WYRD

”Wrath & Revenge Demos1988-2001”
 フィンランド産のHeathenブラックメタル、限定500枚のデモ音源集。AZAGHALNeqath氏のワンマンプロジェクトであり実にゆったりとした楽曲、ILDJARN超そっくりのファストスタイルが混在する本格派ブラックメタル音源。初期のデモが2本、プロモーションのテープがセットになっておりファンには美味しい音源と言えよう。#1〜#7はデモ音源”Unchained Heathan Wrath”でプリミティヴさとメロウさが入り混じった楽曲中心。#8〜9はプロモテープである”Song Of The Northen Gale”でシャリシャリとした重みのない音にKeyを塗しこんだ音源。#10〜11はデモ音源”Of Revenge And Bloodst Ained Sward”でムーディなメロディが癒しを伴う(?)展開を重んじた音源。デモによって様々な顔を持つが全体として伝わってくるのはやはりRAWでプリミティヴな感覚。中には朗々とクリーンVoで歌い上げる楽曲もあったりする。音源によっては全体的にベースが目立つため、シャリシャリした感覚は意外と押さえ気味で芯が通っているものからシャリシャリ全開のILDJARN直系の楽曲までマチマチ。PAGANでプリミティヴなそっち系のファンは要チェック!きっと満足する内容だと思う。
”Huldrafalk”
 フィンランド産のHeathenブラックメタル2ND。AZAGHALNeqath氏のワンマンプロジェクト。非常にゆったりとそして延々と続くしっとりとしたリフレインに自然派Seをふんだんに取り入れスローに聴かせる楽曲が中心。また時にトラッド風味を醸し出したりプリミティヴな疾走を聴かせたりもする。特筆するは#1。ひたすら寂しいりメランコリックなリフレインを延々と続けゆったりと進行していくのだが、これがまた心に染み入るメロディである。アコースティックなパートとプリミティヴなパートの融合、雷鳴が轟き、雨が降っているSeがなんとも寂しい空気を作り出しており、北欧の暗い暗い森へと誘われそうな雰囲気を築き上げている。早い話、ILDJARN寄りのNARGAROTHって感じ。この言葉にピクリと反応を示すブラックメタルマニアならマジで聴いて損なし!
”Vargtimmen Pt.1”
 フィンランド産のHeathenブラックメタル3RD。豪雨、雷鳴轟くSe、物悲しくしっとりとしたアコギが奏でる定番オープニングから一転して疾走しながらも10分を超える楽曲からスタート。どの曲も大作ぞろいであり曲は比較的長め。やはり路線はメロウでトラッド風味溢れるHeathanブラック。また、彼が指標してきた音楽がここにきて完成された感も強い。全体を通して疾走する曲が増えているので馴染み深いモノに仕上がっているのではないだろうか?それにしても随所で聴けるアコギが奏でるメロディはひたすら切ない。全体を通して切なさ、寂しさが支配する北欧トラッド風味ブラックメタル。ラストの#4なんかは切なさを伴った荒廃とした感覚が炸裂しており最高。個人的にこの曲は好きやな〜。

Back