455.03km ARVAYHEER−URAANBAATAR
SS-1 334.58km SS-2 80.00km
「麗しのトゥーラ川に抱かれて」
げっ!寝坊した!!すでにブリーフィングは終わっており、スタートまで時間が無い!今日はいつもよりスタートが早かったのだ!急いで服を着てテントをたたむ。ランチパックと水をもらいバタバタと支度をする。疲れが溜まっているのか緊張感が無いのか?情けなくなってくる。それにしても暗い。昨夜の雨は上がっているものの空は雲に覆われている。どうにかスタートに間に合った。「!?」ICOの照明が点かない。昨日まで点いていたはずだが・・・。調べる暇も無くスタートの順番が回ってきた。「トリップが分らないと走れねーぞ!」と走り出すが大草原のため先行車のテールランプが見える。おまけに路面が濡れているため轍もくっきり。「明るくなるまで付いて行こう。」ピストは滑りやすく所々湿地帯と化している。暫くしてICOの照明が点いているのに気が付く。気まぐれな奴め。雨のために出現したコマ図には載っていない川をいくつか渡る。次第に明るくなってくる。なにやらバイクが集団で止まっている。近づくと濁流の川であった。川幅は広くないが対岸で止まれ!止まれ!の合図。押して渡れとのこと。なんと!対岸では博田君・ガントルガ氏・田島君・・・・などなど上位陣が水抜きをしているではないか!素直に押して渡る。水量もあるし結構深いが無事に渡る。「最後までハードやねぇ。」と何事もなく渡った中番手の者たちはランチパックを頬張りながら幸福感に浸るのであった。
その後小さな丘を幾つか越え平原を走る。低地なのかピストは川となりピストを避けて草地を走るが、そこは湿地帯と化しよけいに走り辛い。結局水の中を走る羽目になる。小さな濁流の川を越えると湿地帯の中のピストに変わる。狭いピストの両脇には人の背丈ほどもある草が生い茂り前が見辛く路面はすリッピ−だ。そこを抜け出し丘を越えると電柱沿いのメインピストに乗る。雨も降り出す。電柱沿いに暫く走りやがて平原に出る。雨は次第に強くなり前方遠くで稲光が激しい。しかもルートはその方向へと向かっている。次第に音と閃光の間隔が短くなり焦ってきた。周りは見渡す限り平原、隠れる所などまるで無い!一番高いのは単車に乗ってる俺の頭だ!「如何しよぉー?」ビビリながら走っているうちにルートがそれてきた。雷も次第に遠ざかり雨も上がってくる。草原から小さな岩山を超えボコボコに水が溜まったピストを過ぎてSS-1、FINISH。
SS-2のスタートまで暫し休憩。と言っても4時間くらい時間がある。ガソリンを補給しランチパックを頬張る。近くには川が流れ近所の子供も馬に乗ってやって来る。穏やかな草原の風景だ。あまりの暇さに博田君はレスキューシートに包まって寝にはいる始末。その間にも続々とゴールに入ってくる。うだうだと時間を潰していると一人帰ってない奴がいるらしい。河村君だ。どうもミスコースしてるみたいで最終日まで楽しんでる様子。かなり時間がたってから帰ってきて皆に祝福を受ける。完走の集合写真や雑誌の写真など撮影し最後のSS、Victory Runがスタートする。
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完走者全員での記念撮影 | チームガルルのガントルガ選手と |
SS-2は一斉スタートだ。トップの博田君を先頭に所狭しとリザルト順で5列に並ぶ。「最後だから無理せず走ろう。」と話していたが、カウントダウンが始まるとエンジン音が高まり皆やる気になっている。フラッグが振られ一斉に飛び出す。「さっきの話は何だったんだ−!皆全開やんか!」ハイスピードのバトルが始まりプレスのヘリが低空飛行で真上を飛んでいる。嫌でもやる気にさせる!アクセル全開でかっ飛んで行く。暫く全開が続くが排気量の差か腕の差か次第に先頭集団が離れていきいつものペースに戻る。トゥーラ川に沿ってピストは進む。やがて草原から山を越し集落を抜ける。正面遠くに見える丘の上の白い塔を目指して走り山の中へ。再びトゥーラ川に出会い岩山の狭い谷を抜ると最後のゴールが待っていた。SS-2、FINISH。
全ての競技がおわり完走を果たした顔は皆明るい。渡辺氏が帰ってきた。遠くからでもフロント周りがへしゃげているのが分る。「おいおい、最後までやるやんか!」ゴールしてバイクを見るとライト周りがぐしゃぐしゃだ。「コケてしもーた!」皆に笑われる渡辺大王であった。
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緑が輝くモンゴルらしい草原を走る。 | 渡辺大王のフロント周り。んー流石だ! |
PARADE
ここからウランバートルまでパレードだ。博田君を先頭に2列に並びゆっくりと走る。街路沿いで子供たちが手を振ってくれる。ウランバートルの町が見えたとき突如として感動が湧き上がってきた。「再びウランバートルに帰ってきたんだ!」町が霞んで見えた。
ホテルでは大勢の人々に出迎えられるなかバイクを止めお互いの健闘を称えあう。観衆も入り乱れて大騒ぎの中セレモニーが始まる。上位陣のシャンペンシャワー後、完走者が一人づつ紹介され完走バッチをもらう。田島君がシャンペンを廻してくれる。「美味い!」モンゴル5242kmの旅は終わった。
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今日の結果 SPECIAL 10 GENERAL 14
最終リザルト 総合14位