月陽炎(PC) ※ディスク3枚組 | |||
メーカー | すたじおみりす | 総合評価 | 50点(凡作) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2001/10/19 | ||
シナリオ | 宮蔵・板東えみし | 「麻雀に似て非なるゲーム」として一躍名を馳せた(ぉぃ)「いただきじゃんがりあん(通称:痛じゃん)」のすたじおみりす第2弾。バグの有無が話題の焦点に(^^; | |
原画 | 仁村有志 | ||
サウンド | Manack |
個人的エピソード |
巫女服だったから。矢絣袴だったから。 …ええ、それだけの理由で買ってしまいましたが何か問題でも?(爆) |
内容 |
時代は大正。 明治と昭和の狭間にある、ほんの僅かなその時代。 ひらひらと紅く、黄色く木の葉が舞い降りる季節。 帝都からやって来たのは一人の青年。 一つの大きなトランクを抱え、にこやかに街並みを眺めている、人の良さそうな青年。 ただ父から言われ、たどり着いたその街。 好奇心に心躍らせながら向かった場所は、何処か懐かしささえ感じさせる。 出会うは少女。 二人の少女。 流れのままに過ごす日々の中で、青年は一人の少女とやがて心通わす。 だが、それは偶然ではなく必然の恋。 青年はこの街にやって来た本当の理由を知ることになるだろう。 拭えぬ運命に戒められ…… 大切な何かを失ったとしても…… それでも、ほんのひと欠片の幸せを追い求めた、少女と青年の物語が、今そっと幕を開ける……。 (メーカーサイトより) |
システムとか |
必要容量は約1.45GB。唯一この容量でしかインストールできません(^^; まあ、音声も音楽も全てインストールされるので仕方ないかもですが、 もうちょっと少な目の容量のインストールも用意して欲しかったです。 ゲームの方は至極オーソドックスな選択肢分岐型ADV。 クリアした際に手に入れられる「アイテム」によって分岐が増えるという要素は一見珍しいですが、 実際のところはクリアフラグや他のキャラクターへのルートを開くためのフラグの象徴であって、 別にアイテムを使用するなどの要素はありません。 せっかく「アイテム」という体裁を採用したのだから、その辺を上手く使っても良かったかと。 セーブ数は20個。難易度的には低めなので困ることはないでしょう。 サムネイルこそ表示されないもののシーンタイトルが併記されるので、どんなシーンかも判って便利です。 スキップはCtrl押下で強制起動もできますが、基本的には既読スキップのみ。 バックログは相当量可能。 少なくとも頭まで読み返すのが面倒になるくらいは戻れるので不便は感じないと思います(笑) 鑑賞系は「思い出のアルバム」入手でCG鑑賞・「蓄音機」入手でBGM鑑賞・「キネマのチケット」入手でシーン回想と一通り揃っています。 あ、ちなみに蛇足ながらバグはありませんでした(ぉ |
絵とか |
原画は可愛らしい絵柄で結構一般受けする方だと思います。 また塗りも淡い印象の塗りでゲームのイメージにも合っていますし、レベルそのものも高かったかと。 惜しむらくは年長組の鈴香や葉桐に顕著ですが、一部顔と身体のバランスが崩れた絵が散見されることでしょうか。 あとは…そうですね。 登場キャラは全員貧乳ないし微乳で、着たままとか半脱ぎエッチが多いのでその手の人は大喜びだと思います(爆) 枚数の方は62枚(パターン違い除く) 正直プレイ時間を考えるともうちょっと多くてもいいかと思いますが、ギリギリ許容範囲内でしょうか。 |
音楽・音声とか |
BGMはPCMで収録、鑑賞モードで聞けるのは全部で34曲。 実際にはこれにボーカル曲3曲と、アレンジ曲が加わるので40曲程度は使われているかと。 作曲のManack氏は今は亡きAIR PLANTSにいた方かと思いますが、レベルはかなり高いです。 単純に曲としてもよく出来ていますし、使い方も良かったと思います。 お気に入りは「遠い記憶」「虫時雨の落日」「兆し」「予感」とボーカル曲「月陽炎」「蒼月花」あたり。 特にタイトルBGM「予感」の“クリアするごとに演奏パートが増える”という演出はかなり良かったと思います。 曲だけ聞いたら「残月」「さだめ」辺りもいいんですけど…いかんせん使われるシーンがなぁ……(謎) 音声は男性も含めたフルボイス。 時々ボイスがこもっていたり、ノイズが乗るですとか妙に音量が小さいシーンがある といった難点もあるにはありますが、基本的な演技のレベルは高めだと思います。 声質もきちんとキャラに合っていますし合格点には十分達しているかと。 個人的にはダイナマイト☆亜美さん演じる鈴香の冷たい感じが良かったです(^^; |
シナリオとか |
なんで法術バトルが始まるねん(爆) いや、真面目にこう思ったのでとりあえず書いておきます。 まず始めに全体像を書きますか。 このソフトは序盤〜中盤のごく普通の日常を描いた部分と終盤の伝奇物パートとに大別することができます。 いや、大別というよりもむしろ厳密に区別できると言ってしまってもいいでしょう。 それほどまでに両者の連続性が欠落しています。 普通は序盤〜中盤に様々な伏線を潜ませておくことによって、日常と伝奇の境界を突破するものですが、あまりにもその伏線が少なすぎるので(というか中には伏線が皆無のままに出現する設定もあったりします^^;)終盤に急に伝奇物な展開に入られてしまうとプレイヤーはひたすら置き去りです(^^; いきなり「神威の戦士」とか「封印が解けたのか!」とか言われても……ねぇ?(苦笑) 置き去りにされる点も含めて終盤に関してはほとんど評価できません。 「そのシーンを書くために作ったような設定」が散見されてかなりご都合主義的ですし、 根本的に話の展開が早すぎて登場人物だけが盛り上がっている感じがするんですよね(^^; ゆえに泣かせるシーンであろう部分もこっちは冷め切っていて、クリック連打したりしてました(ぉ あとはシナリオのチェック不足辺りが原因かと思われますが、いくつかシナリオ不整合があったのが残念かと。 主人公が知るはずのないことを知っているシーンや、既に聞いていることに対して初めて聞いた反応を取ったりというシーンが数ヶ所ありました。 細かいことですがちょっと気になったので一応書いておきます。 と、このように終盤の伝奇には多々難がありますが序盤〜中盤は割といい感じです。 キャラクターはきちんと立っていて、かつ魅力的に描かれていますし、大人な主人公に 少女達が惹かれていくのも理解できます。 素直になれない美月にしても、人が怖い柚鈴にしても親しくなっていく過程が1つ1つ丁寧に 描かれていて好感が持てました。 お互いに好意を持った後のやり取りの甘さなんかも含めて、萌え方面は頑張っていると思います。 Hシーン前後の会話なんかは個人的に結構ツボでした(^^; なんで普通に大正浪漫キャラ萌えストーリーにしなかったのか不思議です(マテ |
総評 |
まあ絵で買ってるので、ある程度覚悟はしてたんですが…残念無念。 まとめ。日常は良し、しかし伝奇としては…な伝奇物。 シナリオ面でも触れましたが両者の結合も上手くいってはいませんし、そもそも伝奇部分は単品としてもやや難があるかと思います。 メーカーも伝奇を謳っていて、全てのシナリオに大なり小なりそういった要素が含まれるのにもかかわらず、面白さの比重はそうでない所に置かれている……世の中皮肉なものですね(^^; 最後の飛躍が無ければあと10点くらい上乗せしてもよかったのになぁ。 |
書いた時点での総プレイ時間 | 約16時間(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | (強いてあげれば)幸野双葉・有馬柚鈴 | ||
お気に入りのセリフ | 特になし |
初版2001/10/23