VITAL REMAINS

”Let Us Pray”
 US産サタニックデスメタル1ST。異様にしょぼいジャケでインパクトが強く魅惑のしょぼジャケ指定作品(汗)。重苦しい展開が所々垣間見られるデスメタルをやっている。また、要所要所においてKEYを挟み込むといったモノで突進系では決してない。所謂、雰囲気重視型でありデスメタルとして好みが大きく分かれるところであろう。ミドルテンポ〜スローテンポ中心で構成されており、時折ドゥーム色が色濃く出るパートが多いのも特徴。(無論、走る部分もあり)卓越した暗黒度がないのでイマイチ面白みに欠ける。悪くないんだけど...良くもない。。
”Into Cold Darkness”
 US産サタニックデスメタル2ND。ジャケがまるで北欧ブラックメタル...。音源が...というよりかは精神面はかなりブラック寄りだと思う。そして、この作品から前作では聴けなかったブラストを導入。リズム隊の強化という事で突進力が前作より増しているのは云うまでもない。KEYも随所で大胆になってきており個性を強めており禍々しさがアップ。随分と良くなってきたが個人的にあともう一歩踏み込んだ威圧感、荘厳さが欲しい。あまりのめり込めなかった辺りも非常にもどかしく感じた次第。8トラックはCELTIC FROSTのカヴァー、国内盤のボーナストラックはVENOMのカヴァー。
”Forever Underground”
 US産サタニックデスメタル3RD。メンバーもトリオになってしまったが結果パワーアップを図れたようである。楽曲のリフに威圧感を加味しており前作よりまた一歩成長し随分と良くなった。一歩一歩確実に成長しているようである。この威圧感、MORBID ANGELなんかを連想してしまう。ホント、かなりカッコ良くなった。突進一本調子ではなく場面場面において緩急を付けており聴いていてゾクゾクする。前作の若干感じられた中途半端な印象は殆どなくなったのも大きいプラス要因であろう。例えばラストのDIVINE FIREなる曲を聴いて頂くと成長の程が伺えると思う。
”Dawn Of The Apocalypse”
 US産サタニックデスメタル4TH。徐々にレベルを上げており段々と良くなっていく...といった印象が強いこのバンド、邪悪な楽曲が醸し出す雰囲気、ジャケットの雰囲気からして、MORBID ANGELANGEL CORPSE辺りを連想してしまう。流麗なギターソロも盛り込みある意味メロディアス。ここで誤解してほしくないのだが、メロディといっても荘厳さを演出するものであって決してメロデス的な薄っぺらなものではないので悪しからず。ただ曲が長いと言うこともあってダレる部分もあるので次回作ではその辺りを改善するのが課題だろうか?何はともあれデスメタルが持つ暴虐性は十分にある。この手としては完成度が高いので安心して聴けるはず。
”Deehristianizee”
 US産サタニックデスメタル5TH。グレイト!素晴らしい出来である!なんと、VoはDEICIDEGLEN氏。本家DEICIDEが微妙な路線に走っていったがここにてその威力を発揮。アンチクライスト精神をこのバンドにて思う存分ぶちまけているかのようである。深く唸る邪気に満ちたデスヴォイスを披露しておりこのバンドにはベストマッチした!と言える。DEICIDEの3RD辺りの邪悪な咆哮を聴かせてくれる。楽曲もうんとレベルが上がり非常にカッコ良い!荘厳で邪悪なイントロから本編に移行する流れが非常に絶品!なんだかEMPERORの2NDでイントロから本編に繋がっていく素晴らしい流れなんかをふと思い出したりもした。突入した本編も猛然と突っ走りながらも適度に複雑、かつ明快な楽曲が襲い掛かり荘厳ギターソロが乱舞する、これぞサタニックデスメタル!当然のように曲が長いがそれらが全く気にならない辺りが成長した証であろう。しっかり作り込まれ練られている。少しずつ成長を繰り返し遂に到達した彼ら流儀のサタニックデスメタル!これはもはや完成形の一つとして評価すべき。これを聴いて額に逆さ十字でも刻んでみて下され(笑)

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