胸キュン!はぁとふるCafe(PC)
メーカー ユニゾンシフト 総合評価 60点(及第点)
ジャンル やきいもADV
発売日 2001/06/29
シナリオ 渡部好範 「やきもち+いもうと=やきいも」
という凶悪な方程式を引っさげて発表された作品。
コンセプト買いする多数のお兄ちゃんを生み出した(^^;
原画 藤原々々
サウンド 水月陵

※以下の評価は緊急アップデートファイル(初期版)に基づいています
  7/5にもう少し新しいバージョンが公開された模様です

個人的エピソード
思いっきりコンセプトだけで買ってしまいました(^^;
だって義理の妹も、やきもち妬く女の子もどっちも大好きなんですもん。
買わないなんて方がおかしいというものです。

内容
双子の姉妹「ちより」と「チカ」

実は義理の妹なんだけど、突然、一人暮らしの俺があずかることになっちまった。

ところが、ちょっと片っぽにかまってやると、
もう片っぽがやきもち妬いて、大変なんだ、これが。
まぁ、そこがまたかわいかったりするんだけどな。

問題は、このかわいくてやきもち妬きな妹達との暮らしで、変な気が起きないか……

俺、……大丈夫かな?
(マニュアルより)

システムとか
必要容量は95/280/580MBのいずれかを選択。
基本的に単なる選択肢分岐型のADVです。
好感度によって後半でキャラごとにシナリオに分岐します。まんまです(^^;

セーブ数は100個。絶対に困ることはありません。
セーブ時のサムネイルも表示されますし、参照コメントの入力も可能と本来便利なはず
なぜ「はず」かと言うと、新しくセーブした時にはちゃんとその日の日付がコメントとして用意されるのに上書き時には、新しい日付が反映されないという難点があるからです(^^;
ちょっと片手落ち感が。

メッセージスキップは既読/強制の両方を用意。
ただし、既読に設定していてもしばしば問答無用で飛ばされますので要注意です。
……何のための既読フラグですか?(ぉ

バックログは30クリック分。まあ、シナリオを読ませるソフトではないのでこんなもので十分でしょう。
鑑賞系はCG・BGM鑑賞とシーン回想としっかり揃っています。

あと、最新の修正版ではどうかわかりませんが私がやった当時は
何の前触れもなく突然修正することがあって困りました。
せめてエラーメッセージくらい出してよ……(´Д`;

システム総括としては、欲しい機能を用意しているのに、それが実際には機能していない
ってところでしょうか。
なまじ名目だけは用意されてる分だけ、かえって腹が立ちますね(^^;

絵とか
原画はロリィな魅力が爆発していて、その筋の人にはたまらないんじゃないかと。
私の場合は……ノーコメントということで(ぇ?
まあ、実際幼さを気にする人以外には手広く受ける絵柄でしょう。

塗りの質も割と高めで原画の良さを十分に引き出しています。
というわけで、質と量の質に関しては特に言うことなし。満足です。

ですけど量が少ないように思います
鑑賞モードによれば48枚(パターン違い除く)
この少なさゆえにシナリオ側のイベントも減ってしまったんじゃないかと思います。
#実際、シナリオと絵とどっちのせいでイベントが少なくなったのか知りませんが(^^;

2画面以上を使ったクライマックスのCGなどの使い方はいいと思うんですけどね〜。
絵とコンセプトで買ってるだけに数の少なさは痛いです(ぉ

音楽・音声とか
BGMはPCM再生で全11曲。うち2曲がボーカルです。
作中では妹達の陰に隠れて(笑)あまり主張してきませんが、質自体は割と高めだと思います。
少なくとも個人的なツボにはハマりました。

恒例のお気に入りは「Misty Heart」「DEWDROP」とED曲「Promenade」
……「Misty Heart」は是非歌モノにしてほしかったなあ。


音声の方はとりあえず及第点といったところですか。
いや、悪くはないですしきっちり萌えさせてくれるのですが、
チカのHシーンで“舐める”演技があんまり良くないように思えたので(マテ
もっと音を立ててください(爆死)

シナリオとか
素材を活かしきれてない。
そんな印象を覚えてしまいましたですよ、私は(ぉ

さて、まとめを書いちゃったところでサクッと解説。
このゲームは大きく序盤〜中盤までと終盤に分けることが可能です。
要するに共通パートと、個別シナリオなわけですが(^^;
それぞれの内容を解説すると以下のような感じでしょうか?

まずは序盤〜中盤。
コンセプト上、共通パートではまだどちらの妹を軸に話が進行するか決まっていません。
それがゆえに両方の妹がアプローチをかけてきて、二者択一な選択ばかりが提示され、
どっちを選んでもかわいい焼きもちが待っていて…と
お兄ちゃん的にはたまらない展開が待っているわけです。

この辺りの「やきいも」ぶりはなかなか上手く描けていて
イベントの度にもう一方の妹に乗り換えようか悩むこと請け合いです(^^;
私もかなり萌えさせていただきました。


しかし、これが終盤になってくると話が変わってきます。
二人のいずれかと相思相愛になるまでは別にいいのですが、
その後もう一方の妹は完全に忘れ去られた世界に突入してしまいます。
……それじゃ「やきいも」のコンセプトの意味がないじゃないですか!(マテ

でも、実際急に普通の恋愛物になってしまって、このソフトだけの強力な売りを失っているのは事実です。
また普通の恋愛物と同系に姿を変えたことで、絵の項目でも軽く触れましたが
イベントの少なさというのが目に付くようになってしまっています。
恋人になって以降は本当にHシーンと日常描写しかないままクライマックスに
進んでいってしまうので、飽きを感じてしまいました。

最後の最後、クライマックスも今まで「ただ好きだ」というだけで妹を抱いた
主人公が些細な一言で突然深刻に悩み始めるのはどうなのかな〜と(^^;

まあ、一般的な恋愛物なら基本フォーマットの1つということで済ませますが、
相手が義理とはいえ妹ということを考えると、「抱く前に悩めよ」と思わずにいられません。
ま、ラストのまとめ方は悪くないし嫌いじゃないですけどね(ぉ

個人的には最後まで「展開間違ってるよな」という感を拭えませんでした。
序盤〜中盤は文句ナシだったんですけど…。


――補記
妹以外にももう1人ヒロインがいるにはいますが、完全にサブシナリオ扱いなのでコメント割愛。
……何のためにいたのやら(ぉぃ

総評
ある程度予想はついていましたが、1つのコンセプトを貫き通すというのはやはり大変みたいです。

まとめ。「商品」にしたがゆえに魅力が減ったソフト。
「やきいも」なんて、同人でしかやれそうにないコンセプトのみで1本作るのは、
商品を作らなくてはならない以上できないとは思います。

でも、狂ったコンセプトに一般フォーマットはやっぱり合わないんです。
狂っているなら、そのまま突っ走った方がいいように思います。
シスプリを見れば、それはとてもわかりやすいと思うのですけれど(笑)

序盤〜中盤なら75点でしたが、最後までやっての最終印象はせいぜい65点。
システムのダメさで5点マイナスして60点とさせていただきます。

書いた時点での総プレイ時間 9時間45分(コンプ)
お気に入りのキャラ 香坂チカ・ちより(……これ以外に誰を選べと?)
お気に入りのセリフ 「もう! お兄ちゃんのバカバカバカ!」
「おにいちゃんもチカちゃんと同じでちよりの作ったご飯じゃ食べられないのかな?」

初版2001/07/05 最終更新2001/07/18