ときめきメモリアル2(PS) ※ディスク5枚組
メーカー コナミ 総合評価 90点(名作)
ジャンル 恋愛シミュレーション
発売日 1999/11/25
シナリオ 岩田靖弘ほか おそらく歴史上最も売れたギャルゲー
「ときめきメモリアル」…当時中学生だった
MU-6の人生を思い切り狂わせた作品。
その第2弾というだけで十分大きな話題に。
キャラクターデザイン 大塚あきらほか
サウンド メタルユーキほか


個人的エピソード
限定版をコナミのオンライン直販で買ったり、
発売当日に西濃運輸のミスで入手できなくて不貞寝したあげくコナミに苦情メールを書いたりと
エピソードの枚挙には暇がありません。
なんだかこれだけ見るともの凄く痛い人ですね、自分^^;

内容
きらめき市の隣に位置するひびきの市。
ひびきの高校に通うため7年ぶりに戻ってきたあなた。
幼馴染の光との再会。そして新しい生活、新しい出会い…。

部活に、恋に、勉強に!
高校生活&恋愛シミュレーションの元祖たる作品が復活。
卒業の日、果たして恋する二人に伝説の鐘の祝福はあるのだろうか?
(自前で書いた)
#でも、こんな内容ってこのゲームにとって重要じゃないです(爆)

システムとか
これも「ときメモを知ってる」という前提で書けばもはや何も書く必要がありません。
前作と完全に同じシステムを踏襲しています。

一応、知らない方のために書いておくと「運動」「部活」などの幾つかのコマンドを実行して
それに対応したパラメータを上げていくのが通常時のプレイとなります。
平日・休日を問わず、この育成は行えますが女の子と仲良くなるためのデートなどは休日にしか誘えませんし、
デートに行けるのも休日のみです。
女の子と仲良くなるためにはデートで好感度を上げるのはもちろんですが、自分を磨く行動も重要です。
休日に育成をすると成長速度が段違いなのでデートと育成のバランスを取るのが大事になります。

前作もそうでしたが、この育成のバランスがこれ以上ないほど秀逸です
私なんかは前作からやってるのでほとんど同じ感覚でプレイできました(運動部に在籍しながら一流大に入るのが
ちょっと難しくなりましたが)し、2から入る人でも(私の経験から言えば)数回プレイすればどんなに勘の悪い人でもコツを飲み込めるでしょう。
デートシーンでは、かつてギャルゲー排斥派にさんざん馬鹿にされた^^;3択のセリフ選択があり、
それによって好感度が増減します。
基本的にデートシーンは「ヒロインのセリフ→選択」を行うだけで終わりです。
最近のギャルゲと比べると何ともあっさりしてますね(笑)

セーブ関連は最低2ブロック。最大で30ブロック。
また好きな名前を呼んでもらえるというEVS(エモーショナル・ボイス・システム)を使うためには11ブロック必要です。

絵とか
キャラクターデザインはわりと一般受けする絵柄なんじゃないかと思います。
少なくとも友人DJ-DIE氏にさんざん虚仮にされた前作のキャラデザよりは^^;

塗りはまあまあといったところでしょうか。
丁寧ではありますが驚かされるほどではありません。
前作よりはベースになる画像の大きさも大きくなっていて綺麗になってはいるのですが、さすがに家庭用ゲーム機にも無数のギャルゲが出たご時世においては特筆すべき綺麗さとは言えません

この点に関しては立ちグラではそれほど感じなかったのですが、時折見られるイベントCGについてはちょっとドットとかが目立つかなぁと思いました。
これは我が家のTVが一人暮らしサイズを大幅に超えた29インチだったり、AVマルチ入力を使ったりしてるせいも多分にあるとは思うのですが、イベント絵くらいはハイレゾにしたりしてもいいんじゃないかな〜と思ったりもしました。

反面、OPとEDは素晴らしかったです。
EDはドット絵をプログラム制御で動かしているのですが、そのアニメーション部分への気合の入り方は相当なもので私は初めてEDに辿り着いた時、一瞬ムービーかと疑ってしまいました(ちょっと大げさ)。
またOPのアニメムービーは私が見たギャルゲ関係のムービーでも最高峰の1本だと思います。
一見の価値はあると思いますよ。

音楽・音声とか
う〜ん、音楽の方は評価が難しいです。
いや全4枚のサントラを発売日に買ってる人間が言うことなのか、という気がしなくもないですが^^;

サントラによると使用楽曲は全168曲。しかし、うち49曲は既存の曲の流用です。
プロデューサーによると「現実らしさ」を表現するために実世界で流されそうな曲を流されそうな場面で使用しているそうです。

たしかに、デートスポットで流れる曲なんかは現実にも使われそうな曲がセレクトされているのですが
ゲーム中に頻繁に聞くことになるデートスポットの曲が既存曲というのはちょっと残念です。
また、それ以外のイベントで流れる曲にもED曲のアレンジが結構多くてそれもマイナス。

キャラテーマとか季節のテーマなんかは印象に残りましたし、
OP曲「勇気の神様」とED曲「あなたに会えて」なんかは大好きなんで評価に迷うところ。
私ははJOYSOUNDに行くと必ず「勇気の神様」は歌いますから(バカ)


音声の方は迷うことなくいいと言えます。
あいにく私は声優さんにそれほど詳しくないので数人しか知りませんでしたが、
どの方も演技としては安定していますしキャラクターにも合っていると思いました。
特にメインヒロイン光役の野田順子さんは上手すぎ。この後、仕事が増えたのにも納得です。
あの「うんうん」の言い方は反則だよなぁ。

そしてこのゲームの売り、EVS。
プレイヤーの名前を呼んでもらえるというギャルゲマニア垂涎の機能です。
ですが、私にとっては何の意味もない機能でした。全部、レアな名前がいけないんです。
苗字も名前もレアなんで、こんな名前にした付けた先祖と親を恨みました(ぉぃ

真面目な話をすると名前部分は滑らかなんですが、後ろに続くセリフに関係なく常に一定の呼び方をされてしまうのでセリフ全体で見ると逆に不自然になってしまっているように思いました。
技術的には素晴らしいと思いますし今後の進化に期待します。
というか私の名前を呼んでください(爆)

シナリオとか
シナリオ性が高いゲームではないので、この部分に関してコメントする意味はあまりありません。
前作よりははるかにシナリオ性が高くなってはいますが一部キャラ(楓子、琴子、茜、花桜梨あたり)を除いては
終盤(3年の文化祭)あたりまで全般的にシナリオ性は低くなっています
まあ、この辺りはデートが3択なことから読めるでしょう^^;


シナリオというかキャラクターに関してはアクが強すぎるという難点が無きにしも非ずなのですが、
個性の強いキャラというのはある意味でこのシリーズの特徴ですし、個人的にはそれほど気になりませんでした。
でも、人によっては退いてしまうかもしれません。“妖精さん”と話すキャラもいますから^^;


ですが、アク云々を除いてもキャラクターが立っているかという点については十分合格点です。
シナリオ性が高くないにも関わらずセリフやイベントを見て「そのキャラらしい」と思えるというのは立派なのではないでしょうか。その辺の駄作にも見習ってほしいです。
一番合わなかった「ほむら」でもその辺のキャラよりはよほど魅力的でしたし。


何より個人的に意外だったのは前作の後、何十本というエロゲやギャルゲをやっただけに
もはやこの形式で心が揺さぶられることはないだろうと思っていたのですが、
思いっきりキャラと話に萌えてしまったということです^^;
TLSでならともかくときメモで萌えることはもうないと思っていたのですが。
これのせいで著しく評価が上がっているのは内緒です。

総評
部分部分を見ると決して誉めてばかりじゃないんですよね。むしろ辛口。
なのに総合的に見るとこの点数なんです。
どうしてかは自分でもよくわかりませんが、恐らくは完成されたシステムを軸にあらゆる要素がバランスよく共存していて切り離しがたくリンクしているからなのではないかと思います。

まとめ。良くも悪くも前作の正常進化形。
そして恋愛シミュレーション(アドベンチャーではなく)としての1つの理想形かと。
結局、はっきりした不満点はEVSが期待ほど自然ではなかったことと
ディスクの入れ替えが多少面倒という2点だけでしたし。
この手のゲームが好きな方ならやって損はないと思います。

書いた時点での総プレイ時間 約80時間(コンプ) #やりすぎ(^^;
お気に入りのキャラ 陽ノ下光・八重花桜梨
お気に入りのセリフ 「……出てくるに決まってるじゃない。ずっと一緒にいてくれたんだから」
「待っててよかったあ。ねねっ、一緒に帰ろうよ」
「どうしたの?
 『あこがれの華澄おねーちゃん』と一緒に帰るんじゃなかったの?」
「いいモン。一人で帰るモン」

初版2000/06/06 最終更新2001/03/04