WINDIR

”Foknardalr”
 ノルウェーのVALFER氏の1人ヴァイキング/ブラックメタル1ST。レコーディングにはセッションミュージシャン数名を迎えて作られたらしい。さて音源の方だが如何にも北欧勢が醸し出しそうな「臭み」をギリギリのラインで放ちながらドラマティックに展開すると言った印象。武勇、哀愁と言ったある意味叙情的な要素をフンダンに盛り込み民謡などの要素も相まって非常にトラディショナルな内容となっている。絶えず戦いに明け暮れる北欧戦士の哀愁って感じが良く出ていると思う。時に勇ましく、そして時に哀愁が漂うといった所謂ブラック寄りヴァイキングメタルである。ナカナカ印象深いフレーズを淡々と奏でている辺りが特徴的。また曲によっては男性、女性(?)によるコーラスなどあり合間合間で装填され叙情味にスパイスを利かせてある。アルバム全体が少し淡々とした感じがするのだがそこがまた味であり、非常に味わい深い作品となっている。
”Arntor”
 ノルウェーのヴァイキング/ブラックメタル2ND。前作から大幅にフォーク、トラッド色を強めた作品であり曲によってはKEYやアコーディオンが装填されている。そこに絶叫Vo、勇ましい男性コーラスが乗り疾走するといった前作同様の路線。路線は前作から全く変わってないモノの聞かせ方がより大胆になり臭みが一線を超えてしまった様子。もぉ全編わかりやすい哀愁&武勇のメロディが洪水状態である。時折、強烈に哀愁が漂う。6曲目辺りなんかがいい例であり相当凄まじい哀愁を放っている。そういった要素を強めた故に楽曲が明快かつダイナミックになったのは言うまでもない。より臭みが増しているため好みが分かれるところだがヴァイキングメタルファン及びメロディ派は聴いて損はしないと思われる。個人的にこの手は苦手な音源の筈だがココまで哀愁が漂い露骨だと悶絶する事が判明した(笑)
”1184”
 ノルウェーのヴァイキング/ブラックメタルの3RD。今作は多少音楽性に変化が現れている。異様に哀愁が漂っていた前作とは違いファストかつストロングになった印象。それに伴い臭みは陰に潜みよりアグレッシヴになり単純にカッコ良くなった。また展開などにメリハリが付いてきたしVALFER氏のVoも微妙にカッコ良くなってきたのでレベルアップを図る事に成功している。またアコーディオン、KEYなどが表に出る部分と引っ込みファストに疾走する部分がかなり明快になりよりドラマティックに仕上げている。時折入り込んでくるヴァイキングコーラスも味付けとしてとても良い。2NDで聴けた哀愁バリバリ路線も捨てがたいが、エクストリームとして実にうまくまとまった感じのする今作もまた良し。質が高く素晴らしい完成度である。
”Likferd”
 ノルウェーのヴァイキング/ブラックメタルの4TH。前作の延長線上なのは違いないが、ヴァイキング要素が少しだけ戻ってきたようである。ファストブラックスタイルでヴァイキングを表現したというべき作風。ぱっと聴いた瞬間はファストブラックだがメロディを聴いているとやはりヴァイキング。随所でヴァイキングコーラスを絡ませながら勇壮と哀愁がリフから滲み出て突進する。NAGLFERがヴァイキングをプレイしたら...といったスタイルを想像してみたら伝わるだろうか。これがまた非常にカッコ良い仕上がりを見せている。輪郭がハッキリしているのでメリハリもキッチリついており流石の完成度。古の伝統を重んじ露骨かつ臭みを発散させて聴かせるのではなく、あくまでファストでカッコ良くヴァイキングを表現した一つの形である。ズバリ良いっす!

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