こみっくパ〜ティ〜(PC) ※ディスク2枚組
メーカー リーフ 総合評価 90点(名作)
ジャンル 育成SLG+ADV
発売日 1999/05/28
シナリオ 三宅章介・む〜む〜・鷲見努 MU-6が史上最も萌えたと思われるソフト。
大学入学後2ヶ月と経たないうちに1週間
連続で自主休講するはめになるとは…。
原画 みつみ美里・甘露樹
サウンド 下川直哉・石川真也・中上和英
米村高広・松岡純也

※以下の評価はVer.1.23に基づいて評価しています
 ただし、この評価を鵜呑みにするのは危険です(^^;

個人的エピソード
なにはともあれリーフというのと原画のみつみ美里&甘露樹両氏のファンなのでもうデフォ買い。
まあ、相次ぐ発売延期は「To Heart」以降のリーフの悪癖なのであまり気にしませ
んでした。しかしながら、発売延期したわりにはバグが…ゲフ、ゲフン(ネタ古い)

内容
明日はデートか締め切りか!?
コミック感覚で贈る同人誌物語


長い冬の生活を抜け、ようやく始まる大学生活。
だけど、俺は平凡なキャンパスライフよりマンガみたいな人生を送りたいと思った。
それは夢があって、冒険があって、隣りの机に、あの子がいるラブロマンス。
だから俺は、自分が夢見ていた人生を、ペンの先で描き出す。
20世紀最後に、俺が作る勇気と熱血の恋愛悲喜劇大冒険ゲーム。
いつもの日曜日、電車に乗って1時間のところに、それはある
(パッケージ裏より)

システムとか
システム的には土日に移動したり電話したりで女の子の好感度をあげたりしつつも、平日にバイトや絵の練習(練習は土日も可)をしつつ原稿を描く(土日でも描ける)という育成SLG+ADVという形式になっています。
有り体に言ってしまえば『Piaキャロ』システムです(爆)

この育成が大切でパラメータが高くないと執筆速度は遅いし、本も売れないしで困ります。
それ以上に困るのは本を大量に売って即売会内部での自分の地位を上げないと多くのキャラクターのシナリオが途中で止まってしまうということです。

育成難度は私は弄ったのでよくわかりませんが2回ほど自力育成したかぎりではそれなりにパラメータは上がりやすいのではないかと思います。
話は変わりますが、一応「こみパ」は同人世界ADVでもあるのでウリの一つ(?)に「実際の作家さんに原稿依頼ができる」というのがあるのですが、これ…あまり意義を感じないです。
「駆け出し作家の依頼にこんな大物が応じるのか?」という疑問は置いておくとしても、ゲーム的なメリットもユーザーサービス的なメリットも無いと思うんですよ。
一応、微妙に部数が伸びたりするらしいんですが中盤以降は無意味かと(2000部までしか発行できないので)。
序盤だったらそんな依頼するのに時間かけるより好感度稼ぎか育成した方が得策ですし。
依頼すると1枚絵が見られるとかそういうメリットがあればいいんですけどね。

……ここまででシステム説明が終われば良かったのに。しかし、まだ書かねばなりません。
「こみパ」と言えばバグ、と言われるほどバグが多いらしいです。
「らしい」と言うのは我が家では殆ど被害にあわなかったので。しかし、バグだけじゃなくてCDを読みこまないトラブルまで起こすとはリーフの品質管理体制はどうなっているのか疑問を持たずにはいられません。
同じような内容のCDを3枚も作るなら最初にある程度きちんとしたモノを出した方が利潤もあがると思うんですが。

絵とか
いちいち書くのもバカバカしくなるほどいいです。
256色でここまで凄いとは。
「ぐうの音も出ない」とはまさにこのことです。キャラデザ、着色、背景…いい仕事してると思います。
きちんと見せるべきシーンでは2画面スクロールのCGなんかも使ってますし。
これまでは256色ならF&Cがトップだと思ってたんですが…さすがスタッフが移籍、ゲフン! と、とにかくいい出来です(笑)

一言言わせてもらえるなら「なんで即売会、そんな可愛い娘ばっかやねん」という気はしますが。
…まあ、ゲームの性質上しょうがないですね。
実際の即売会じゃ…(検閲削除)。

音楽・音声とか
発売前に主題歌「As time goes by」を聞いた時は「リーフは終わった」とまで言って酷評した私ですが、最終的感想としては「さすが」です。「As〜」に関してははただ単に慣れてしまっただけという気がしますが(^-^;)

同年に出た18禁ゲームの中でもかなりいい線いってると思います。
しかし、「こみパ」というゲームに合っている曲ばかりです。
特にキャラクターテーマ曲がかなり印象に残るというのはこの手のゲームの必須条件なんで合格です。
お気に入りは「Romantic」「月の童話」「悲しみのヒロイン」「恋わずらい」「Gradual Happiness」といったところ。

一方、音声の方は一部のみ収録。
ボイスもキャライメージにあっててよし。個人的には千紗の声は拒絶反応出ましたが(^^;
フルボイスにして欲しいくらいですが、そうなると必要HDD容量がギガになっちゃうのでダメだったんでしょうか?
DC版では実現されるそうなんで期待です。

シナリオとか
これに関しては実は別にそれほど言うことがないです。
従来のリーフ作品的な「泣かせる」とか「感動させる」というような要素はあまりないですし。

予想もしなかったような展開で驚かせるというようなことも(ないとは言いませんが)そうはありませんし。
テーマは「同人誌」と奇抜ですがシナリオ的に見れば普通の恋愛シナリオです。
ただ奇抜なテーマをきちんと組みこみプレイヤーを違和感なくその世界に引きずり込む手腕や、どう見ても色物なテーマをちゃんとした及第点以上の恋愛モノに消化してるというのは十分評価できると思います。
まあ、シナリオの1人む〜む〜氏などはDOS時代の名作と名高い『BE-YOND』のライターさんだそうですし、やはり大したものだと言ったところですね。

さらに言えば前述の「泣き」要素は薄いもののキャラクターの魅力はとても高いと思います。
原画の良さをさらに引き出したシナリオ、セリフ回しは多くのプレイヤーを壊してくれることでしょう。
少なくとも私は壊れました(^-^;)

ただリーフ作品のお約束と言えばそれまでですが、Hシーンに入ると主人公の性格が急に豹変してしまうのには個人的には馴染めませんでした。
もっとも「Piaキャロの絵でそこそこ濃密なH」という夢は少し叶ったわけですが。
しかし、どうせなら普段どおりのいい人のままラブラブなHシーンが見たかったような。
……ひょっとして「そういう同人誌を作ればいい」というスタッフからの啓示?(バカ)

苦言を呈するとすれば、仕方ないとも思いますが同人世界を綺麗に描きすぎだとは思います。
テーマ、購買層、スタッフに実際の活動をしている人も多い、など様々な要素が絡んだ結果だとは思いますが、これではともすれば自己賛美や自己肯定なだけのような気がします。

まあ、ゲームでそういうオタク社会のドロドロした部分を見せられても面白くないであろうことも間違いないんですが。同人誌とか全然知らない人がそういうの見せられて瑞希みたいにオタク不信になってもアレですし(苦笑)

総評
結論、「買いでしょう!」

とにかくキャラクターの魅力が犯罪的に強力です。極論してしまえば私にとって「こみパ」はシステムでも音楽でもシナリオでも、それどころか絵でもありません。「キャラクター」です。
言っている意味がよくわからないと思いますが、自分でもよくわからないので当然です(ぉ

「こみパ」以前にも「こみパ」以後にもハマりすぎて1週間学校に行かなかった(ダメ学生)というソフトはありません。
ここまでハマってしまうソフトは本当に珍しいです。我ながら頭の悪い話です。

最後に一言。やはり「Piaキャロ」の時ファミレスに幻想を抱いた人が出たように「こみパ」で同人誌や即売会にありえない幻想を抱く人が出るんでしょうね。
……どっちも自分のことですが(^-^;)

以上です。本当はバグとかがすごいんで点数を下げようかとも思ったんですが、すっかり「こみパ」の虜となってしまった脳がそれを拒否したんで主観オンリーで貫くことにしました。よって90点です。
100点じゃない理由は…う〜ん個人的に萌え度が低めなキャラ(詠美とか由宇とか)もいるから、かな?
萌え度が低いだけで嫌いではなくてキャラ的には好きなんですが。

書いた時点での総プレイ時間 約60時間(コンプ)
お気に入りのキャラ 長谷部彩・高瀬瑞希
お気に入りのセリフ 「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」(ぉぃ
「もうっ、これだからオタクはっ!」

初版1999/08/31 最終更新2001/03/26