Wind〜a breath of heart〜(Win) ※ディスク2枚組 | |||
メーカー | minori | 総合評価 | 50点(凡作) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2002/04/19 | ||
シナリオ | 向井正哉・古我望 | 「ほしのこえ」で一躍大ブレイクした新海誠氏によるムービー担当が話題になったminoriの第2弾。発売前のデモ公開時にはGAME SPOTのサーバーが落ちるなど多くの注目を集めた。 | |
原画 | 結城辰也・庄名泉石 | ||
サウンド | TWO FIVE |
※以下の評価はVer.1.01に基いています
個人的エピソード |
新海さんのムービーと原画が好みだったので購入しました。 体験版やってたんだからある程度出来の予想はついたんですが……(^^; せめて及第点くらいの完成度で落ち着くかと思ったのですが世の中甘くないですね。 |
内容 |
想いは、遠く離れてても届くんだよ。 そして想いを無くさない限り、また会えるの。 …今、私たちがこうしているようにね。 そう言って振り向いたのは、思い出の中の少女。 それぞれの思いを胸に、学園生活を送る真とその友人達。 不思議な街を舞台に、彼らの物語が今、そのはじまりを告げようとしている。 (パッケージ裏より) |
システムとか |
必要容量は音声をインストールしなかった場合で420MB、入れると770MB。 動作が元々あまり軽くないこともありますので、HDDに余裕があるなら音声もインストールすることを推奨します。 起動時に面倒なディスク要求もなくなっていいこと尽くめです。 (音声インストールしなくてもCDから読み込んで音声は再生されます。起動時にディスク必須になりますが) で、ゲームの方ですが極めてオーソドックスな選択肢分岐型ADV。 クリティカルな分岐は少ないですし、わかりやすいので難易度はかなり低い方だと思います。 わかばのCG管理などで一部不明な点がある関係上、CG回収は多少面倒かもしれませんが、 攻略するだけなら楽勝でしょう。 セーブ数は256個。サムネイルも表示されてかなり便利だと思います。 スキップは強制スキップのみ。 それ自体は別に構わないのですが、このスキップが笑えるくらい使えません(´Д`; 書き換え演出もオフにならないし、音声は再生されるしで何の役にも立ちません。 単にウエイトが0になっただけの自動送りに何の意味があるんでしょうか? まあCtrlキー押下でいわゆる普通の強制スキップが可能ではありますが、 今度はCtrlスキップを行うと不正終了しやすいというワナが(´Д`; (コンプリートするまでの不正終了回数は7回でした) 我が家ではセーブ頻度を上げて対処しましたが、そんなにテキストを読ませたいんですかね?(違 バックログは音声再生も可能なタイプでその日の頭まで読み返し可能。 こちらは特に我が家では問題もなく機能していて使いやすかったと思います。 鑑賞系はCG・BGM・ムービー鑑賞にシーン回想と一通り揃っています。まあこの辺は基本ですね。 で、システムの総論なんですがまず第一に不安定かつ重いという問題があります。 さらに言うならばデフォルトだと、次のメッセージに進んでもその前の音声が再生されっ放しになるなど細かい点での配慮に欠けているように感じました。 スキップに関しては論外です。 また我が家では運良く大きな問題は起こりませんでしたがWin98SEだと場合によってはプレイするのも一苦労みたいですので、同OSを利用している方はお気をつけ下さい。 |
絵とか |
立ち絵を描いたヤツ、歯を食いしばって一歩前に出ろ(ぉ このソフトの絵について書く以上、この話題に触れないわけにはいきません(^^; 元々線が多い絵ではないのに、それがさらに減ってしかも崩れた絵になっていて、加えて塗りが平坦なこともあり目に表情が感じられない……正直もうちょっと何とかならなかったのかと聞きたいです。 許容できるのって個人的には彩と霞くらいしかいないのですが(´Д`; ちなみに背景画に関してはなかなか良い方だと思います。 夏祭りの絵だけは背景のモブと立ち絵の差がありすぎて妙に怖いですけどね(笑) 一方のイベントCGはというとこちらはまあ水準よりは上といったところです。 一部脚が細すぎたり、胴が細すぎたりとバランスが崩れてる絵はありますが、基本的には多くの人に好まれそうな絵ですし、塗りの方も絵具調の塗り方が独特で面白いのではないかと。 CG枚数は151枚(パターン違い含む) 例によって独断と偏見でパターン違い的なものの重複を除くと約89枚。 個人的にはもう少しイベントCGが欲しいところ。あった方が良さそうなところでないシーンとかあったんで。 |
音楽・音声とか |
BGMはPCMで収録(音声同様Ogg Vorbisかも)、全20曲。うち3曲がボーカル曲です。 質は高い曲もありますが、全体としては水準をやや上回るかどうかといったところ。 あくまでBGMに徹しているのかあまり印象に残らないのが難点です(^^; お気に入り曲は「夕焼けの帰り道」と挿入歌の「Dream」あたり。 「Dream」はもうちょっとお話が上手ければ十分それだけで泣かせられる曲だと思います。 お話が上手ければ(マテ 音声は端役も含めてフルボイス……なのはいいのですが。 今一つ上手くない方が多いような気がします(^^; みなも役の春野日和さんとか、霞役の児玉さとみさんは問題ないのですが、望役の方の活舌の悪さや彩役の方の妙に生々しい演技(素?)がどうしても気になってしまいました。 あ、一部サブキャラ男性のエキストラっぽい演技のダメさは論外ということで(ぉぃ |
シナリオとか |
テキスト下手だし、第2部いらないよ(´Д`; 「Wind」のシナリオに対する正直な感想はこの一言に尽きます。 このゲームは2部構成になっていますが、共通した問題としてテキストが下手なことが挙げられます。 例えば状況説明やセリフがしばしば冗長すぎること、「〜だった」という語尾を好んでいるのか いないのかいずれにせよ生半可ではない頻度で使うことなどからそれが見て取れます。 無駄と思えるようなシーンも多いですし、物語を展開させる力にも疑問が残ります。 正直、設定・キャラなど同じ物を使ってももう少しテキストが上手い方が書いていたならまた違った評価がありえた作品ではないかと。まあ、今さら言っても詮無いことですが(^^; で、2部構成なので感想も2つに分けて述べていきますと。 第1部に関しては個人的には悪くないと思います。 確かに先述した問題自体はここでも多く登場するのですが、まったりした何気ない日常を描いている様には淡々として見所こそありませんが大きな不満も持ちませんでした。 「住人のほとんどが不思議な力を持った世界」で繰り広げられるごく普通の学園恋愛物といった感じでしょうか。 ちょっと長すぎて終盤退屈になったり、日常を描くことに終始しすぎて主人公とヒロインが惹かれあう過程に説得力がないという難点はありますが、まあ及第点程度の仕上がりにはなっていたかと思います。 それに対して第2部ですが、これはもう何から言えばいいのやら(ぉ 今まで第1部にかけてきた時間がウソのように物語は急展開を迎えます。 プレイヤーが付いていけないほどの急展開に。 今まで当然の扱いをしていた特殊能力が急に物語の焦点となり、突然街の謎に迫る物語に変質し、それまでの描写が少ない故に急速に惹かれあっていくようにしか見えない勢いでヒロインとの関係は進み、そしてバトルまである物凄い展開です。 しかも第1部からは想像もつかないような各種裏設定まで明かされるオマケ付き。 こんな色々な展開を第1部の半分にも満たない時間で描くのは無理がありすぎる気がします。 どう考えても「ヒロインとHしようとしたところで彼女のお父さんが帰宅、しかしお父さんは謎の暴漢に襲われ血まみれ。そのまま哀れ彼は帰らぬ人になるのだった…。しかも遺体は何かに溶け込むかのように消滅」なんて展開には普通ついていけないと思うのですが(^^; それともスタッフ内部ではこれは当然の物語として成立していたんでしょうか? まあ、とにかくこの急展開と、それに伴う置き去り感で後半は全く楽しめませんでした。 そのくせ登場人物たちは大いに盛り上がるので最後には苦笑すら浮かべてしまいましたよ(´Д`; 普通に学園物でいいのに、どうして余計な一捻りを加えるんだろうと思うのは私だけですか? 前半を中心に部分部分を取れば悪くない点もありましたけど、全体として自己満足に陥りすぎです。 満足するのは勝手ですが、せめて望ED(作中唯一、一定よりレベルが高い文だった)レベルの話を全編通じて書いてから満足してください。 |
総評 |
しかし、こうもアレな出来になってるとは予想もできなかったのだった。 とりあえず次回作はよほどのことがない限り、様子見しようと誓うのだった。 まとめ。ムービー見たければ「ほしのこえ」をどうぞ(ぉ いや、真面目な話です。ムービーに惹かれて購入検討する人も多いでしょうし。 テキスト修正パッチが出るという噂もあるので、それ次第では化けるかもしれませんが……。 でも、誤字や脱字を直すならともかく内容を改変するものだとしたら最早それは同じ作品ではないような気が(^^; とりあえず最後に一言。私の想いは風に乗って届かなかったようです(笑) |
書いた時点での総プレイ時間 | 15時間15分(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 鳴風みなも | ||
お気に入りのセリフ | 「想いはいつか必ず届くんだよ。そう風に乗って」 (強いて挙げれば)「〜のだった」という独自文体(マテ |
初版2002/05/03