まほこい〜エッチな魔法で恋×濃しちゃう〜(Win) ※DVD-ROM | |||
メーカー | アトリエかぐや(Berkshire Yorkshire) | 総合評価 | 60点(及第点) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2004/02/27 | ||
シナリオ | 神無月ニトロ・さんきち・もみあげルパンR 速水漣 |
「妹汁」「ドキドキお姉さん」で知られるアトリエかぐやBerkshire Yorkshireの新作。前作とは打って変わって再びロリ路線に戻してきたことが話題に……というほどの話題は特になかった気が(ぉ | |
原画 | choco chip | ||
サウンド | 吉田仁郎 |
個人的エピソード |
原画さんの絵はそれこそ「妹汁」の頃から好きだったので買ってみました。 雑誌などの紹介を見る限りコメディとしてなかなか面白そうでしたし、 純愛ルートだけじゃなく魔法でトラブルを起こすことで濃厚なHも楽しめるというのも ありきたりなコンセプトながら密かに期待していたのですが……(^^; |
内容 |
父の仕事の関係で故郷に再び戻ることになった主人公と妹の日菜乃。 引越しの荷解きの休憩にピザ屋へ電話したつもりが… 天井に大穴をあけて届いたものは半人前の魔法少女だった!! 「ごめんなさい。天井すぐ直します〜」 と、使ったその魔法が大失敗、手伝いに来ていた葵に茜、妹の日菜乃、 そこに居た女の子全員が魔法少女になってしまったから、さあ大変! 主人公は主人公で「エッチなことを引き起こす体質」になったと言うし その上、この体質のままだと恐ろしい悪影響が出るらしい!!! 解毒には誰かを一人前の魔法少女にして完熟魔法で解くしかないと言うのだ! 妹、幼なじみ、同級生を巻き込んでマジカルエッチな生活が始まった! (パッケージ裏より) |
システムとか |
必要容量は680MB、1.06GBのいずれかから選択。 フルインストールすればディスクレス起動も可能なのでそちらがオススメです。 ゲームは1日2回マップから移動先を選択することで進行します。 マップを見ればどこにどのヒロインがいるかは一目瞭然ですし、純愛の「恋」ルートと鬼畜の「濃」ルートへの分岐は移動した先で起こるトラブルに対しての対応で単純に2択分岐するだけなので、単純にエンディングを回収するだけならば特に苦労することはないかと思います。 1個のセーブデータで効率よくプレイしようとしたり、アイテム(マップ中で拾うことができそれぞれ特定ヒロインの「濃」ルートでのHバリエーションを増やすことができる)を使ったHを効率よく回収しようとすると少々面倒になるかもしれませんが。 セーブ数は30個。 これだけでも十分事足りますが、この他にファイル生成式の拡張セーブも用意されています。 少なくともセーブエリアが足りないということはまずないでしょう。 スキップは強制/既読をオプションで設定し、スキップボタンで実行という方式。 Ctrl押下での強制スキップにも対応しています。 速度的にも十分で特に問題などはなかったように思います。 バックログは……精査していないので「少なく見積もって200ページ以上」とさせてください(^^; しっかりと確認したわけではありませんが、どこまででも戻れる可能性もあります。 音声リプレイも可能なタイプでこれについても文句なし。 鑑賞系は定番のCG・BGM鑑賞とシーン回想が実装。 シーン回想ではHシーンのほかシナリオ中の主要イベントを確認可能です。 読んでいただければわかるように定番の機能は一通り用意されています。 また必要時以外は各種ボタン類をメッセージウィンドウ下部に隠してしまう(ちょうどウィンドウズで「ツールバーを隠す」設定にした時のように)というのは操作性を保ったまま、ウィンドウをすっきりさせるなかなか良いアイデアではないかと。 最初マニュアルをよく読んでなくてツールバーの存在に気付きませんでしたけど(^^; |
絵とか |
原画さんはもうこのラインではお馴染みの方。 ちょっとロリ寄りではありますが、かわいらしい絵柄でかなり万人受けするのではないでしょうか。 かく言う私も好きな原画さんの1人です。 お姉さんキャラを描くこともありますけど、個人的にはこれくらいの年齢層が一番絵柄に 合っているような気がします。 いえ別に私がロリだとかそういうことではなく(爆) 原画・塗り共にレベルは高めにまとまっていて基本的には全然不満はないのですが…… やっぱり絵柄的に可愛すぎてエロには向かないという印象を受けました。 シナリオ感想のコーナーでも後述しますが、このゲームには触手などかなり倒錯したエロ、あるいはグロに近いようなHシーンが含まれています。 私がそういった趣味がないというのもあるのかもしれませんが、この絵とそういうシチュエーションは全くと言ってもいいほど合いません(^^; もっと肉感的・扇情的な絵柄――例えば同社のM&M氏のような――ならば、あるいはこのシチュエーションでも似合うのかもしれませんが……。 「恋」ルートの方にはピッタリなので、やはり適材適所というのはあるのではないかと。 ゲームの方向性か絵師の起用か、どちらかをもう少し考えて欲しかったところです。 (私がどちらを考えて欲しいと思っているかは書くまでもないと思います) 枚数は鑑賞モードによれば105枚(パターン違い除く) ゲーム全体のボリュームを考えれば数量としては十分でしょう。 この際、全体の約25%が触手とかそういう個人的な不満は置いておくことにします(ぉ ……って置いておけてないですね。反省。 まあ嗜好やアブノーマルCGの比率はさておいてもイベント絵が必要そうなところには大抵用意されていたと思います。 |
音楽・音声とか |
BGMはWAVで収録、全18曲。ボーカル曲はありません。 ゲームの方向性が基本的にラブコメ路線なので、それに合わせてポップな曲が多かったです。 質的には…………まあ無いよりはマシか、というのが本音(暴言) 聞いていてノイズとまでは思いませんでしたが、良いと思った曲も特にありませんでした。 極限まで好意的に解釈すればBGMに徹しているとも取れますが……、素直に「良くも悪くも印象に残らず」と言うべきでしょうね(^^; 一方のボイスに関しては…このキャストで文句を言うヤツがいたら見てみたいです(笑) フルボイスの女性キャラを演じるのは北都南、鳩野比奈、金田まひる、萌木唯、青山ゆかり、乃田あす実というおよそ18禁ゲーム業界で考えられる範疇ではトップクラスの面々ばかり。 キャラクターにも合っていましたし、演技も全く問題なし。 シリアスな部分から陵辱Hまで終始安定して演技のレベルは高かったのではないでしょうか。 |
シナリオとか |
エロ≠グロであることを理解すれ。 いやもう本当に企画の人には小一時間と言わず、何時間でもこの説教をしてやりたいです。 と前置きしたところで本題へ。 このゲームはサブタイトルにもありますように恋愛重視の「恋」ルートと、エロ(陵辱)重視の「濃」ルートとに二分されます。 この2ルートははっきり言って別物といっても差し支えないほど違うので、私の感想もルートに分けて記述することにしましょう。 まずは「恋」ルート。 (以下では便宜上共通ルートも「恋」ルートという扱いで書いていきます) 序盤〜中盤にかけての共通ルートについてはどのキャラも立っており、キャスト陣の 熱演も相まって非常に良かったように思います。 少なくともスラップスティックが好きな方なら大抵は満足できるのではないでしょうか。 大笑いするようなタイプのシナリオではありませんが、終始おバカなノリで思わずクスッと笑ってしまいました。 元々萌え系のドタバタラブコメを期待して買った私としてはこの点には大満足。 で、このゲームはその共通ルートの中、マップ上で女の子に会うと必ず起きるちょっとHなイベントの際に、ヒロインを大事にするような選択をすると蓄積される「完熟ゲージ」(キャラごとに蓄積)が最初に5ポイント溜まったキャラの個別シナリオに進むわけですが。 その個別シナリオは悪くはないですが、キャラによって質にかなりの差があります(^^; 一部の例外を除いて個別シナリオは概ねシリアスな話で、かつストーリーとしては王道もいいところのお話ばかりなのですが、その見せ方に大分巧拙の差が出ていたように感じました。 具体的には幼なじみの葵やメインヒロインの茜は王道ながらもなかなか上手に見せていたのに対して、ショコラや日菜乃は単純に安直なだけの話だったように思います(ぉ この辺り複数ライターによる分業にはつきものの問題ですが、何とかして欲しかったところ。 さて、「恋」ルートに対してもう一方の「濃」ルート。 Hイベントの際に魔法で起きたトラブルに便乗するような選択をすると蓄積される「ダークゲージ」(全キャラ共通で蓄積)が6ポイント溜まると進めるこのシナリオ。 濃いHを見せたくて追加したのだとしたら率直に言って失敗です(´Д`; 世の中にはそういった趣味の方もいらっしゃると理解した上であえて書きますが、 触手Hを「濃いHだ」と喜ぶユーザーは間違いなく少数派ですよ? 純愛Hの2倍も触手Hシーンを用意されても何のゲームなんだか…という感じが。 というわけで私には全く合わないルートでしたが、その辺りを割り切って見れば シーンの数量は結構ありますしマップ移動時にアイテムを入手することでムチで打つなど Hシーンの幅を広げることもできたり、とそれなりの満足は得られるのではないかと。 また「ただの触手Hじゃ満足できない」という方は、マップ移動時に入手可能な「銀の鍵」と「金の鍵」というアイテムを使うことでさらに倒錯したHシーンに辿りつくこともできますので、そちらをどうぞ。 浣腸と魔法の融合、という新次元のHシーンが貴方を満たしてくれることでしょう。 …………正直私としてはエロではなくグロかギャグにしか思えませんでしたが(苦笑) 上記のように「恋」ルートにも長所・短所はありましたし「濃」ルートも初めからそういうものだと割り切ってしまえば、評価できるポイントもあります。 が、2ルートを同時に盛り込む必要が皆無というのが最大の欠点(´Д`; お互いでお互いを潰しあってもったいないことこの上ありません。 |
総評 |
エロゲで「純愛も陵辱も」って言うと大体失敗するのはもはや定説ですね(笑) いっそエロはもう一方のラインに任せてBerkshire Yorkshireは萌え系で突っ走って欲しいです。 まとめ。二兎を追わなければもっと上まで行けたかもなゲーム。 個人的には葵のシナリオで思いっきりニヤニヤさせてもらったので、気に入っていますけど それでも「濃」ルートとの並存や一部シナリオの出来を考えるとこのくらいの評価が限界。 葵と茜の「恋」ルートだけなら70点、「濃」ルートで-5、ショコラと日菜乃で-5ということで。 |
書いた時点での総プレイ時間 | 11時間30分(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 鳴瀬葵 | ||
お気に入りのセリフ | 「誠志に――私の知らない時間あるの、やだ…」 |
初版2004/06/12