Lien〜終らない君の唄〜(PC) ※ディスク2枚組 | |||
メーカー | Purple | 総合評価 | 75点(佳作〜良作) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2000/01/28 | ||
シナリオ | 荒川工 | 2000年は口こみで売れるソフトが多かった 年ですが、1月発売のこれが最初だったかと。 でも総売上自体は大したことないんですよね …もっと頑張れライトユーザー! |
|
キャラクターデザイン | 山いもとろとろ | ||
サウンド | 石原みなみ |
個人的エピソード |
世間様の評判を聞いて購入。 多くの死にゲー同様、同調できないのではないかと不安でしたが(^^; |
内容 |
ほんの「偶然」で事故に遭い、ぼくを取り囲むのは、 4人と1人の女の子。 …ほんの「偶然」で事故に遭い、ぼくの魂は現世に残った。 でもその「偶然」を、今は「幸運」と思っている――― (メーカーWebページより) |
システムとか |
必要容量は280MB。基本的には選択肢で分岐する一般的なADVです。 毎日、学校内の何処に行くかをマップで選びますが「どこに誰がいるか」が表示されるので この部分で悩むことはないでしょう。狙っているキャラに会いに行けばまず話は進行します。 そういう意味では楽です。その分、会話の選択肢は難しめになっていますが^^; 読み返し機能がないのはともかくとして、スキップ機能が不十分に感じました。 次シーンまでの(次選択肢までではない)強制スキップは付いているのですが、 できれば既読スキップを付けてほしかったものです。 まあ、次シーンまでのスキップも使いこなせばそれほど不便ではありませんが。 セーブ数は10個です。もうちょっと多くてもよかったかと。 おまけはCGと音楽の鑑賞モードが付いています。標準的と言えます。 |
絵とか |
塗りはなかなか丁寧です。原画は多少好みが分かれるかもしれませんが、 わりと一般受けする絵柄かとは思います。 立ち絵とイベントでキャラの感じがだいぶ違うのでそこをどう捉えるかが問題かも^^; それ以外の特徴としては立ち絵の少なさでしょうか。 各キャラ服装ぶんの枚数しか用意されていません(制服と私服)。 普通これだと不満が出るものですが、このゲームの場合セリフ時に表示されるフェイスウィンドウの種類が豊富で 視線がそっちに行くためほとんど気になりません。 またイベントCGとは別にちょっとコミカルなシーンで表示されるミニウィンドウでのCGもいい感じです。 わざわざイベントCGを用意するほどじゃないけど、立ち絵&メッセージではちょっと寂しいかな、という場面で 効果的に挿入されています。 この辺りは労力の節約と演出面とを上手く両立したいい方法なんじゃないかと思いました。 |
音楽・音声とか |
音楽はPCMをDirectSoundで再生しています。 我が家の貧弱な環境(といってもメーカーの推奨環境は満たしていますが^^;)だとわりと頻繁に音飛びするので 正確な評価はできませんが、水準といったところでしょうか。 他の要素の出来と比べると若干劣ると思います。 個人的にこの手のゲームで一番重要だと思っている悲しげなシーンの曲はお気に入りです。 ギターがいい味出してます。 音声についてですが…まず聞き取れません(爆) 音声データそのもののボリュームレベルが低すぎてBGMを鳴らしていると聞こえなくなってしまいます。 特に“若葉”の声ではそれが顕著でした。 ここのプログラムを使えば聞こえるようになります。余分に600MB近く食われますが^^; で、聞いた結果ですが演技の方は普通かもしれません。 キャラには合ってるように思うので問題ないのではないでしょうか? 私としては“若葉”の声を聞いてなんで同社の「かすみ遊戯」でかすみ語を話す人が 続出したかの謎が解けました(“若葉”と「かすみ〜」の“かすみ”は同じ声)。 ……あの声は破壊力高いですよ。 |
シナリオとか |
まず最初に笑えます。ギャグがかなり優秀です。 シナリオに笑いを求める人なら買って損することはありえないでしょう。 こんなにプレイヤーを笑わせてくれる主人公は折原浩平@ONEと北倉志郎@Lienくらいのもんです。 さて、本題。 序盤のギャグでプレイヤーを引き込み、終盤に行くにつれて徐々にシリアスになっていくというある意味でありがちな展開をするのですが、このシリアスパートも凡百のものを大きく凌駕しています。 「主人公が幽霊=不確かな存在である」という基本設定をしっかりと料理しているのは好印象です。 「接触可能なのはともかく、感覚だけじゃなく肉体にまで影響を与えられるのか?」とかそういう疑問もありますが、 その辺は流すことにします^^; 幽霊というこの世ならざる存在である主人公とヒロインの間にはやがて必然的に別れが訪れるわけですが、 この後のEDも安易なご都合主義(どのキャラとも生まれ変わって再会、みたいな)ばかりでまとめてはいません。 ただ私はわかりやすいハッピーエンドというものが好きなので、若葉や柚EDが好きですけどね。 また特徴として挙げられるのが地の文にカッコ→(こういうの)←を使って補足するというテキストでしょうか。 このカッコの補足が実にいい味を出しています。 例えば、以下のような感じです。 “God Bless You...”(欧米人男性のささやくような声で) 下手すると文章能力が低いの一言で切り捨てられるスタイルですが、 セリフだけにしたり補足分を地の文に書き加えるよりも手短で効率的に機能しています。 セリフをウィンドウ内に表示するタイプのゲームでしかできない(やってはいけない)文章形式ですし、 ユニークな方法だと思いました。 と、ここまで褒めちぎってきましたが難点がただ一つ。 終盤に入ったあとイベントとイベントの間のマップ移動はいらなかったのではないでしょうか。 それがあったおかげで気持ちが日常に戻ってしまって終盤今一つ入りこめませんでした。 それさえなければ絶対にもっと評価が上がったと思うのでその点のみが残念です。 |
総評 |
不満らしい不満は音声の小ささとシナリオで挙げた点のみ。 とても良質でしっかりとまとまっています。 期待して買った私でこの点ですから人によってはもっと高いでしょう。 80点クラスの完成度なんですが終盤の日常に引き戻されてしまった点でマイナスして75点としておきます。 ギャグ系シナリオが好きならやって後悔することはまずないので安心ですね。いい買い物しました。 |
書いた時点での総プレイ時間 | 16時間15分(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 楠若葉・青葉 | ||
お気に入りのセリフ? | 涙の数だけ強くなれれば今頃、俺は無敵だな 生粋のポエム無頼派であるところの俺が伝奇アクション!? |
初版2000/04/12