とらいあんぐるハート(PC)
メーカー JANIS
ivory
総合評価 70点(佳作)
ジャンル ADV
発売日 1998/12/18
シナリオ 都築真紀 人気シリーズの第1弾。と言っても発売当初は一部の掲示板やまだ活況だったニフティで盛り上がっていただけだったそうな。
発売直後に買った私は21世紀まで積んでました(爆)
原画 都築真紀
サウンド しげ・Mine

※以下の評価は99年1月11日配布修正版に基づいています

個人的エピソード
大学の推薦入学が決まったお祝いに、はとこのお兄さんに買ってもらいました(^^;
なんでこれを選んだのかは随分前なんではっきりとは覚えていませんが、
USGさんの掲示板が当時これの話題で盛り上がっていたからだったような気が。

内容
「オレ、相川真一郎。風芽丘学園に通う2年生だ。
幼なじみで、でかいくせにガキくさい鷹城唯子と、内気で世話好きな
野々村小鳥と、まあそれなりに学生生活を送っている。
悩みといえば、ちょっとばかし背が低いことと、女っぽい顔をしていること」

 のんびりとした、だけど少しだけ退屈な毎日。
 冬休みを間近に迎えた12月。

ほんの小さなきっかけから、自分がはじめて本気の恋に落ちていくことを、
彼はまだ知らなかった…。
(パッケージ裏より)

システムとか
必要容量は約350MB。
昔はこれでもHDDの負担になってたかと思うとずいぶん便利な世の中になったものです(笑)

ゲームは基本的にマップ移動と選択肢分岐で進行。
選択肢のうち攻略に関わる重要な物はあまり多くなく、マップ移動時に狙いのキャラクターにしっかり会っていればとりあえず攻略は可能です。
マップには誰がどこにいるかが表示されていますので難易度は低めと言えるでしょう。
今でこそ珍しくも何ともなくなりましたが、発売当初は随分便利に感じたものです。…って今も便利は便利なんですけど(^^;

セーブ数は標準12個+クイックセーブ1個と十分な数。
スキップは強制スキップのみ。
共通部と個別部の間に必ずマップ移動が挟まれる関係上、スキップもそこで止まるのでそれほど不便は感じませんでした。
バックログはなし。ここはちょっと不満です。

鑑賞系はCGとBGM鑑賞のみ。
Hシーンの多いゲームなのにシーン回想がないのは問題です。

まあ、でも総合的に見れば不満の少ないよく出来たシステムだと思います。
キーボードへの対応クリックに対するレスポンスをもう少し改善してくれたら何も言うことはありません。
発売時期を考えれば賞賛に値するかと。

絵とか
なんというかまだクセが強くて垢抜けない絵ですね〜(ぉ
後のシリーズと同じ絵描きさんとは思えなかったり(^^;
それでも個人的には嫌いではありませんが。
中には「おっ!」と思わせる光る絵もありますしね。

立ち絵も多くないし、イベント絵に関しても背景を含めて塗りクオリティは低めと
あまり褒めどころがなかったりします。
なんか原色に近かったり塗りが雑だったりするのが目に付くんですよね〜。

CG枚数は138枚(パターン違い含む。また5枚ほど閲覧不可)
パターン違いを除くとおよそ95枚程度といったところ。
プレイ時間から考えればまあ十分といって差し支えないかと思います。

音楽・音声とか
音楽は主題歌のみCD-DA、それ以外はMIDIで再生の全17曲。
作中の雰囲気に合っているとは思いますが、質はお世辞にも高いとは言えません
GMレベルで作曲しているのが原因の1つなんでしょうが、音色が少なすぎます(^^;

SC-88Pro以上の音源をお持ちの方はここで配布中のパッチを当てることをオススメします。
それだけで格段に良くなりますよ。
それを当てた上で評価するならお気に入りはTr.16とTr.17。


音声の方はヒロインと一部サブキャラのみ収録で、喋るのも一部イベントのみ。
要求される容量を考えれば、こんなところでしょう。
一部非常にクセのある声質の方もいらっしゃいますが^^;、演技は悪くありません。
合格点はつけられると思います。
個人的にさくらと瞳の声はツボでした(^^;

シナリオとか
この項目に至っては本気で書く意味がないような気が(´Д`;
でも、申し訳程度に書いておきますです。
以下の評価は「2001年になって初めてやった男」の物だということを踏まえてお読みください。

まあ、なんというか萌え系のシナリオです(爆)
もっともF&Cとかと違ってある程度以上内容もある物に仕上がってますが。

シナリオの内容をかいつまんで書くと、忍者やら妖怪やらもいたりする
ちょっぴりファンタジーな世界観の学園物と言ったところでしょうか。
「To Heart」的世界観の拡大解釈版と思っていただければよいかと。

このソフトの特色としては「恋人になった後の描写にも力を入れている」
「複数回のラブラブなHが用意されている」
といったものが挙げられます。
今では決して珍しいというほどでもなくなりましたけど(^^;

実際これ以上のことは何も書けなかったりします。
たしかに萌えのツボを巧みに押さえたキャラクターやシナリオですし、
盛り上げるべきところは盛り上げ、一部シナリオについてはしんみりと読ませる部分もあったり
当時の、そして現在においてもいわゆる萌えゲーの中では
出来は悪くない、いやむしろいい部類に属するレベルだと思います。

が、致命的なまでに時間が経ちすぎました。(積んでて勝手な言い草ですが)
発売当時ならば革新的だった部分は別にそうでもなくなり、キャラクターの意外性や
ストーリー全体の流れについても2年以上の時が流れる間に知れ渡ってしまいました。
(少なくとも私は大体の流れをやる前から知るにいたっていました)

それによってプレイヤーの驚きや楽しみが大幅に減ってしまう事実は否めないのではないでしょうか?

これらの要因から私はこのシナリオについて正当な評価を下せないんです。
話知ってるからあんまり萌えられなくて、評価下げることになったし(^^;
#自分の見る目も昔よりちょっとは厳しくなりましたし
正直なところ、プレイするのが遅すぎたようです……。

総評
もっと早くやっておけばよかったと思います。
嫌味でも何でもなく心底。

まとめ。粗はあるが、さすがに丁寧に作られた萌え恋愛ゲーム。
伊達に「萌え」の代名詞とらハシリーズの元祖ではありません。
私がこのソフトに捧げるのはただ一言。
「やっぱり2年半は長すぎた」

書いた時点での総プレイ時間 10時間30分(コンプ)
お気に入りのキャラ 綺堂さくら・千堂瞳
お気に入りのセリフ 「…他の誰にも、どんな運命にも、あらゆる苦しみにも、死の宿命にさえ、あなたを渡さない…」
「『ずっとそばにいて』なんて約束なんていらない」
「浮気したら、殺すわよ」(ぉ

初版2001/06/16