江口征男建築設計事務所

    Yukio Eguchi Architect & Associates

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    Explanation
    目次

    【設計とは?】
    【監理とは?】
    【建築士って何?】
    【建築家って何?】
    【建築家の選び方】
    【登録建築家と設計専攻建築士そしてCPD】
    【工務店の選び方】
    【設計施工一貫とは?】
    【設計契約と設計監理報酬】
    【総予算と設計料】
    【工事費見積りと坪単価】
    【欠陥住宅問題】
    【住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称,住宅品確法)】
    【新しい住宅ローンと資金管理のシステム】


    【設計とは?】
      建築をつくるには,はじめにしっかりした設計図をつくらなければなりません.設計が悪け
     ればどんなに優れた工務店(大工さんや職人さん)に頼んでも良い建築はできません.
      音楽に例えると,作曲が良くなければブーニンが弾こうが,パバロッティが歌おうが感動で
     きないのと同じです.
      同じ“つくる”でも,設計は“創る”,施工は“造る”という大きな違いがあります.

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    【監理とは?】
      工事監理とは,工事が設計図書に忠実に行われるように現場をチェックしたり,材料や色彩
     を検討したり,工事代金の支払い時期を確認したりすることで,設計を補完する重要な仕事で
     す.工事監理には住宅でも,現場に赴いたり,所内業務などで週1日程度は費やします.
      優れた設計図があっても,工事監理者がいないと設計図どおりにつくられる保証はありませ
     ん.詳細な設計図と密度の高い工事監理とがそろい,良心的な施工者がいて,はじめて質の高
     い建築ができるのです.通常,工事監理は設計者またはそのスタッフがします.
      なお,施工業者の現場監督がするのは「現場管理」で,職人の手配など現場の運営に関する
     ものです.

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    【建築士って何?】
      『建築士』は国家資格で一級,二級,木造建築士があります.それぞれに守備範囲が定めら
     れています.一級建築士の場合は,建築系大学を卒業し2年の実務経験を経て受験資格が得ら
     れます(他の方法もあり).試験は学科(計画,法規,構造,施工)と設計製図に分かれ,平
     成14 年の総合合格率は6. 4%でした.しかし,試験でデザインの能力を評価することはでき
     ませんから,一級建築士のうち本当の意味で設計ができる人は1割もいないでしょう.
      したがって建築士資格は設計者の資格ではなく,建築技術者の最低基準を示すものと考える
     べきでしょう.わが国の建築士は西欧の建築家資格とはまったく違うという認識が必要です.
     一級建築士のうち,設計事務所に所属して設計監理をしている人は1割程度と言われています.

      なお,建築業界には設計をする人をさす言葉に「設計士」という用語はありません.建築基
     準法用語での「設計者」(その建築に法的に責任をもつ者)と建築士法の「建築士」(資格)
     だけです.もし建築業界の人で「設計士」を使う人がいたら,不勉強な人でしょうし,その人
     が設計の仕事をしている人なら職能意識の低い人でしょう.

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    【建築家って何?】
      『建築家』は資格の名称ではありません.建築士の資格を持ち,施工会社や材料メーカーな
     どに所属あるいは従属せず(組織的にも経済的にも独立して)設計監理を行っている設計者
     (設計事務所)をいいます.“従属していないこと”は建築主の代理人としての仕事を進める
     ために極めて重要な点です.
      設計と監理を設計事務所に頼むときは,ご自分にあう建築家(設計事務所)をさがさなけれ
     ばなりません.

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    【建築家の選び方】
      建築家を選ぶには,気にいった建物があったら持ち主に聞く,建築雑誌から探すなどの方法
     があります.
      ほかに,(社)日本建築家協会→「登録建築家ホームページ」や,
     (社)東京建築士会→「建築士を探そう」など  団体のサイトからも探せます.
      そのようにして,建築家の候補をリストアップします.そして,建築家の事務所を訪ねて,
     住宅作品の写真や設計図を見せてもらいながら話を聞いて,その作風や人柄を知ることが大切
     です.“相談”でなく“面接”なら無料で時間をさいてくれるでしょう.
      面談して,仕事の体制(所員にまかせっきりでないか),図面をきちんと描くのか(少なく
     とも実施設計図だけでも30枚以上),工事監理の頻度(少なくとも平均して月に3回)などの
     説明をうければ,建築技術を知らない方でもある程度の判断はできるはずです.
      建築家にも様々なタイプがあります.建築主の希望を聞かないごう慢なタイプもいると聞き
     ます.このケースはデザインを含めて設計の質は高いことが多いのですが,希望を聞かない
     (説得もしないで)のでは,誰のための住まいをつくるのか判っていないということでしょう.
     とはいえ,建築主の希望をなんでも聞くのがいいわけではありません.プロとしての知識をも
     って説得や提案をしないようでは,それもまた無責任でしょう.
      折り込み広告で客を集め,不誠実な仕事でトラブルが多発している,悪質建て売り業者まが
     いの設計事務所の話も聞きます.
      作品を雑誌に発表していることや,有名かどうかは設計の質とは無関係です.また,一般向
     けの住宅雑誌に載る作品は玉石混交ですし,専門家向け雑誌に載る作品は,ジャーナリスティ
     ックな(話題性のある)ものが多く,良質で地道な作品が掲載されることはあまりありません.
      いずれにしても,建築家選びは正念場です.ここで信頼に足る建築家を選ぶことができれば,
     その後の工事に伴うトラブルの可能性は激減するはずです.
      だからこそ,少しでもその建築家を信頼できないと感じたなら,頼むべきではありません.
     たとえ親戚や親しい友人の紹介であっても・・・
      ときどき,あとで気まずくなるのがいやだから身近な人には頼まないという方がいます.し
     かし,はじめる前からトラブルのことを考えるのは本末転倒です.ご友人に建築家がいて,人
     格も才能も優れているなら,その人に頼むのは理想的なケースでしょう.

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    【登録建築家と設計専攻建築士そしてCPD】
      近年,それぞれの職能分野で専門家責任が問われ,消費者保護が求められています。専門家
     にはたゆまぬ努力が求められ,専門家情報 (どのような能力をもっているのか) の開示が要請さ
     れています。
      唯一の建築家の団体である (社) 日本建築家協会では2002年度から会員の必須条件として
     CPD (継続職能研修) 制度を開始し,2003年度からは建築家資格制度を始めています。
     2009年3月現在の登録建築家は全国で2106人(神奈川県75人)です。登録建築家ホームページ

      会員が建築家に限定されていない (建築士有資格者であれば入会できる) (社) 日本建築士会
     連合会 (東京建築士会など全国の建築士会の連合体) でも2003年度からCPDを開始 (ただし任
     意参加)さらに会員の専門分野が分かるように,「専攻建築士制度」(設計監理の専門家は設計
     専攻建築士として登録) を始めています。設計専攻建築士は建築士資格取得後5年の建築士に
     登録の資格があります。設計専攻建築士(専攻建築士検索システム)
     2007年6月現在の設計専攻建築士は全国で9111人(神奈川県257人)が登録されています。

      「建築士って何?」の項に書いたように,「建築士」=「建築家」(設計監理の専門家)では
     ありませんから,上記の制度は,消費者が「建築家」と「設計のできない建築士」とを見分け
     るのに有効でしょう。

      なお,CPD とは continuing professional development (継続職能研修) のことで,一定
     期間の必要取得単位を定めて継続職能研修の成果を評価するものです。

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    【工務店の選び方】
      お知り合いに良心的な工務店があればそこに頼むのもひとつの方法です.設計事務所から2,
     3の候補をあげてもらう方法もあります.どの方法でも技術力は設計事務所に,経営状態は取
     引き金融機関などに判断してもらうといいでしょう.最近は工事途中の倒産等の心配をしない
     ですむようなサービスもでてきています.
      建築家と相談しながら,2〜3社から見積もりをとれば,競争の原理も働き妥当な見積金額が
     得られます.
      なお,施工会社の規模の大小や有名無名と,建築の品質はかならずしも一致しません.規模
     が小さくても (数人から20人程度) ,誠実な素晴らしい仕事をする工務店は数多く存在します.
     組織のイメージよりも,経営者 (責任者) の顔が見えることはなによりも大切なことです.

      参考:『信頼できる工務店103』建築ジャーナル社
         『室内』02年1月ほか特集「私は推すこの工務店ー建築家が推薦する50社」工作社

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    【設計施工一貫とは?】
      設計と施工を一括して頼むときは,工務店や住宅メーカーに注文することになります.しか
     し,設計施工一貫では,同じ組織のなかで設計も施工も行うので,建築主にとって望ましいこ
     とであっても,施工者として利益をあげにくい面倒な設計 (施工) は排除されがちです.
      つまり,“価値を追求する”設計と,“利潤を追求する”施工とが同一組織内で行われてい
     るという矛盾があります.「利益の衝突」です.従って,厳しい工事監理は事実上期待できま
     せん.

      【建築家って何?】に書いた“従属していないこと”が重要な理由はここにあります.また,
     設計施工一貫では一社の特命になりますから,見積りに競争の原理ははたらきません.

     『設計施工分離』と『設計施工一貫』との違いについての図解はこちらへ
      それぞれをAルート,Bルートとして 頼む場合の注意事項をまとめました.


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    【設計契約と設計監理報酬】
      住宅メーカーは無料の営業設計をします.不成約となってもその費用を成約した方の工事に
     上乗せできるからです.しかし,建築家は工事では一切利益を得ません.設計監理というノウ
     ハウへの対価としての設計監理報酬 (のみ) を依頼主から (のみ) いただきます.工務店を紹介
     することはしても,リベートとは無縁です.それは依頼主の代理人の立場に立つからです.
      従って,建築家 (設計事務所) は依頼されないうちは設計にとりかかりません.「設計をお
     願いします」「お引き受けします」という契約 (業務委託書) が交わされてから,調査などを
     始めます.「ある程度のところまでは無料でやります」と公言する設計事務所は,なんらかの
     別の収入ルートがあると疑ってもいいでしょう.そうでなければ,設計や監理の手を抜いてい
     ると考えざるをえません.
      依頼された後,予定規模,予定工事費,予定工期,設計監理報酬などが決まると「設計監理
     業務委託契約書」を取り交わすことになります.

      設計監理報酬 (いわゆる設計料) は旧建設省告示1206号によって算定の目安がきめられてい
     ましたが,09年1月7日に国土交通省告示第15号(建築士法第25条の規定に基づき,建築士事
     務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準)が新しく告示され,4月
     1日に国交省から郵送されてきたばかりです。

      これは建築物の類型,用途等の分類と床面積の合計から,設計及び工事監理に必要な「人・
     時間」(マンパワー)の目安を表に表したものです。
      その数値に人件費を乗じ,技術料や事務所経費を加えたものが設計監理報酬になります.こ
     の場合の「人・時間」の数値は一級建築士として2年または二級建築士として7年の建築に関
     する業務経験を有する者による業務時間を示します.算出結果は設計事務所ごとに異なります.

      設計料の額を検討するときは仕事の内容や設計者の技量にも注意してください.図面をあま
     り描かず,工事監理もほとんどしない場合もあります.


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    【総予算と設計料】
      建築家はクライアント (依頼主) の予算をお聞きして,測量等調査費用,工事費(工事別),
     設計監理報酬,その他の費用などにバランスを考えながら配分することから仕事を始めます.
     工法も,予算や要望や法規などを勘案して適当なものを選択します.はじめに工法ありきで
     はありません.

      メーカーに設計込みで頼めば設計料はただなのに,設計事務所に頼むと10数%が余分にか
     かると考える必要はありません.かりに用意できる予算総額が 3000万円のとき, 300万円
     強を設計監理報酬に,2700万円弱を工事費用にあてればいいのです.この場合,一つの設計
     図をもとに施工者を競争させることができるので,各社見積りに1〜2割程度の差がでること
     も珍しくありません.設計料の分が浮いてしまうこともあります.しかも設計の質も監理の
     質も全然違います.そして,あなただけの個性的な住まいができるはずです.

      設計監理報酬 (設計事務所) +工事費 (工務店) > 設計施工費 (ハウスメーカー)
                      ではなく,= または<と考えていただきたいのです.

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    【工事費見積りと坪単価】
      設計図なしに明細な見積りはできません.かりに間取り図程度で数社から見積りをとったと
     しても,それは総額を比較する意味しかありません.なぜなら,工法や仕様は各社それぞれ異
     なるからです.品質に対して高いか安いか,つまりコストパフォーマンスは判定できません.
      一方,詳細な設計図がそろっていれば,各社の見積りは公平に比較できます.
      『坪いくら』という言い方がありますが,ほとんど意味がありません.プロでも設計図と見
     積りを詳細に検討し,出来映えと比較してはじめて高いか安いかがわかる,つまり結果でしか
     ありません.
      例をあげます.2m×6mの家も3m×4mの家も同じ12平方メートルですが,壁の総延長は
     16mと14m.明らかに前者のほうが高くなります.建物の高さ,材料の品質,デザインの質,
     見積り範囲 (どこまで含むか) などを説明しないで,はじめから『坪いくらです』というのは
     マヤカシといってよいでしょう.

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    【欠陥住宅問題】
      “欠陥住宅110番”などで消費者側に立って欠陥住宅問題に取り組んでいる弁護士達は,
     「欠陥住宅をつくらないためには、第三者による工事監理が必要」と強く主張しています.
     いいかえると,設計と監理は信頼できる建築家 (設計事務所) に依頼して,工事のみを工務
     店に頼むべきだということです.

     “設計施工一括”でハウスメーカー等に発注する時に注意したいことは:
              契約日以前に,契約約款などをよく読んで納得しておくこと.
              見積書はできるだけ詳しいもの (内訳書) を要求すること.
              申し入れた要望は,図面や見積書に明記してもらい,確認すること.
              申請書類などの印はかならず内容を確かめて,ご自身が捺印すること.
              確認通知書を見せてもらい,工事監理者 (確認通知書に記載) の名前を
              確かめておくこと.その人が確実に工事監理をしているかを確かめる
              こと.名義貸しの“監理放棄建築士”が横行しています.
             「来月値上がりするから」などと,せかされても契約を急がないこと.

                       これだけでもかなりのトラブルが防げるはずです.


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    【住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称,品確法)】
      2000年4月から施行されています.私は「10年間の瑕疵担保責任」を除いては,批判的で
     す.信頼できる設計者に設計と監理を頼み,信頼できる工務店に施工を頼めれば良い 家ができ
     るのは今までどおりであって,「屋上屋をなす」このような法律は必要ないからです.
     ただし,建築条件つき (売建て) 住宅を買うときなどには多少意味があるかもしれません.

    Essays 随筆集『住宅のトラブル減らすため,法律以前に必要なこと』 (品確法批判論文)

     ポイント1)新築住宅の取得契約 (請負/売買とも) で,基本構造部分 (基礎,柱,梁などと
           雨水の浸入を防止する部分) につき,10年間の瑕疵担保責任 (修補請求権等) を
           義務付けました.この点だけは評価できますが,そのほかはどうも・・・
     ポイント2)新築住宅の取得契約 (請負/売買とも) で,基本構造部分以外も含めて,特約を
           結べば20年まで延長が可能になりました.
     ポイント3)住宅性能表示制度を創設しました.ただし任意の制度で,指定住宅性能評価機関
           に払う費用がかかります.申請のための書類を作る費用と性能評価機関に払う費
           用で30〜40万円程度,それに工事費もアップします.
     ポイント4)住宅専門の紛争処理機関が全国的に(各地の弁護士会)つくられました.第三者的
           な立場の弁護士,建築士などによって構成されています.

    ※追記(031116)
      この法律ができるとき,「ハウスメーカーが資本を出してつくった評価機関が,そのメーカ
     ーを評価するなんて,まともにやるわけない!」という意見がありましたが,その通りの不祥
     事が起きてしまいました.大手の評価機関 (兼建築確認検査機関) 「日本イー・アール・アイ」
     に対し,国土交通省は業務停止を命じたのです (国交省ホームページ031004) .
      内部告発をきっかけに国土交通省が立ち入り調査して,建築基準法と品確法に違反して業務
     を行っていたことが判明したという事件です.
      品確法に関しては,調査した28 物件の25 %を資格のない補助員に検査させていて,しかも
     ハウスメーカーからの出向者である補助員に,その補助員が関係する会社が供給している物件
     の評価業務にあたらせていたというのですから,絵に描いたような悪質なお手盛りでした.ち
     なみにこの会社,主要株主12 社のうちの5 社がハウスメーカーです.この事件は,品確法のう
     さんくささを“証明”してしまいました.
      この会社では,建築基準法の確認業務に関しても,資格のない補助員に検査を実施させてい
     ます.いやはや! 国交省もさすがに困惑したようですが.

    ※追記 (050301) ※ご注意!
      品確法にもとづく「住宅性能表示」を“売り”にしている建て売り住宅やマンションが増えて
     います.
      しかし,性能の表示を虚偽の「等級」で広告している建て売り住宅の例もありますので,契
     約の際には十分ご注意ください.
      また,「設計性能評価書」と「建設性能評価書」があり,その両方を取得していないものは
     まったく無意味です.なぜなら,紛争が起きたとき裁判外の紛争処理機関に持ち込めるのは,
     「建設性能評価書」を交付されたものに限られているからです.したがって,「設計性能評価」
     しかとっていないものは,営業のツールとしてのまやかしと見るべきです.
      性能評価をうけたときには,必ず「建設性能評価書」も受け取 ってください.

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    【新しい住宅ローンと資金管理のシステム】
      一般に,住宅資金をローンでまかなう場合,家が担保になるため,建築が完成するまでは融
     資は実行されません.
      とはいえ,設計監理料は設計契約時点で,工事代金は工事請負契約の段階で必要になります.
     土地を購入する場合にはもっと早い時期から資金を用意しなければなりません.したがって,
     建築が完成するまでに必要になる資金は,自己資金と金利も保証金も高い「つなぎ融資」など
     で都合するという不合理なこと(二度手間のローン)をしなければなりません.
      そんな理由から,建築家に設計監理を頼み,優良な工務店に施工してもらいたいのに,不本
     意ながらも提携ローンがつく建て売り住宅を買ったり,ハウスメーカーに頼まざるを得ないと
     いうケースも少なくありませんでした.
      しかし前述のような矛盾を解消するとともに,安心な機能を付け加えた新しいシステムが開
     発されました.エスクロー(取引の安全性を保証する)サービスなどを付加した試みです.

      このシステムのフローは,
     1)工事着工に先立って,銀行から住宅ローンの全額が融資されます.
     2)その融資全額を,自己資金とともに信託口座に預けます.このお金は法律により保全され
      ます.
     3)工事開始後,工事代金は出来高(出来上がっている分)に合わせて,分割して工務店に支
      払われます.出来高のチェック(どこまで出来ているかの確認)は専門家(建築家が設計監
      理をしているときは,その建築家)が確認します.

      このシステムのメリットは,
     1)「つなぎ融資」を受ける必要がない.
     2)支払い済部分の建築は(工事中でも)注文者(建て主)に所有権がある.
     3)工事中にもし工務店が立ち行かなくなっても,完工できる(完成保証).
     4)高い技術力を持つ中小工務店に安心して頼める.
     5)土地先行融資との併用もできる.
     6)融資を受ける必要がない場合でも,「出来高支払管理制度」(出来高に応じて支払うシス
       テム)だけを利用することも可能.その場合 2)3)4)のメリットが享受できます.

      一般の場合,工事中の建築は工務店の財産です.したがって,もし工務店が倒産すると,工
     事中の建築は多くの債権者(工事関係者)に差し押さえられ,すでに支払った代金が戻ってこ
     なくなる危険をはらんでいます.しかしこのシステムでは工事中の建築は注文者(建て主)の
     ものです.また,工務店に「完成保証制度」への加入を条件付けるので,工務店が倒産しても,
     他の工務店によって完成させることができます.資金が信託口座で保全されているからです.
      高い技術力を持ちながらも経営的には脆弱な中小工務店に,安心して頼めるということは裏
     返せば,工務店も出来高に応じて確実に支払いを受けられるので,請負金額に金利負担を上乗
     せする必要もなく,高品質の住宅をつくることに専念すればよいことになります.

      この融資システムについては,日本住宅ワランティ株式会社 すまいと事業部によって運営
     される“建築家との家づくり応援サイト”『すまいと』の住宅ローン(すまいとマネープラン)を
     ごらんください.

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     欠陥住宅をつくらないで(江口征男)  くたばれ!“家相・風水”(江口征男)



    All rights reserved   update 10/07/30