THE PROVENANCE

”25Th Hour : Bleeding”
 スウェーデンの暗黒プログレッシヴメタルバンド1ST。デス、ゴシック要素を高次元で融合させた暗黒プログレッシヴメタルというべき作風。ゴシカルに曲を盛り上げる作風でありながらしっかりとエクストリームに仕上がっている辺りがこのバンドの聴き所だろう。男女混合Voが絡み付くバランスもすでに大御所を揺るがす程の勢いを秘めているおりフルート、ハモンドを盛り込んだアコースティックな部分とへヴィな楽曲との融合も申し分ない。あくまで耽美色を発する雰囲気であるが意外とズッシリとしたアグレッシヴさもあり非常に濃密な作品に仕上がっている。フルート、ハモンドが奏でる耽美な音色が鉛のようなリフと絡み合い女性Voと男性デスVoによって演出される楽曲は長くなりがちだが全9曲で45分弱という聴きやすいトータルランニングタイムで好印象。将来有望というかこの手で確実に頭角を表すであろうポテンシャルの高さは特筆するものがある。女性Voが活躍するゴシックファンは勿論の事、普遍的なプログレファンもチェックしておいて損はないと思われる。しかしこれで1STとは...恐れ入りました。。お見事!
”Still At Arms Length”
 スウェーデンの暗黒プログレッシヴメタルバンド2ND。音とは関係ないがジャケが素晴らしくお洒落!Goodデザイン!ちょっと洒落たカレンダーなんかに使われそうな構図...。微笑ましくもあり、哀しくもある...みたいな(笑)それはさておき、肝心の音源のほうだが前作のアグレッシヴさは若干影を潜めデス色は減退。よりゴシックな方向に向かっており既に2NDにて落ち着き風格が伴ってきたようである。静かなパートが増えた結果、静と動のコントラストが浮き彫りになっておりダイナミックになったともいえよう。かなりの割合を占める女性Voの貢献度も去ることながら時折、顔を覗かすフルート等のアコースティックな活躍もしっかり聴ける。また、楽曲に漂うレトロな感覚が明確になってきているのも今作の特徴。そう同郷であるOPETH辺りを彷彿とさせるのである。これまたレベルの高い楽曲の連発で安心して聴けるだろう。前作はアグレッションと耽美性の融合が絶妙だったが今作は静と動のコントラストがキーワード。

Back