uの前に当たる。なぜかリリースはUの後に発表されている辺り興味深い。ジャケがそのマンマなので単なる再発盤かと思ってスルーする所だったわい。。さて、初っ端のイントロにて誰でも知ってるであろうショパンの葬送行進曲「FUNERAL MARCH」を引用し、のっけから悲壮感全開!なるほど〜確かにこういうのをブラックでやればNARGAROTHになるわなぁ〜、と小さな感動を味わう瞬間だった(笑)。これも彼のルーツの一つなのだろう。さて本編はノイジーな掻き鳴らしリフで悲壮感漂うメロディを淡々と奏でているいつも通りの楽曲。やっぱり彼は一つのリフで長時間聴かせるといった素晴らしいセンスを持っている。同じメロディがループし、長時間になればなるほど悲壮感を募らせていく。その極端な方法論は既に完成されたモノなのでその手のファンは安心して聴けるだろう。ファンなら安心印、NARGAROTHブランドっす(笑)この「T」と以前の「U」をMDかなんかに編集し通して聴くと逝けるかも。。

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