プリズム・ハ〜ト(PC) ※ディスク3枚組
メーカー ぱじゃまソフト 総合評価 55点(凡作〜及第点)
ジャンル 育成SLG+恋愛ADV
発売日 2000/10/06
シナリオ 和泉時彦 にくきゅうの「めいKing2」
新規参入のぱじゃまソフト第1弾。
初回特典の懐中時計はかなりいい造り。
ここはいつも特典に凝りすぎです(^^;
原画 大野哲也
サウンド OdiakeS

※以後の評価はVer.1.2に基づいています

個人的エピソード
まあ、比較的絵が好きなので。それとメッセの特典に惹かれて。
アレンジ曲を含むサントラなんですが作曲のOdiakeSさんが好きなんです。

内容
舞台はヴィントラント王国という、中世風の世界。
あなたは地方出身の前途ある騎士見習い。
地方大会を勝ち抜き、王都に出てきたばかりの若者です。
目指すはもちろん、1年後の本大会で優勝して騎士になること。
女の子ばかりの宿屋「風車亭」に泊まって修行と恋愛の毎日が始まります。
(パッケージ裏より)

システムとか
必要容量は350/850/910MBのいずれかから選択可能です。
ただし、最小インストールだとキャラが喋ってくれません。
せっかくのフルボイスなのでHDDを都合して大きめサイズでのインストールをオススメします。

ゲームは1月〜12月の1年間で平日・土曜・日曜に分かれていて、
それぞれ騎士になるための修行をしたり、ヒロインと仲良くなるために会話したりデートしたりして進行していきます。
土日には修行にボーナスが付くことも含めて「ときメモ」シリーズを想像していただければまず間違いないでしょう(^^;

たまに出る選択は素直な物ばかりなのでAVGとしてはかなり簡単な部類に入ると思います。
一方、SLG部分はバランスなどはしっかりしていて真面目に作っていることが窺えます。
騎士EDなどを見ようと思ったらあまり考えなしに行動はできません。
ただ、そこまでしっかり作っているのにパラメータが999まで上がると
何をしても下がらないのはどうかと思うのですが…。
ちょっと育成コマンドのデメリット的な要素が少ないように感じました。
#平日に剣術修行、土日に騎士道修行に特化すれば9月頭には全パラメータが最大に
#達します。そんなプレイではエコーEDかハーレムEDにしか辿り着きませんけど


セーブ数は20個。攻略を見ない人には少ないと思います。
月頭でセーブするようにすれば足りないこともないかもですが。
スキップは強制のみ。ツールバーのメニューで選択・実行します。速さはなかなか。
#Shift、Ctrlキー押下でも同様の機能
読み返しはありません。これはまあ、SLG部分の都合上仕方ないかもしれませんね。
鑑賞系はCG・音楽・シーン回想と揃っており、珍しいところでは立ち絵鑑賞も用意されています。
ちょっとセーブ・ロード時のレスポンスが悪いことを除けばなかなか良く出来たシステムだと思います。
新規参入ブランド恐怖症の私には心強いことです(笑)

絵とか
有名な方なので今さら説明する必要はない気もしますが…。
え〜っと顔つきがロリィで胸が大きな女の子を描く方です(ぉぃ
メーカーページかご本人のページの絵を見て気に入った人なら本編の絵も満足できると思います。
私はけっこうこの絵柄好きです(というか嫌いな絵柄の方が少ない)

CGの塗りもなかなか丁寧ですし、新規ならではの気合を感じます。
また特筆すべきは立ち絵のアニメーションでしょう。
汗をかいたり、目がキョロキョロ動いたりとなかなか楽しませてくれます。
枚数は鑑賞モードによれば89枚。贅沢を言えばもうちょっと欲しかったところかもしれません。
しかしパターン違いCGを見る手段が用意されていないのは残念。
立ち絵鑑賞よりはむしろこっちを用意して欲しかったです〜。

音楽・音声とか
音楽はCD-DA形式で全28曲、うち4曲(OPとEDにそれぞれ2曲ずつ)。
作曲のOdiakeSさんは「ONE」や「Kanon」で名前を知っている方もいるかもしれません。
私的には「SJV普及委員会の〜」と言った方が通りがいいのですが(^^;

で、質の方ですが多少バラつきがあるもののかなりの完成度だと思います。
お気に入りは後半OP曲「Heart of Prism」、ED曲「Moonlight Cathedral」に
「Real Heart」「心にあいた小さな穴」といった辺りです。
物語の折り返し地点である8月末の前哨戦が終わったところで2曲目のOPソングを流す演出は上手いですね〜。
折り返し地点に達したことをしっかり意識させてくれます。

音声の方は男女共にどんな端役でも喋るフルボイスです。
こちらはどのキャラもレベルが高く安心して聞くことができると思います。
あ、チャ・イーナのエセ中国人なイントネーションだけは慣れませんでしたけど。
個人的にはプリンセアの声がお気に入りです。…コナンの歩美ちゃん?(謎爆)
また、練習試合の敵のセリフがガンダムや時事ネタなんかを元ネタにしたセリフを
試合前と試合後に言うんですが、それにはかなり笑わせられました。

効果音の方も豊富でいい感じでした。音回りへの不満は皆無に近いです。
どうでもいいことですが、ドアの開閉音だけなんであんなにノイズが乗っているんでしょう…?

シナリオとか
人間、誰にでも相性というものがあります。
どんなにつまらない作品でも相性が良ければ面白く感じるもので、逆もまた然り。
つまり何が言いたいかと言うと……このシナリオと私は合いませんでした、と(^^;

日頃、どんな萌えゲーをやってもそれほど鼻につかないシナリオの意図性が
このソフトの時だけ妙にはっきり感じられてしまったのです。
「ああ、このキャラはこういう属性を突こうとしてるんだな」と。
どんなに義理の妹を見ようと、毎朝起こしてくれる世話焼きの幼なじみを見ようと
大半を「主人公はうらやましいなぁ」で済ませてきたこの私が! で、そのせいかあまり萌えませんでした。
他とのその違いを生み出した要因は自分でもわかりません。
キャラは立っているし、会話のテンポなんかもいいですし、「萌えろ!」と言わんばかりの
キャラ&シナリオ群に関してもそんなのはもう慣れたもののはずなんですけど…。

これで例えば泣かせてくれるとかそういった萌え以外の要素をシナリオに見出せれば良かったのでしょうが、
あいにくこのゲームはキャラクターの可愛さを前面に押し出すゲームだったので、それも適いませんでした。
これ以上書いても愚痴と文句だけになるのでやめにします。
ですが、最後に一言だけ。
“萌えない萌えゲーに意味はあるんでしょうか?”(マテ

総評
やっぱ相性問題ってあるんですね。勉強になりました。

まとめ。客観的に見てよくまとまっているとは思うけど…というソフト。
ただこの文章は主観が強すぎるので他のレビューをご覧になることを推奨します。
CGと音回りはともかくシナリオとゲーム性にやや難という評価だけは間違っていないと思いますが、
点数なんかは見ないでいいです。

書いた時点での総プレイ時間 約16時間(コンプ)
お気に入りのキャラ (強いて言えば)プリンセア  #あの声が好きなのです
お気に入りのセリフ 特になし

初版2000/12/12