[唱歌注釈]
町蔵さんの言葉遊びを御堪能あれっ!
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<あめふり>
全アジアの女性達よ、目覚めよ。男達が何か言ってきても相手にするな、と言っておるのだ。
通りを見給え。向こうに自動車が三台、停まっておるじゃろう。
ああいう輩がよこしまな目付きをして近づいてきたら、構うことはない、
椎の実や野菜を高値で売り付けてやればよいのじゃ。
演説する男は興奮して血を噴き出したり、むやみに茶を飲んで放屁したりで乱れに乱れている。

 あめ   あめ
亜女、亜女、ふれふれ
        じゃのめ    む
カー3が、邪の目でお向かい
 う   しい な
売れ、椎、菜
    ち   ち
ぴっ血ぴっ血
ちゃ ちゃ
茶ぷ茶ぷ
らんらんらん
乱乱乱

<ぞうさん>
「佐久間象山がなかなか帰らぬ根本の理由は、花が見事であるからだ」
「そのとおりだ、今は余暇だし。あっそういえば軸の讃も見事だね。あれも帰らぬ根本の理由だ」

ぞうさん ぞうさん
象山、象山
 はな  ながい  の
お花が長居の根
       よか     さん なが   よ
「そう、余暇。あ、讃も長いの余」

<めだかのがっこう>
食道楽の男は「蚊の目玉が一番だ」といい、勢いよき食べ
「ほかのどんな御馳走を食べても、このような快楽は味わえまい」と言った。
また、「この皮の味が・・・・」とも言ったが口を動かしながら故、聞きとれぬ。
あいつの食っている蚊を、見つからぬよう隠してやった。
そんなこととはつゆ知らず、あいつおめ新聞の囲碁欄を熱心に見ている。
どうやら三手目が解けぬようだ。
政治家は人民を慰撫しながらも、お夕さんなどという妾をこしらえている。
こんな晩には、一身の利害を省ず良いと思ったことをやり抜く者は、人手不足だろう。

  め    か
「目だ、蚊の」
「がっ、こうは・・・」
  かわ
「皮のな・・・」
 か      のぞ
蚊、そっと除いて
 さんて  ごらん
三手、碁欄
 みん な    ゆう
民、撫で、お夕
 ぎし て   い  よ
義士、手、要る夜
 

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