THY PRIMORDIAL

”Under Iskall Troll Mane”
 スウェーデンのファストメロディックブラックメタル1ST。95年に録音され何故かリリースが延期になりまくって限定1000枚で98年にGOTHIC RECORDSなるレーベルからリリースされた。メンバーも武装して如何にもって感じだがよくいる見掛け倒しのバンドとは格が違い実力を伴ったバンドである。楽曲の方はファストでメロディックなブラック路線のお手本的楽曲と言えるだろう。荒涼とし時に儚く哀愁が漂い時に武勇と言った叙情性を訴えかけるメロディアスなリフが乗っかり猛然と突っ走る。時折入り込んでくるメロディアスなソロもあくまでワンポイントして嫌味が無くブラック特有の雰囲気を崩すことなく実装されている。特筆するはメロディの良さであり非常にGOOD!!!個人的にこの哀愁は非常に胸に響く。素晴らしいです。尚、音質は良いとは言えず更には途中7曲目からプロダクションが変わるがそんな事は些細な事。スウェディッシュブラックファンに激オススメ!!
”Where Only Scasons Mark The Paths Of Time”
 スウェーデンのファストメロディックブラックメタル2ND。一応20ビット録音と言う事がCDの盤に書かれているが...売りなんだろうか?さておき音源の方は音圧がグンと上がり荒々しさ、禍々しさと言ったエクストリーム要素が大幅アップ。基本的には哀愁度は減退しているように聴こえる。しかしそれでも荒涼感を伴う哀愁が爆発する曲があったりするので素晴らしい出来である。ヒステリックに喚きまくるVoに荒涼とした雰囲気を豪快に演出する演奏は更に磨きが掛かっている。前作で聴かれたギターソロは今回は無し。しかし今作の雰囲気を考えると入れない方が正解だったかもしれない。あくまで荒涼としたリフで攻め立てる!今作から既にスウェディッシュブラックの中堅的存在として認識している人も多いだろう。無論今回も最高である。ブラック初心者にもバッチリオススメ。スウェディッシュブラックファンは必聴!!
”At The World Of Untrodden Wonder”
 スウェーデンのファストメロディックブラックメタル3RD。前作の延長線上でありプロダクションもより聴きやすく成長した感じである。荒涼感、哀愁の調和とバランスが良くそれらの要素が曲に良く馴染んでいる。故に流れるように聴かせてくれるが楽曲による展開も増えた感じがしてより洗練された感じである。普通声もフィーチャーされドラマティックな要素も若干あり。またこのアルバムにて特筆する点はテクニカルなドラムであろう。実際流れる様な楽曲故にサラリと聴かせがちだがよく聴いていると実にテクニカル。テンポチェンジやブラスト、雪崩れ込みと言った要素を軽くやってのけて整合感充分、楽曲を根元からガッチリと支えている。かと言ってドラムだけが目立つと言うとそうでもなくしっかり楽曲に馴染み全体的に流麗に聴かせるところがポイントだと思う。前作が気に入った人は勿論の事、ブラック初心者にもバッチリオススメ。前作同様、激オススメ。
”The Heresy Of An Age Of Reasun”
 スウェーデンのファストメロディックブラックメタル4TH。前作より全体的に豪快になった感じはするが時折強力な煽情力のあるメロディが出てくるのが今作の特徴。特に1曲目はそれらが現れる代表的な例であろう。またVoの唄い方に変化が見られ喚き路線ではなく邪悪で憎しみが込められたスタイルに変わったのも一聴して変わったといった所だろうか。よって少しブルタル路線になったように聴こえるがまだまだファストなメロディアスブラックの範疇で語れる作品である。ドラムも相変わらずだが今回は結構ベースが頑張っていて適度なウネリを醸し出すいい役割を果たしている。やはり全体的に演奏レベルが上がっているところは流石と言ったところである。この調子で頑張って欲しいバンドである。勿論前作同様、ブラック初心者にもオススメできるハイクオリティブラックと言える。激オススメ!!
”The Crowning Carnage”
 スウェーデンのブラックメタルの中堅が放つ5TH。BLACKENDに移籍したようである。さて今作も安定したブラックメタルナンバーのオンパレードなので安心して聴ける。メロウでやり過ぎない程度の荘厳リフ、疾走するリズム隊が頼もしい限り。ブラックとしては比較的ブルータルでメロウな爆走系を今回も相変わらずの安定感でかっ飛ばす内容になっている。ココまで読めばわかるように路線は前作の流れを継承した内容となっている。が、曲に漂うメロウさが前作より重要視されメロディラインもよりダイナミックになっている辺りが相違点として挙げられる。それに伴って前作の気合の入った有り余るほどのブルータルさはチョッピリ減退した感じである。加えて適度に展開し定番的ではあるが非常にセンスある楽曲を披露している。ともかく、質は高いがメジャーまで上り詰めるのでは無く、あくまで微妙なUG感を放っている辺りが魅力的。そろそろ同郷であるMARDUKDARK FUNERAL辺りと同様に語られても良いのではないか?と思うんだけど今ひとつ話題にならない辺りがこのバンドらしくって素敵(笑)なにはともあれスウェディッシュブラックファンにはオススメできる作品である。
”Pestilence Upon Mankind”
 スウェーデンのブラックメタル、もう6作目にもなるんだなぁ。ホント根強く活動しており頼もしい限り。3枚〜4枚程製作して解散してしまうバンドが実に多い中、彼らは着実に時を刻んでいる。実に喜ばしいことである。さて、音源の方はもう一段階ブルータルになった模様。相変わらず良質で攻撃的なスウェディッシュブラックメタルをプレイしている。総じてブルータルになったと言えど、しっかりメロウさを携えている辺りが嬉しい。ブラックメタルとして...と言うよりかはメタルとして更に一回り大きくなったようで風格が漂ってきた。もう中堅とは言えず大御所レベルだ。演奏も鋭さを増し、時にはデスメタル的なリフも若干あり。だがあくまでブラックメタルとして仕上げている辺りバランスが良いと思う。次回作も健在な姿であり続けてくれることを期待。素直にカッコイイ!

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