Memories Off(PS) | |||
メーカー | KID | 総合評価 | 70点(佳作) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 1999/09/30 | ||
シナリオ | 未調査 | 脳をゆすげ!の名言や主人公の 奇妙な行動でなんだか変に有名に なった印象が(^^; …悪いソフトじゃないと思うんだけど。 |
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キャラクターデザイン | ささきむつみ | ||
サウンド | 阿保剛 |
註:比較広告のような表現が多発することを初めにおことわりしておきます
個人的エピソード |
正直、不安でいっぱいでした。だってKIDですし(^-^;) 昔、SS版の「Piaキャロットへようこそ!」ではCVの合わなさに苦悶させてくれたり、PSの「輝く季節へ」では私の中のONE像を粉砕してくれたり(飯塚雅弓さんのみずかの声は凶悪でした。あと画面全体の暗さもダメダメ)…とまあ、有り体に言って信用の低いメーカーだったんです。 で、まあ結局絵に惹かれて買ってるあたりダメなんですが(^-^;) 半ば以上地雷を覚悟しながら、「あのダメ移植をしたKIDがONEを研究して作ったというのはどんな出来になるのか?」という好奇心で買ったようなもんです。 |
内容 |
「かけがえのない想い…みつけた」 主人公はありふれた毎日を過ごす高校生。 この制服に身をつつんで2度目の秋を迎えるまでは、 そんな毎日に疑問を感じたことはなかった。 しかし彼は魅力的な少女たちとの出会いを通じて、 自分の中の変わりゆく感情に気づきはじめる。 その変化が彼にもたらすものは… ―――せつなさ彩る恋愛アドベンチャー (パッケージ裏より) なんつうか「せつなさ〜」の部分を「心に届くADV」とか「思い出に還る物語」とかに替えても 全然違和感がありません(核爆) |
システムとか |
極めてオーソドックスなADV形式です。 ウィンドウに表示されるメッセージを読みながら時折表示される選択肢に対して答える…という形式になっています。 メッセージの表示速度の変更はできませんが丁度よいくらいの表示速度なので別に困らないと思います。 私は別に気になりませんでしたが、「画面が明るくて時折メッセージが見づらい」という意見もあるようです(^-^;) また、文章スキップも既読スキップ・強制スキップが用意されています。 前者には「選択肢まで辿り着いたらまたスキップボタンを押さないといけない」、後者には「押しっぱなしにしないとスキップしない」という欠点はありますが、スキップ速度は超高速(PSでは最速級)なので十分便利だと思います。 読み直し機能も付いていますが、20ページしか読み返せないのでこちらはあまり利便性は感じませんでした。 鑑賞系はCG・BGM鑑賞が用意されています。当然ながらシーン回想はありません(ぉぃ システム面での特筆すべきはセーブ数の多さでしょう。 具体的には2ブロックで80箇所のセーブが可能です。 また見たいイベントなどがある時は非常に便利でしょう。 |
絵とか |
まあ、キャラデザがささきさんというのが購入動機として大きかったわけでこれで期待しないわけがありません。 塗りに関しては特別言うことはないです。 特別凄い塗りでもないですし、酷い塗りってこともないと思います。 ただ、本当はこういうことは書きたくないんですがキャラデザと原画が違うのがネックになっています。 実際キャラデザさんとは別に複数名の原画さんがいる(早い話アニメと同じ構造)ことで絵にかなりばらつきが出てしまっています。かなり元絵に忠実なものもあればキャラの命とも言うべき「目」が違ったり、体のバランスがおかしかったりという困ったものもありました。 このばらつきはイベント絵(特に「唯笑」なんて終盤イベントで悪い方が出現^^;)にも存在するので結構悲しいものがあったりします。 とは言っても「下手」までいってるものはありませんけどね。 あと惜しいのは立ち絵の少なさです。 1人につき4〜5種類(制服時。私服時も同数)しかない(ように感じました)のでちょっと「ここでその顔は違うだろ」みたいなシーンも。 大きな立ち絵(近くに寄った時などに表示されるバストアップCG)なんかは結構効果的に使われているので、もう少し通常の立ち絵にも気を使って欲しかったところです。 |
音楽・音声とか |
BGMは…まあ及第点以上なんじゃないでしょうか。 聞いた感じ「凄くいい」とは思わないまでも、十分印象に残りました。 とりあえずED曲・日常シーン・「詩音」・悲しいシーンの曲は個人的には気に入りました。 (特にED曲「Memories Off」は私のツボを突いてくれました) 音声の方はかなりフルボイスに近いです。(どうでもいい端役以外は全て喋ります) で、CVの方なんですが私が無知なのか知ってる方は2人しかいませんでした。 演技の方はまあ大丈夫だと思います。1人を除いては(爆) 「彩花」の声だけはどうにかならなかったんでしょうか? キャラごとにOn/Offを使い分けられたら私は間違いなく彼女だけOffにします。 「彩花」役の山本麻里安さんって最近売れてきてる方だと思うんですけど…? まあ、それ以外は普通に聞けたし割と合っているのではないかと。 DC版では多少はまともになっているのでしょうか……? |
シナリオとか |
まず、以下の引用文をお読みください。 > ぽっかりと穴があいたような虚無感・・・ > それが日常に埋没していく。 > これでいいのか?本当に?そう思いはじめていた。 これはメーカーのHPからの引用なんですけれど…。 え〜、これを見ただけでわかっていただけるんじゃないかと。 このソフトはこういう部分まで見事に「ONE」の模倣なんです(核爆) 主人公が「死んでしまった存在」(彩花)をいつまでも引きずってるところや、時として(常識から見れば)おかしな発言・行動をするところなんかはまさにそのものといった感じです。 (さすがに主人公が消滅するとかそういうオチはありませんが) ただ、悲しいかな。超えられません。 日常会話の長さは一緒なんですが、面白さが不足しているためにより冗長感が増しています。 会話展開のテンポなどの面では本家に2歩も3歩も譲るといった感じです。 また主人公がヒロインに惹かれて行く過程(感情の変化)の描き方が弱いのは残念でした。 なんだか唐突にヒロインに強烈に惹かれる感じでなんか抵抗があります。 (まあ、「恋とはそういうものだ」と言われたらそれまでですが) しかしながら見所もあり、本家と比べて物語のバリエーションは出ています。 「ONE」が悪く言えば「消える→復活→ED」というパターンを全てのヒロインで繰り返しているのに対して「Moff」はテーマに対してヒロインごとに違うアプローチをしています。 ちなみにテーマというのは「Memories Off」=「思い出を思い出として現在を生きる」だと思います。(訳も含めて私の勝手な解釈ですが) これで大体の内容は検討がついてしまうんじゃないかと思います。 #要するに彩花の記憶に捕われた状態から脱するわけですね でもまあ、「ONE」の良いところも模倣しているらしくお話はなかなかでした。 特にみなもシナリオと唯笑のグッドエンドはなかなかの良作かと。 (ちなみにこれで点数が5点〜10点は上がってます) ただ途中どうしても主人公に同調できないところがあったりしたのも、また事実です。 お話はともかく主人公はちょっと苦手かも。 某所で見た「藤田浩之(To Heart)+折原浩平(ONE)をダメにした感じ」という表現が適切かと。 ただ、私個人としてはさらにウジウジと悩むところをふまえて藤井冬弥@WHITE ALBUMも足したいかな〜と思います(^-^;) 最後にフォローしておくと本筋自体はなかなかのもんです。 一瞬メーカーを確認したほどですから(笑) <以下ネタバレ> しかし、ベストエンドよりグッドエンドの方が断然いいってのはどういうことだ? …いや、唯笑のシナリオのことなんですけどね。 <ネタバレここまで> あ、色々な所で言われてることですがみなものシナリオだけ他より断然作りが上手いです。 圧倒的に無駄な会話が少ないし、序盤にまで伏線が潜ませてあるし。 主人公の行動理念も比較的理解しやすかったですし。 どうやら1キャラあたり1人のライターさんがいるようなんで次は「みなも」シナリオの方をメインに据えて欲しいと思いました。いや、本当に。 では、強引にまとめた(?)ところで総論へ。 |
総評 |
う〜ん、佳作ですね。買っても損はしません。 ただ胸を張って薦められるかというと首を傾げざるを得ません。 万人に薦めるのはとても無理ですが私個人としては結構気に入りましたし、 この手のゲームがわりと好きな人ならわりと気に入るんじゃないでしょうか? あと、主人公に似たトラウマを持ってる人ならもっとハマるかも(ぉぃ 以上です。点数は最初60〜65点にしようと思ったんですが、みなもシナリオと唯笑グッドEDが気に入ったので70点まで底上げです。今後のKIDは今までよりは温かく見守っていこうと思います。 …色々文句をつけるわりに点がいいのはいつものことなんでお構いなく(笑) |
書いた時点での総プレイ時間 | 23時間30分(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 今坂唯笑・伊吹みなも | ||
お気に入りのセリフ | 雨はいつあがる? #普通あんな意味に取らんよ、智ちゃん(^^; |
初版1999/10/21 最終更新2001/03/25