恋ごころ(PC) ※ディスク2枚組
メーカー RAM 総合評価 70点(佳作)
ジャンル ADV
発売日 2000/10/06
シナリオ まにゃ 前作から1年以上かけて作ったRAMの2作目。
2作両方の登録葉書を送ると参加できる
「愛 for YOU」キャンペーンが話題に…なったかな?
原画 非公開
サウンド VWN


個人的エピソード
なんで買ったのか実は自分でも思い出せなかったり(ぉぃ
多分、前作「ねがい」の評判が割と高めだったからだと思いますが…。

内容
遠い記憶の中で垣間見た炎の揺らめき…。
運命という名の因果につむがれた出会いが
幾千夜を超えて、また一つの時を刻み始める…。

武者修行を兼ねた旅の途中…。一人の導士がその村を訪れた。
初めて訪れるはずの村に感じる不思議な懐かしさに誘われ、
しばらく腰を落ち着けることにする。
しかし、主人公が少し村を留守にした際、村が野盗達に襲撃された。
一人で出来ることの限界と自分の無力さを痛感した彼は、
コレを機に己の修練も兼ねて弟子をとる。
…弟子を育てるコトで得る成長があるはずと考えてだ。
そして彼の元に集まる4人の少女達…。
しかし時を同じくして、村の周りでは奇妙な出来事が起こり始めていた。
…それは200年前の悪夢の再来。その予兆だった…。
(マニュアルより)

システムとか
必要容量は770MB/1.1GBのいずれかを選択。どっちにしても大容量です。
選択肢分岐型のADVで、ビジュアルアーツ謹製のAVG32で動作します。
いつもながら安定してますね〜。

セーブ数は16個。
難易度が狂ったように高いので、攻略を見ないのであれば絶対に足りないと思います。
大人しく攻略見ましょう。

攻略記事を見てもどれがフラグなのかよくわからないほどの難易度なので(^^;
複数キャラが関わるイベントが多いこと・どちらを選んでも露骨な反応の差がないこと等が原因として考えられますが、これほどの難易度にする意味があったのかは疑問です。

スキップは既読スキップを用意。ただし、Ctrlキー押下による強制スキップも可。
バックログはPageUp、PageDownキーで操作。約120ページの読み返しが可能です。

なお、鑑賞系はCG・動画・BGM鑑賞が用意されています。

絵とか
原画さんは非公開ですが、多少クセがありますね。
万人に受けるかどうかは微妙です。私はちょっと苦手。

ただ、塗りなどの水準はかなり高く、光の描き方は特に上手かったです。
また立ち絵がかなり豊富なのもよかったですね。
コメディタッチのシナリオも相まって表情変化だけでも十分楽しめました。

さらに特筆すべきこととして、背景の異常なまでの綺麗さがあります。
「痕」などで有名な“鳥の”さんなどが手がけているのですが、
過去私がプレイしたソフトの中でも背景に関してはトップかもしれません。
渓流の画像などは見ていてため息が出そうなほどでした。

各種効果も良かったと思いますが、呪文効果アニメーションが入るとスキップが止まってしまうことと
Hシーンアニメーション時にクリックをしないと先に進めないのは不便に感じました。

CG枚数は125枚(重複除く)。十分な量だと思います。
8種用意された動画に関してはあまり意味が無かったような気がしますが(^^;

音楽・音声とか
音楽はWAVE形式で収録、全17曲。うち2曲がボーカル。
44.1KHz、16bit、ステレオで収録されているがゆえに容量が大きくなったのでは(^^;

全体としてもかなり良質ですし、何曲かは抜群に良かったです。
…そう言えば冬コミでアレンジCD売ってたよなぁ。聞いてないけど(マテ

お気に入りはOP「恋ごころ」、「spritual」、「詩〜Instrumental version〜」
挿入歌「Pray〜倖せを〜」あたりです。
特に「Pray」は使われるシーンも含めて素晴らしかったのではないかと。
そういえば、「詩」のボーカル付きとかって…ないよね?(笑)

音声はメインキャラのみフルボイス。
演技についてはキャラによって分かれます。
シャオ・ルゥ・フェイユンあたりの演技は良かったと思いますが、リリカはイントネーションにおかしな点が見受けられ、シアンは演技はともかく割舌悪すぎです。
でもまあ、総じて見れば水準やや上といったところでしょうか。

シナリオとか
世間でのかなり高めな評価が示すように、質は高めだと思います。

まず、個性的すぎるキャラクター達によって織り成されるコミカルな日常イベントが
とにかく面白くて大いに笑うことができます。
特にフェイユン関係のイベントにはハズレなし、といってもいいでしょう。
さすが関西のブランド、どつき漫才を見ているかのようです(笑)

また終盤のシリアスパートへの伏線も早目から張ってあったりという丁寧な作りには好感が持てます。

が、共通ルートである日常部分がかなり長く、繰り返しプレイするとダレてきます。
また、それに比して個別ルートでの伏線回収・シナリオ展開が早すぎたかと。
両パートの接合がうまくいっていないというか、多くのヒロインのシナリオで、個別シナリオに入って急に雰囲気が変わったかと思うとすぐに終わってしまう印象を受けたのですが…。

シリアス部分も依然なかなか読ませてくれますが、質の高さの割に若干バランスを欠いたような気がします。

しかしながら、そのバランスの悪さが解消されているルゥ/シャオシナリオはかなりいい出来と言えます。
ルゥシナリオの終盤なんかは良かったですよ〜。
挿入歌聞きながらちょっとグッと来ちゃいました。

――追記
ルゥの「しあわせの国2」EDは普通絶対見つけられませんよ。
なんであれだけWindowsの日付設定に依存してるんでしょう?
本編の超絶難易度も含めてよくわかりません。

総評
2つのパートを別々に見ればかなり高水準なんですけどね。
共通パートを前後半にわけて管理しているんですから、共通パート後半部ではコメディ部分を減らしてシリアスな路線にウェイトを置いたらもっと自然な繋がりになったのではないかと。
そしたら、もっといい評価になったのに…。

まとめ。丁寧に作られたものの佳作。
良作・名作になれる可能性を秘めていただけに実に残念。
次回作に期待します。ただし、難易度は控えめで(^^;

書いた時点での総プレイ時間 18時間40分(コンプ)
お気に入りのキャラ ルゥ・リリカ
お気に入りのセリフ 特になし

初版2001/03/29