sense off(PC) | |||
メーカー | otherwise | 総合評価 | 75点(佳作〜良作) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2000/08/18 | ||
シナリオ | 元長柾木・シュート彦 | あの2ちゃんねるで珍しく発売当初スレッドが 荒れなかったソフト。発言数が200を超えたあたり から当然のごとく荒れ始めましたが(^^; …って他に紹介方法ないのか、オレ。 |
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原画 | ゆうろ | ||
サウンド | M's・BIGMADE・桜恵司・FUDE_R・折戸伸治 |
個人的エピソード |
独特なCGに惹かれて購入しました。 最初はわりと普通な学園系の話だと思っていたのですが…。 |
内容 |
春の半ば過ぎに始まる、恋愛アドベンチャー。 季節は、春と初夏の端境期。舞台は、地方都市。 その都市には、1つの施設がある。 大学に附属する研究機関だが、そこでは、学園生活が営まれている。 どこにでもあるような、それでいてどこか違う、擬似的な学園生活。 ちょっとした事故を契機として主人公・直弥はその施設に赴くことになる。 そこで直弥を待っていたのは、「幼馴染みとの再会」という、 人生の中でも割合ドラマティックなイベントだった――。 そんな舞台設定に訪れる、聖なる物語。 (パッケージ裏を元に編集) #ほら、割と普通っぽいでしょ?(^^; |
システムとか |
選択肢分岐型の一般的なADVです。…シナリオによっては違う形態を取ることもありますが(謎 直球勝負な選択肢が多いので攻略難易度としては低いですね。自力でやれたし。 システムはビジュアルアーツ共通システムを使っています。 今までに書いた物だと「Kanon」なんかと基本的には同じですが、1年経過する間に進歩してキーボードも認識するようになっています(^^; セーブ数は16個。 難易度・キャラ数から考えれば決して少なくありませんが、読み返し機能が付いていなくて且つシナリオが難解という点を考慮に入れるとむしろ少ないかもしれません。 終盤でうかつに2度クリックしたりすると飛躍に置いていかれることしばしばです(爆) スキップは既読スキップを実装。またCtrl押下によって強制スキップも可能です。 スキップの速度はなかなか快適で繰り返しプレイも楽々です。 鑑賞系はCG鑑賞と音楽鑑賞。 BGMは最高クラスなので付いてなかったら激怒してるところでした。 ビジュアルアーツシステムは安定度も高いので文句といえば読み返しだけですね。 読んだかどうかのフラグチェックよりは楽なように思うんですけれど…より一層の進化に期待。 |
絵とか |
かなりクセはあると思います。全体的に顔(特に目)が縦長です。 正直なところ、大衆受けするキャラ絵とは思えません。 ですが、塗りなどの仕事じたいは立ち絵・イベント絵ともに丁寧だと思います。 #でもOPで見られるラフ調の絵が1番好きなのはナイショです 枚数はパターン違い抜きで63枚。 どのヒロインも後半にイベント・CGともに密集しすぎている感はありますが、 そのおかげか少ないという印象は受けませんでした。 しかし、このゲームの絵の最大の特徴は「空間を意識した」というCGの構図にあります。 私もそれ相応の数のゲームをやっていますが、未だこのような構図には会ったことがありません。 エロゲの構図というのはユーザーの要求に答えるため、ヒロインを大写しにするというパターンに縛られがちですが、それを思いっきり突き崩しているというか。私がこのソフトに興味を持ったのも構図のせいでした。 「どんな構図なん?」とお思いの方はメーカーHPでデモを落としてくださいm(_ _)m #絵と曲と構図の大胆さが違う「Kanon」デモを見た気持ちになるでしょう(爆) |
音楽とか ※音声はありません |
音楽はCD-DAで再生、全20曲です。多め…になるのかな? で、曲数はさておき曲のレベルですが文句なしに高いです。 なんせ参加してるのがEcnemuse、UnisonSoundTeam、折戸さんに主題歌がI'veと来てますから。 実際問題、業界で望める最高クラスの人材ではないでしょうか。 正直前半部で流れる曲はあまり印象に残りませんが、各ヒロインのシナリオに入ってからは楽曲もパワーアップです。 2000年の18禁ソフトでは楽曲はトップクラス、歴代でもかなりの上位に位置するでしょう。 恒例のお気に入り曲は「コズミック・ラン」「個人的なスクリーン」「ピアノフォルテ」「そぞろ歩き」「遊泳」にEDボーカル曲「birthday eve」といったとこでしょうか(多いって)。つうか9トラック目以降はほとんど全部いいです(^^; #ED曲の歌詞とか実は深くシナリオに直結してたりするし |
シナリオとか |
某所でのシナリオさんの「みんな言いたいことの1割も理解できてない」という挑発はアレだなぁとか思ったりもしますが(1割しかできないような話しか書けない方が悪いと思うタチなので)、その言葉が如実に示すように難解です。 主人公たちがいる施設はいわゆる「超能力」を研究する機関でして(当然ヒロイン達は何らかの力を持っているわけですが)シナリオはこれに基づいて前半部を普通の学園物、後半部をヒロイン(及び自分)の特殊能力に関わるシリアスな展開というような形式になっています。 が、この後半部。ともすれば突飛に思えるほど急展開で予想もしない方向に進むこと自体は構わないんですが、どんどん増していく難解さも相まって人によっては置いていかれてしまうかもしれません。 私でも何とかなったので大丈夫かとは思いますが。 と、ここまでが難点。これからが誉めどころです。まずかなり面白いです。 「ONE」を想起させるシナリオなんですが(主人公が冗談みたいなことばっかり言ってるとか)単なるその物真似に終わっていないというのが凄いなぁと。 (以下「ONE」のネタバレ含みます) 例えば「ONE」では主人公の消滅などの特異な現象を“えいえんの世界”という正体不明の世界があるからというそれだけの説明で片付けていますが、この作品では主人公たちの超能力に関してしっかりと背景を持たせていますし、さらにそれを物語全編の伏線にしているという点などはシナリオ構造に凝ったソフトが好きな私にはたまりませんでした。 またヒロインを攻略していくにつれて様々な謎が明らかになっていく(明示されるもの、暗に示されるもの両方ありますが)というのも個人的にはツボ。そういう補完的関係にある話は大好きです。 つうか転生ネタを出した時点で私は大体堕ちるのですけれどね(核爆) 話の内容的な部分で不満があるとすれば、ただ2つ。 "end of the world"の項に入った時だけはやっぱり飛躍を感じます。 謎を放って「後は君たちの解釈に任せた」方式はやっぱり好きになれません。 あとは、やはり純粋にハッピーとは思えないEDがあったことが……。 |
総評 |
自分的にはスマッシュヒットな1本。 レビューサイトによってはべた誉めですからね、このソフト。 まとめ。ちょっぴり難解不思議系のADV。ONE、Kanonみたいな?(爆) シナリオが面白いもの、音楽が良質なものが好きならやってみませう。 シナリオ項での2つの不満でポイントややダウン。 単純な面白さやシナリオ同士の結合だけ見れば80点以上なんですけどね。 |
書いた時点での総プレイ時間 | 14時間30分(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 真壁椎子・三條美凪 | ||
お気に入りのセリフ | 「今日で終わりでも、わたしは幸せだよ」 #本編のセリフじゃないし、ダメじゃん |
初版2000/09/28