XASTHUR

”Nocturnal Poisoning”
 US産独りブラックメタル、2001年作。寂しさ、悲壮感、絶望感が漂いまくる超ネガティヴな要素満載のブラックメタル。霧に包まれたような雰囲気を醸し出すアトモスフェリックな部分が大半を占めており、リフレイン効果が非常に利いていると思う。ず〜〜っと聴いていると確実に鬱になりそうな.....そんな楽曲を身上としているみたいである。KEYが奏でる荒んだ地下メロディがゆったりと浮遊しダラダラと気だるく邪悪な旋律を奏で、それらを支える(支えているのか!?/笑)ノイジーなリフで淡々と進行する。そこに断末魔と言うべき絶叫Voが乗るので病み(闇)度が非常に高い作品である。疾走する展開があまり無くただ只管に暗い。雰囲気も当然陰湿でジメジメしているのでそう言うのが好きな方は是非チェックを!(笑)明るい部分がまるで無い徹底してダークネス路線。良いと感じるか苦手だと感じるかはカナリ聴き手に委ねられる音源と言えそうだ。決して気の利いた万人受けする楽曲ではなく、あくまで病んだ感じを前面に打ち出しているので注意が必要(笑)因みに4曲目はなんとフランスの病みブラックの決定盤MUTIILATIONのカヴァーを収録。微妙だがなんとなく納得(笑)尚、曲が比較的長いため最後まで鑑賞するにはカナリの精神力を消耗する事であろう。ホント誰にでもと言った音源では口が裂けてもいえないが闇モノ物件としての憂鬱な雰囲気は相当醸し出しているので中途半端には終わってない。BURZUMとかその辺のファンに強くオススメできるであろう。
”The Funeral Of Being”
 US産独りブラックメタル2003年作。どうやら2001年〜2003年に作られた楽曲を寄せ集めているアルバムらしい。よって曲によって音質もマチマチ。ジャーーっとノイジーなかき鳴らしトレモロリフを主軸に憂鬱な楽曲進行を続けるネガティヴ志向は全く変わってない。音の篭り具合といいこれぞUGブラックメタルの王道。KEYの使い方も相変わらずアトモスフェリックかつミステリアス。大胆でもなく曲に同調しており陰惨な空間を演出している。前作を聴いて心地良いと感じた人は間違いなく安心して聴けるだろう。悲壮感全開のVoは楽曲が放つ異様な空気とこれまた良く同調しており恐ろしい事この上なし。この湿り気、雰囲気、陰惨さは強い説得力を持っている。6曲目辺りのどうしようもない陰惨なメロウさは流石と言うべき出来である。素晴らしい!

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