行殺☆新選組(PC) ※ディスク2枚組
メーカー ライアーソフト 総合評価 70点(佳作)
ジャンル 人斬り美少女あどべんちゃ〜
発売日 2000/04/28
シナリオ 岩清水新一・睦月たたら ネット上では発売前から注目を集めてました。
主題歌「みつめて☆新選組」と共に流れるデモは強力です(笑)
しかし、なぜ音楽担当がこの人なんだろう…?
原画 八雲剣豪
サウンド 九十九百太郎

※以下の評価は00年5月10日配布修正版に基づいています

個人的エピソード
情報を聞いてメーカーHPで見て爆笑。
後にデモを見て本気で惚れる。新撰組のこと知らないのに(爆)
バカなお笑い系ソフトもまた大好物だったりします。

内容
――時は幕末。
幕府転覆を目指す悪のキンノーがはびこる京の町を、颯爽と駆け抜ける浅葱色の風
「新選組」!!
この女性だらけの武闘派集団に身を置くことになった主人公は、キンノーとの戦いを
通じて激動の時代を体感することになる。
女の子たちは命がけ! ならばこっちも士道に恋と、本気でいかねば掴めない!
コメディとナンセンスギャグを満載しつつ、しゅばっと真面目に斬り込みます。
人斬り美少女あどべんちゃ〜、いざ開幕!!
(パッケージ裏より)
#本編もこんな感じですが、「激動の時代」云々はあまり気にしなくても大丈夫。
ちなみに時代設定は文久3年とのこと。西暦だと何年なんですか?>詳しい人

システムとか
ゲームは選択肢分岐とマップ移動で進行しますが、この移動に関しては「押し借り」(無理やりにお金を借りる)を
行うためにあるだけでストーリーそのものとは関わってきません。

また、新選組には財政・治安など6個のパラメータが用意されていますが、
「不条理度」以外のパラメータは微妙なテキストの変化があるだけでゲーム自体には影響を与えません。
そう考えるとパラメータはいらなかったんじゃないかという気もします^^;

セーブ数は12個。難易度も低めで、決して長いゲームではないのでこれくらいで十分かと思います。
読み返しはついていないもののスキップは付いていますが、
これがTabキーでOn/Offを切り替えるタイプの強制スキップなのでちょっと不便だったかと。

鑑賞系はCG・音楽・シーン回想と全て整っていて問題なしです。
Ver.1.00ではマトモに動かなかったなどという話もありましたが、
修正ファイルを当てた私の環境では1回画面がブラックアウトしたのと
攻略情報をIEで眺めながらやっているとどんどん重くなること以外は^^;問題は発生しませんでした(爆)

ただ、個人的には「押し借り」の際に出るクイズが本気で難しいという部分で
かなりのところは許せてしまうのが何とも悲しいところです。
あのクイズ、ミリオネアなら500万円は行くって(笑)

絵とか
原画はロリ臭溢れる独自性を醸し出しています^^;
個人的には全然OKですが、人によっては辛いかもしれません。

塗りの方も原画同様、決して他のソフトに比べて良いということはありません。
ただ、一部CGの塗りや背景の出来はいいので、
どっちがライアーソフトの実力を表しているのか初めて買う私には把握しかねます。

このソフトの特徴として挙げられるのがコロコロ変わるフェイスウィンドウ+それの縦横無尽への移動でしょう。
これでキャラの動きを表現することで単なる立ち絵の変化よりもイベントの存在感が増しています。
視覚的にも楽しいですし、この配慮はポイントアップです。

あまり絵がどうこう言うタイプのゲームでもないと思うのでこの項はここまで。

音楽とか ※音声はありません
音楽は全部で29曲。1枚をまるまる音楽に割いているだけあって、かなりの曲数です。
音楽担当の九十九さんは往年のシューティングファンならご存知かもしれませんが、
テクノソフトでサンダーフォースVの作曲なんかをされてた方です。
というか、そんな人だったからこそ私がこのゲームを知ったとも言えますが(最初に「行殺」の存在を知ったのは、
あるMIDIサイトの掲示板だったので)

ライアーのサイトに上がっているMIDIデータ(88Pro専用)を聞いて「とりあえず曲は買いだな」と思ったくらいなので、どの曲も出来はかなりいいです。
和風に三味線なんかを多用してますがギャグになってないのは大したものだと思います。
また各キャラに通常テーマ曲とアレンジによるしんみりしたシーン用のテーマを用意しているのが面白いかな、と。
おかげで曲数は増えまくっていますが^^;
恒例のお気には「Afternoon Bleeze」「こんな静かな夜には」「剣舞囃子」辺りですね。
特に「剣舞」は88ProのAsiaドラムの“イヨォ〜”の掛け声をギャグ以外に使うのを初めて見ました。
某ソフトの「ドタバタでQ」と180度違う使い方です(笑)

効果音の方は数こそ少ないものの結構凝ってたように思います。
カモちゃん砲の砲撃音なんかは「そこまでこらんでも…」って感じでした。

シナリオとか
基本的に全編通じて史実のパロディになっているようなのですが、
私の新撰組知識というのは「沖田の三段突きは天叢雲をも折る」とか「土方はサンペリエ中将」とか「沖田の子孫は五段突きができる」とかそういった偏った知識しかないので、その辺はよくわかりません^^; 今度、詳しい人に貸して聞いてみます。

ですが、新撰組パロディの部分がわからなくても他の部分のパロディやギャグで十分笑えると思います。
というか、このゲームに関して言えばマニュアルが異常に充実していて
それを読むだけでも笑いの部分に関しては元が取れるとさえ言えます。
もちろん本編のセリフやらキンノーやらも笑わせてくれますが。

私としては単なるバカゲーで「ギャグやパロディはいいけどそれだけの作品」みたいな感想を書くことを楽しみにして(性格悪いなぁ)始めたのですが、意外や意外。
シンミリさせる場面やシリアスな展開がかなり多くてギャグ抜きで普通に遊んでもかなり楽しめます。
沖田・土方のEXシナリオなんかは特にそう思います。

こんなにシナリオがちゃんとしてるとは期待はずれのような、いい買い物させてもらったような……。
いや、普通に考えれば後者なんですけれども。
他のタイトルで言うとこのノリは「Lien」に近いかもしれません。
さすがにあそこまでの完成度はありませんけれどね。

総評
初回特典の致命的バグさえ取り除けば十分以上に楽しめるかと思います。
個人的にはパロディやOPがツボを突いてたので大満足です。
クイズの難度の高さ(私も初見では手が出ません^^;)もあって
自分としては2000年上半期の密かなお気に入りになってたりします(ぉぃ

まとめ。普通のソフトじゃ満足できない人に。
じゃなかったら新撰組大好き!だけど信者ではないレベルの人。
間違っても新撰組信者とかはやらないようにしてくださいねm(._.)m
……今度「燃えよ剣」でも読んでみようかな〜。

書いた時点での総プレイ時間 11時間35分(コンプ)
お気に入りのキャラ カモミール芹沢・土方歳江・おまちちゃん
お気に入りのセリフ 「激マジでラブってますんでぜひ!」

初版2000/07/31 最終更新2000/08/21