推介電影
香港で或いはVCDで見て気に入った作品を紹介しています
日本未公開作品です是非日本公開を

File No.6


 險角 Sharp Guns 2001年作品
監製◎陳錫康
導演◎
[登β]衍成(ビリー・タン)
編劇◎荘文強・鄭剣鋒
角色◎
阿安=方中信(アレックス・フォン)
   小木=張堯智
(ケン・チャン)
   阿雨=安雅
(アヤ)
   沙展=夏韶聲
(ダニー・サマー)
   阿曲=王合喜
(ケン・ウォン)
   獣医=陳豪(
モーゼス・チャン)
   袋鼠=李[火華]尚
(デヴッド・リー)
   Leo哥=尹天照
 抗争渦巻く澳門。澳門の親分・大班は、10年来の知り合い「詭計安(ペテン師安)」と呼ばれる阿安(方中信)に、誘拐された娘の救出を依頼した。それには警察に届けられない事情があった。嗅覚が抜群な小木(張堯智)と、拷問で口を割らす事を生業とする阿雨(安雅)が助手となった。誘拐されたと思われた大班の娘は、実は最も安全な場所、澳門警察に軟禁されているのを突き止め、3人は救出に向かった。
 しかし救出した大班の娘は、実は大班と反目する沙展の娘だった。麻薬漬けになった沙展の娘の薬抜きの為、警察で保護していたのだった。ペテン師がペテンにかけられた。阿安たちは、まんまと大班の口車に乗って、沙展の娘を誘拐してしまったのだ。警察から追われ、さらには沙展からもつけねらわれる事になった。阿安たちはこのピンチをチャンスに変えられるのか。
 低予算
(たぶん)ながら比較的よく出来ているというのがまずの感想。それぞれのキャラクター設定がはっきりしているのが、好印象の理由。
 阿安を演じる方中信は、澳門に降り立った途端からいつもと違う。話し方もいつもの語りより軽くトーンはおとして、軽妙さとちょっとキザっぽさを演出して新鮮。《君を見つけた25時》以来の少々軽妙な役。久々にちゃんとアクションらしきものもしているが、ガタイがデカイからちょっと、どったんばったんかも
(笑)。小木の張堯智が《陽光警察》とはうって変わってお茶目で、顔も身体も好く動くキャラ。何でもかぎ分ける仕草も、ちょっとコミカルでこれも可愛い。安雅には露出気味の衣装で、冷血な拷問好き女王様的設定を与えた。舌にもへそにもピアス(自前だろうな〜)、ビスチェから針金を取り出して鍵を開けたりと、小道具もいっぱい。警官の王合喜も直情型と、これまでにないキャラ。めがねをかけた医者の陳豪@ぼーっとしたキャラや、夏韶聲のぬめったファションもちょっとスパイシー。だれもが、軽々と自分のキャラを楽しんでいるように見える。さらには、大班と沙展に澳門の街を身代金を持って走らせれるなんていうドタバタも加えて、ちょっと前の香港映画テイストも忘れてない。幾重にもフェイクがかかった話は、より大がかりだともっと面白かっただろう。
 パッケージからはシリアスものとれるが、実はコミカルをスパイスにちょうどよい味付けの佳作の出来上がり。

 我的野蠻同學 My School Mate, The Barbarian 2001年作品
監製◎王晶(ウォン・ジン)
導演◎
王晶(ウォン・ジン)
   鍾少雄
編劇◎王晶(ウォン・ジン)
武術指導◎程小東(チン・シウトン)
角色◎
Edwared=馮徳倫(スティーヴン・フォン)
   石頭=謝霆鋒
(ニコラス・チェ)
   阿鳳=容祖兒
(ジョーイ・ヨン)
   蟷螂=彭敬慈
(サミュエル・パン)
 香港映画において、おバカとは褒め言葉である。それも王晶においては最上級の褒め言葉である。
 なわけで、久々、おバカな王晶に巡り会えた。タイトルからしておバカ。《僕の野蛮な同級生》だもの。謝霆鋒も馮徳倫も高校生だって。謝霆鋒はともかく、馮徳倫には無理だろうその設定。
 おぼっちゃまEdward(馮徳倫)は、名門校の優等生。お家はお金持ち。プールだってあるし、学校へは自転車(と言ってもそれはその高そうな代物)だけど、後ろからボディーガードが黒塗りの車でガードしている。母は世界中を飛び回って仕事バリバリ。息子との会話はテレビ電話だけど、とりあえず日の当たる快適な住宅で何不自由なく日々を送っていた。ところがだ、言い寄る同級生をふろうとして、叛逆に出た女子におとしめられた。なんてことだ。恥をかかされた上に、退学処分だ。母は言う「DBS」という学校へ転校せよと。
 ところが、「DBS」を「TBS」と聞き間違え、とんでもない学校に転校してしまった。なんせこの学校、荒廃していることこの上ない。しかし、この荒廃した学校に何故か黒社会は介入していなかった。なぜならこの学校は闇のルールに支配されていたからだ。放課後、天井で扇風機が回る教室。並べた机をリンクに見立て、その上で格闘が行われていたのだ。ルールは簡単、身体のどこかが地面に着いものは負けだ。この闇のルールの中では黒社会とて存在できなかったのだ。
 早速その洗礼を受けたEdward君。もちろん結果は分かりきっている。惨敗したEdwardを鍛え直すのが石頭(謝霆鋒)だ。石頭、憂いがただよう。どうやら彼には過去があるようだ。しかも、蟷螂(彭敬慈)以外は、だれも彼に格闘を申し込まない。Edwardと石頭、この2人に付き従うは男子1名(名分からず)と、Edwaredに好意を寄せる女子1名(容祖兒)。彼らは、忍び寄る黒社会と蟷螂を無事倒して、学校を守り抜く事は出来るのか。
 設定がすでにおバカ。さらにいろいろおバカが追加されて、もうとんでもなくおバカ。だって蟷螂って名もさ〜、ああこれ以上書くと、ネタバレになりそう。
 でも、ただのおバカじゃないのは、やっぱり馮徳倫と謝霆鋒のキャラクターのおかげ。おぼっちゃま馮徳倫と妙に憂っている謝霆鋒。いい人選だもの。2人の実年齢なんて、見ているとどうでもよくなるし。特に謝霆鋒。君にはやっぱり色気がある。どうしてそうも色気があるのか。もうこれは才能としかいいようがない。
 そしてさらに、ただのおバカじゃないのは、格闘場面がかっこいいから(そしておバカでもある)。ストリートファイターと実写の融合とでもとりあえず言っておこう。特に最後の戦いは壮絶。え〜と武術指導は・・、程小東だもの〜。でも無駄遣いじゃないって、程小東がいきてる。そしてこの映画、こんなおバカでも、ちょっとラブあり友情ありの学園モノドラマにちゃんと仕上がっているわけ。すばらしい。
 でも版権はちゃんと取ろうね。このままじゃ日本じゃ公開出来ないと思うぞ。
 第38回金馬奨最佳動作設計受賞(程小東)。
 第21回香港電影金像奨最佳動作設計(程小東)にノミネートされました。

 九龍冰室 Goodbye Mr.Cool 2001年作品
監製◎
導演◎
馬楚成(ジングル・マ)
編劇◎
角色◎
九紋龍=鄭伊健(チェン・イーキン)
   Helen=莫文蔚
(カレン・モク)
   皇子=黄品源
(ホアン・ピンユエン)
   康哥=林雪
(ラム・シュ)
   火山=呂頌賢
(ジャッキー・ルイ)
   亞蒙=李彩樺
(レイン・リー)
   潘兆龍=譚偉豪
   Jojo=車婉婉
(ステファニー・チェ)
   樂仔=谷垣健治
(たにがきけんじ)
   長髪=杜[シ文]澤(チャップマン・トー)
 鄭伊健ってこんなにかっこよかったっけ?昨年「香港映画祭」で来日したとき生を見て「たくましくなって、ちょっといいかも」って思っていたら、「LIVE」ではみごと通訳付きでわらかして貰らった。その後に見た《BAD BOY 特攻》では、古天樂のクールキャラに対して鄭伊健はナンパキャラ。今時こういう口説き方はないだろうって役だけど、それが妙にのびのびしていた。ひょっとして鄭伊健、今が旬? 
 馬楚成+鄭伊健は《東京攻略》に次ぐ2作目。《東京〜》では、カメラマン出身の馬楚成のカメラワーク&編集&音楽で鄭伊健も梁朝偉も見事アクション俳優に大変身。特に音楽とカット割のリンクは見事で、楽しくリズミカルで且つかっこいいっていうアクションシーンの見本を見せてくれたという感じ。さて2作目《九龍冰室》では、さらに鄭伊健で新たなヒーロー像を作り上げた。
 かつては古惑仔。タイでの仕事に失敗、7年の刑期を終え、足に傷を負い香港へ戻ってきた九紋龍(鄭伊健)。何も聞かず、何も言わず、だまって彼を受け入れる茶餐廳「九龍冰室」の店主・康哥(林雪)とは、かつては一緒に渡世を渡ってきた仲だった。もうヤクザな身には戻らない、穏やかな生活をしようと心に誓う九紋龍のもとに、ある日、自分を「パパ」と呼ぶ子供が届けられた。
 フラッシュバックのように繰り返し挿入される鄭伊健の苦痛の表情
(ドイルばりにぶれてます)や莫文蔚の乱れ髪とうつろな目は何を意味するのか。過去と現在を行ったり来たりしながら、徐々に「鄭伊健と莫文蔚の物語」が明らかになる。一種の謎解き要素を盛り込んで、観客を引っ張って話が進んでいく。
 そして肝心の鄭伊健。これがホントにかっこいいからびっくりだ。《古惑仔》シリーズでももちろんよかったけれど、あのキャラって結構間抜けなところもある。出入りに行ったら見事はめられたり、薬を注射されて裏ビデオ撮られちゃったりだったし。それなのに、ちょっと放って置いたら、頼もしキャラに変わっていて、思慮深くなっていた
(笑)
 この鄭伊健を支えているのが脇役たち。林雪の元相棒も回想場面では金髪で笑えるけど、寡黙だが、信頼出来る茶餐廳の主人役はぴったりで出番も多い。この物語のキーになる人物・莫文蔚は計算高いイヤな女の役だけど、これがまた、いらいらするほどイヤな女だし。台湾ヤクザを演じる黄品源は台湾の歌手。香港の俳優にはない雰囲気が出てこれもいい人選。とにかく脇をしっかり固めることで、鄭伊健をもり立てる
(もり立てないと埋もれちゃうかも>あっファンの人ごめんなさいね)。馬楚成監督、2作目にして鄭伊健の見せ方をすっかり会得してしまった(笑)
 そしていいのは鄭伊健だけじゃない。もちろんこの映画自体もいいのだ。私たちはずうっとこういう映画を見てきたんだ。そしてこういう物語が好きだ。過去のしがらみから逃れられない主人公の話が。何かを決断し、愛する人を見つけ、まっとうな道に戻ろうとする主人公に課せられた試練の物語が。そこに人生のはかなさとむなしさを見てきたから。
 第38回金馬奨最佳男主角に鄭伊健がこの作品でノミネートされました。
 2002年5月日本公開になりました。

 絶色神偸 Martial Angel 2001年作品
監製◎
導演◎
霍耀良(クラレンス・フォ)
編劇◎許沙朗
角色◎
Cat=舒淇(シュウケイ)
   
子揚=張智霖(ジュリアン・チョン)
   八爪=林煕蕾
(ケリー・リン)
   馬[馬留]=呉君如
(サンドラ・ン)
   金魚=麥家[王其](テレサ・マック)
   白鴿=顔頴思
   孔雀=Rosemary
   蜘蛛=Amanda Strang
   白骨=尹子維
(テレンス・イン)
   Fred=王晶
(バリー・ウォン)
 《チャーリーズエンジェル》のパクリかというパッケージング(笑)。パクってもただでは起きないのが霍耀良。頭の導入部でどっと霍耀良ワールドへ強引に連れていってくれる。加えて、女体に映し出されるタイトルロールの文字がだめ押し、B級好みのハートをしっかと鷲掴み。
 主役はあちこちの映画に出まくりの舒淇、押さえとお笑い担当で呉君如、準主役に林煕蕾とまずは綺麗どころ3人用意して、あとは時間と予算の関係で、とりあえず新人でスタイルよし&ギャラの安い
(ここ重要)ところ4人ほど集めてみました。対する男優の方もあまりお高い人は無理なのね、主役に張智霖、脇に尹子維。1歩間違えば、もうトンでもないC級な作品に仕上がりそうなところ(はじめのワイヤーワークあたりもそうとう笑える)なんだけど、ここが霍耀良の本領発揮。またまたカルトな迷作を生んでくれちゃった。
 泥棒のCat
(舒淇)、ある日お仕事の最中、同じ目的でお仕事中の駱子陽(張智霖)にすっかり虜にさせられてしまった。しばらく彼と暮らしたが、すでに分かれて3年、普通の生活に戻っても、いつも子陽の姿を探している自分に気づいていた。そんなある日、かつての仲間・八爪(林煕蕾、タコって名もね〜)と会ったCatは、何者かに襲われる。そして彼らがCatに見せたのは、とらわれの身になっている子陽の姿。ロシアマフィアを名乗る彼らが、子陽と引き替えを要求したのは、Catが務める会社が開発した最強のantiウイルスソフトだった。ソフトを敵に渡さずに、無事に子陽を救い出せるのか、そしてCatの思いは子陽に伝わるのか。
 舒淇っていい素材なんだろうなあ。《玻璃樽
(ゴージャス)》や《風雲》みたいな無邪気な田舎くさいの子もできるし、《古惑仔情義編之洪興十三妹》みたいな薄幸も演じられる。そしてこういう現実味のない映画にもきちっとはまってくれる。しっかし出過ぎで、食傷気味なんだけどね。
 霍耀良の作品には独特の世界がある。ある限られた環境の中で起こる物語を必然と感じさせて、幻想を作り出せなければ彼の物語世界は成立しない。つまりその物語にはまる人選っていうのも重要ってこと。そういう意味では張智霖も舒淇も幻想を作り出せるいい素材。これって俳優には重要なことだね。
 霍耀良といえば私的には、やっぱり《愈堕落愈英雄》。外連味たっぷりにスロー使いまくりにこれでもかと、くどいほど見せてくれる彼の映像にしっくり見合う方中信と陳錦鴻がいいんだけど、霍耀良って女性を撮るより男を撮った方が断然いい。男をエッチっぽく撮れる人なんだよね。この映画でも張智霖が色っぽいもの。
 このところ張智霖の男っぷりが俄然上がってる。それって彼自身に自信がついたってこともあるのかな。《重度極犯》あたりから良くなったって思って見てるけど、やっぱり男は30歳過ぎないとねって。で、まだ30には手の届かない尹子維は、辛い過去だったって将来回想されちゃうかもしれないこういう役
(色情狂の爆破専門家)もやってくれちゃう、その勇気に乾杯! そういうわけで、B級好みのみなさん必見ざんすよ。
 ちなみに女性陣の名前は、Catは勿論猫、八爪はタコ、馬[馬留]は猿、白鴿は白鳩、金魚、孔雀、蜘蛛。
 なぜか日本で公開されるらしい。



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