化石の歌(PC) | |||
メーカー | âge(アージュ) | 総合評価 | 60点(及第点) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2000/01/28 | ||
シナリオ | 木間田都摩耶 | なんだかこの頃から月末発売ラッシュが 始まった気がするのですが、記憶違い ですか? このゲームの話題自体が思い つかなかったので、これで勘弁です(^^; |
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キャラクターデザイン | 南風麗魔 | ||
サウンド | 渡来亜人 |
個人的エピソード |
私はメイド洋館ものだと思ってました。ネコ耳も出てきますが^^; 広報展開がうまくいった証拠なのか否なのか不明ですけれど。 |
内容 |
謎を秘めた館 ―――不幸であることが普通な時代の寓話 過去の記憶を持たないエミール。 彼は共に倒れていた彼を兄と慕う少女プリエと共に、ある館のメイドに拾われる。 館の主人に「人形」を調律する才能を見とめられ館に置かれるエミール達。 調律空間と現実空間との往復の中、徐々に浮びあがる記憶の断片。 やがて知る、館で夜毎に行われる倒錯した肉欲の宴。 そして、その魔手はプリエにまで伸びていく。 ――やがて、宿命の動輪が回り始める。 (自分で編集して書きました^^;) まあ、「自分が蝶になった夢を見ているのか、それとも人になった夢を見ている蝶なのか」 っていうPCエンジェル攻略記事に書いてあったコメントがかなりネタバレ気味な内容を示してます(爆) |
システムとか |
一般的なADV…と書きたいところですが若干趣が違います。 会話などのシーンでの選択はほとんど皆無で館のどの部屋に行くかという選択が多くを占めています。 1日はMatin、Apres-midi、Soir、Nuit(フランス語ですね)の4パートに分かれていてそれぞれ数回ずつ移動可能。 このうちSoirに関してはほとんどが「調律」(人形=ホムンクルスみたいなものの教育)で終わります。 あとの時は、館の秘密や自分の記憶を求めて動き回るわけです。 この時移動可能な場所はシナリオ進行状況に合わせて制限がかかりますが、 あまり無駄な動きはできないフラグ管理になっているので難易度は高めです。 イメージとしては「同窓会」の移動シーンでしょうか。 それをイメージしていただければ難易度的にも間違いじゃないと思います(^^; 読み返し機能はありませんがスキップは既読スキップと選択肢までの強制スキップとの両方がついています。 セーブ数は10個。まあ十分な数でしょう。 鑑賞系はCGと音楽とがありますがHシーン回想がないのは残念です。 なかなかボリュームのあるHシーンだったので(爆) |
絵とか |
塗り・原画ともに若干クセがあるように思います。万人受けは辛いかも。 私としては嫌いじゃない雰囲気なんですが、まだ描き方が安定してないような。 背景はセピア調で統一されていて落ちついた雰囲気。描きこみも十分です。 しかし、このゲームのグラフィック回りで特筆すべきなのはCGの出来よりもむしろ画像効果の数々でしょう。 コンシューマ作品と比べても決して見劣りしない効果を平然と行っているのには驚きました。 ADVという1ジャンルに限定すればここまでの演出には滅多にお目にかかれません。 画面にノイズを走らせたり歪ませたりモザイク処理をしたりと様々な趣向がこらされています。 そして何よりそういう処理をしても重くないのが素晴らしいです。 我が家の環境(MMX200・VRAM2MB)で快適というのは好印象ですね。 プログラムが優秀なんでしょうか? #世のメーカーに見習ってほしいもんです(爆) |
音楽・音声とか |
音楽はCD-DAで演奏。全体として無難にまとまっていると思います。 メインテーマの「化石の歌」はなかなかいい曲だと思いますが、 高音域にまとまっている印象が強いのでヘッドホンなどで聞くと耳が疲れるかもしれませんね^^; あと館の移動シーンの曲にチェンバロが使われていて「クラシック調で珍しいな」と思っていたらサウンドモードで作曲者がバッハになっていたのが印象的でした(爆) 著作権フリーだから使うこと自体には全く問題はないんですが……。 音声の方は質・演技ともに標準レベルだと思います。 ちょっとキャライメージより幼い感じの声質の方が多い気もしましたが^^; 音声はMP3形式に圧縮されているようですがデコード処理を行っているわりには音飛びなどもなく、 容量が抑えられるので正解だったのではないでしょうか。(フルボイスなのに200MBでお釣りが来ます) 効果音は数自体は少ないですが使い方はなかなかでした。 画像効果との組み合わせがうまくいってる感じでしたね。 |
シナリオとか |
“内容”を見ていただければわかるかもしれませんが、館ものではなくSF的な内容です。 そしてSFにありがちな問題としてかなり難解です^^; というわけでこの項目はもの凄く書きにくいです。 シナリオの出来としては主人公の独白がほとんどで、 しかも考え方がまどろっこしいために無駄に長い印象がなくもないですが特別悪いわけではありません。 私個人としては今一つ彼の思考に着いて行けないという難点がありましたが。 “ヴェールカ”に対して様付けの時とそうじゃない時がコロコロ変わるのには戸惑いました^^; で、シナリオ内容とそこに潜む大きな問題です。 現実と重なる部分を含む仮想空間に行ったり、現実空間での探索を通じて徐々に記憶を取り戻して行くわけですが、その繰り返しのうちに「この館も“仮想空間”なのではないか?」という考えに至ったりとある意味お約束を踏襲しています(ぉぃ 難解ながらもこのようなシナリオの雰囲気は悪くないのですがもっと根本的な部分で私は疑問を感じました。 それというのはシナリオの根底にある設定です。 ゲームをコンプリートしても不可解な(説明されない)部分が相当数残るのです。 プレイヤーに説明されない部分に関しても、 ゲーム終盤で記憶を取り戻した主人公エミールは理解してしまっているので完全に置いて行かれてしまいます。 マニュアルに「クリア後にお読みください」と書いてあるストーリー解説の部分を読めばちゃんと(裏設定まで含めた、おそらくは作品中のエミール以上の知識が)わかるので問題ないと言えば問題ないのですが、ちょっと釈然としないものがあります。 #例えば“マリーツィア”と“プリエ”の関係とか……ね #もしお暇ならそれぞれ露日辞典と仏和辞典を参照してください というわけで話の内容より話の作り方が問題かな、と思います。 まあ、これで終盤が回想と設定解説の嵐になったらなったで不満に思うでしょうから バランスは難しいかもしれませんが。 ひょっとするとこれもコピー対策の一種なんでしょうか?(核爆) CD-Rだけ焼いてマニュアルはいらないって人も多いでしょうから^^; あっ、フォローしておくとシナリオ自体はなかなか面白かったですよ。 やり方が好きになれないっていうだけで。 |
総評 |
雰囲気的には面白いし、大きな不満はありません。 SFが好きな人ならやってみるのもいいかもしれません。 ただ難易度、シナリオ内容ともに人を選ぶと思うので攻略情報を仕入れた後に遊んだ方が楽しめそうです。 あ、それからプレイする時には絶対マニュアル付きの環境で(笑) まとめ。深読みが好きな人なら^^; あとは海外SFが好きな人向け、かな?(根拠はありませんが) まさに60点といったソフトでした。書きにくいことこの上ないです。 ここのプログラマーさんは優秀だなあというのが最大の感想だったりします(爆死) |
書いた時点での総プレイ時間 | 9時間40分(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | マリーツィア・イスファーナ | ||
お気に入りのセリフ | 特になし #「難解」と「奥深い」は微妙に違うと思ったり(^^; |
初版2000/03/24