infinity〜∞〜(PS) | |||
メーカー | KID | 総合評価 | 80点(良作) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2000/03/23 | ||
シナリオ | 打越鋼太郎 | メモオフで広い層からの支持を得たKID。 新規開拓した購買層に評価されるだけの作品になっていることが求められた。 #広い層って「脳をゆすげ!」を笑う人とか?(マテ |
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キャラクターデザイン 作画監督 |
影崎夕那 | ||
サウンド | Takeshi Abo |
個人的エピソード |
循環と聞くと某作品が脳裏をよぎりませんか?(笑) あれは否定派が多いので、これはどうなのか気になって買いました。 まあ、最大の決定要因は影崎さんの絵ですけどね^^; |
内容 |
「僕は何度ここに来たのだろう」 それは、ありふれたゼミ合宿のはずだった。 ――あの「悪夢」を見るまでは。愛する人の死。 垣間見る予知……、まるで未来を経験したかのごとく。 ならば、あの「悪夢」もまた現実となるというのだろうか? そんな歴史を繰り返してはならない。 この永劫の輪から彼女を救い出さなければ! 繰り返す時間の牢獄、それを破るきっかけとは――。 (自前で編集したです) #どーでもいいけど、本編の一人称はオレなのになんで僕なの? |
システムとか |
ごくごくオーソドックスな選択肢分岐型のADVです。 ゲーム自体に関してはこれ以上の説明の必要を感じません^^; セーブ個所は2ブロック使用で50個可能とお得な仕様です。 読み返しもスキップもついていますが、これは若干使い勝手が悪かったかもしれません。 読み返しに関して言えばもうちょっと多くのログを読みたかったですし、 スキップが既読のみなのは構わないのですが、 選択肢が来るたびに□ボタンを押さなくてはならないのはちょっと面倒でした。 どうせなら自動スキップして欲しかったですね。 鑑賞系はCGと音楽鑑賞を実装。4キャラクリアして、“いづみ”が攻略可能になった時点で 各キャラの自己紹介モードが、さらにオールクリアすることでボイステストが加わります。 おまけ機能としては必要十分な量でしょう。 システム面については、初回版にはCDを交換するかメモカのデータを換えないといけない 致命的なバグがあったりする点を除いては^^;大筋では問題ないです。 |
絵とか |
影崎さんの絵は大好きです。単行本(成年コミック)もほとんど揃えてます。 そんなことはさておき、監督だけのはずが本人がかなり手を加えたというだけあって イベントCGの質も安定していますし、影崎さん本人が描いたのと遜色ない仕上がりに なっていると思います(「Memories Off」で挙げた残念だった点と比較していただければ幸い)。 難点を強いてあげるすれば、何となく膝上まで表示される立ち絵にはなじめないことと、 背景自体は丁寧なのに色調とかの関係で若干立ち絵が浮いてしまっているかなぁ というのとイベントCG枚数がちょっと少なめなことくらいでしょうか。 ま、イベントCGの出来がいい時点で大抵のことはどうでもいいですけど^^; |
音楽・音声とか |
音楽は決して悪くはありません。 ですが、他の要素と比べるとちょっと見劣りするような気がします。 ボリュームが小さめなこともあるとは思うのですが、ゲームBGMとしても主張が弱い印象を受けました。 とは言っても「Magic of true」「Once more」「Begining of Infinity」なんかは私のツボを突きました。 ……例によって「Once」はピアノ曲、「Begin〜」はシンセパッド使いまくりな曲ですけれど(爆) 音声の方は極めてレベルが高いです。どの方も安心して聴くことが出来ます。 あまり詳しくない私でも知っている実力派が複数いました。 くるみと遙が同じ声優さんなんて気付かなかったほどの演技力。 特に優夏役の川上とも子さんの酔った演技は必聴です。 実際に酔わせて録音させたのでは?と思わせるほどの名演技なので^^; |
シナリオとか |
面白かったです。 まあ、タイムスリップとか循環とかをネタに使われた時点で個人的には降伏なんですけど、 それを取っ払っても楽しめるシナリオだったと思います。 何よりよかったのは主人公とのシンクロが容易な点でしょう。 好きになった相手が予知夢のままに死んでしまった→なぜか再び「夢を見た日」に戻っている →今度こそは歴史を変えて彼女を救ってみせる!という経緯は誰にでも納得できるものではないかと。 さらにこの手のゲームではしばしば主人公の思考についていけなかったり、 「なんでお前はそんなことにも気付かない?」とか「なんでそんなこと知ってるんだよ」 というようなツッコミを入れることが起こりがちですが、この作品の主人公にはそういうことがほとんどありません。 持っている情報量もそこから導き出す答えもプレイヤーに近いです。 この点だけで某作品よりも上ですね(笑) シナリオ自体もキャラごとに絡み合ったり、しっかりと伏線が細かく張られていて非常に楽しめました。 正直もっとSF色が強くて難解なオチがあるかと思っていたのですが、そんなこともありませんでしたし。 (というかネタバレ覚悟で書けばオチそのものがありません^^;) ただ、他の4キャラをクリアしないと攻略できない”いづみ”に関してはちょっと思うところも…。 面白いことは面白いのでいいんですけど。 <以下ややバレ> あのEDはどうなんでしょうか。 たしかに物語の完結という意味ではあれもまた終わりの形ですが、 循環とそこからの脱出という形式を否定してしまっては、 それはもはやこの作品のシナリオとは呼べないのではないか、などとキツイ考えを抱いてしまいました。 <ネタバレ終わり> あと…結局「鈴」とか「合宿の目的」が不明なままなのが残念だったかなぁと。 未解決の謎オチのないSF要素にはガッカリですが、その点さえ除けばとても面白い話だと思います。 DC版ではその辺りが解決……されたんでしょうか? やってないのでわかりません(^^; |
総評 |
「Memories
Off」とこれで私のKIDに対する評価は大きく変わりました。 最近では次回作の発売がちょっと楽しみになっていたり^^; まあ、十分に楽しめる完成度だったということです。 70点か80点で迷ったけど「Moff」よりは上なので80点です。 まとめ。タイムスリップ系のネタが好きなら。 シナリオにおける主人公とのシンクロ率はかなり高い部類に入るかと思います。 狙ってこの情報量の均等化をやったなら、シナリオさんは大したもんです。 とりあえず、このシナリオさんには注目ってことで今回はこの辺で終わり。 |
書いた時点での総プレイ時間 | 19時間40分(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 守野くるみ | ||
お気に入りのセリフ | 「だけど『ありきたり』って、すごく幸せなことだと思うんだぁ…」 |
初版2000/07/20 最終更新2001/02/23