Xenogears(PS) ※ディスク2枚組
メーカー スクウェア 総合評価 85点(良作〜名作)
ジャンル RPG
発売日 1998/02/11
シナリオ 高橋哲哉 クリアした人はわりと褒めるけど意外と売れてない。
世の中って難しいなぁ。いや、本当に。
やおい同人が多いのにへこたれムード(^^;
キャラクターデザイン 田中久仁彦・石垣純哉
サウンド 光田康典


個人的エピソード
友達がプレイしているのを見た時にエメラダに一目ぼれして(爆死)
それ以前から「面白い」という話は聞いていたんですけど、直接の原因はそれです(^^;

内容
神は墜ちてきた…

遥か昔。
恒星間を航行する巨大な宇宙移民船が、突如システムに異常をきたした。
次々と警告を告げるモニターに、一瞬だけゆらめく謎の影。
抵抗する間もなく、何者かに乗っ取られていくシステム。
脱出する者を容赦なく撃墜したのは、船自体のレーザー砲だった。
艦長はもはや船を沈めるしかないと決断し、自爆システムを起動させる。
閃光がきらめき、ゆっくりと船は星へと沈んでいった…

忘却の彼方より繰り返される悲劇。
輪廻と転生。破滅と癒し。
神とは何か? その意図するものは?
(パッケージ裏およびマニュアルより)

これだけ見てもさっぱり内容はわかりませんね(^-^;)
でも、この内容紹介がこれ以上ないほどゲームの内容(伏線含む)を表しているから世の中面白いもんです。

システムとか
基本的にはオーソドックスなRPGのシステムを採用しています。

特色は戦闘に「ギア(巨大ロボ)」と「キャラ」の2種類があることでしょうか。
キャラには行動力、ギアには燃料が設定され、その枠の中で弱中強の3種類の攻撃を組み合わせて戦闘を行います。
弱攻撃は当たりやすい反面威力が低く、強攻撃は当たりにくい反面威力は高いといった(ある意味わかりやすい)クセがあるのでそれを把握して使うのがポイントです。
また攻撃の組み合わせによって強力な必殺技が発動します。
この辺りが格闘ゲームのような感じで戦闘を飽き難くしていると思います。
厳密なリアルタイムバトルではないので(いわゆるウェイトモード)必殺技のコマンドを忘れても焦る必要はありません(もっともコマンド自体は簡単ですが)。

もう1つの特色としてダンジョンでのアクション性が挙げられます。
アクションと言っても大したことは要求せず、ダッシュやジャンプをする必要があるくらいですが。
しかし、天才的にアクションが下手な私は何度もダッシュジャンプに失敗して落ちたものです。
友人のDJ-DIE氏の助けがなければ“バベルタワー”をクリアすることはできなかったでしょう(^-^;)

セーブは1ファイルにつき1ブロック使用。RPGとしては普通ですね。
でも、システム画面1つ呼び出すだけで読み込むのは勘弁してほしいです。
我が家の瀕死のプレステでは不安で仕方ありませんでした。

絵とか
キャラクターデザインは田中久仁彦氏が担当。
氏の普段の絵とは違う気がしますが、魅力的だと思います。
またメカデザインは石垣純哉氏が担当。
正直カッコ悪いと思うギアもないではないのですが^^;ちゃんとカッコいいのも多いのでよしとします(何様?)

ゲーム画面的なことを話すとマップは全て3Dで描かれています。
ということで必然的に私は何度も迷子になりました。かなりの方向音痴なんで。
(ちゃんとコンパスは付いているんですが^^;)
まあ、この点に関しては中盤以降はさすがに慣れましたが。
個人的に残念なのはカメラワーク演出が魅力的でもPSの性能上(?)ポリゴンが粗めになってしまい、
絵全体としての魅力が落ちてしまっている点です。
同社のFFシリーズ等の技術をフィードバックしていただきたいところ。

スクウェアお得意のムービーはOP、EDを除けばごくたまにしか出てきません。
CGムービー(メカ関連)とアニメムービー(キャラ関連)がありますが、どちらも水準以上の出来だと思いました。
EDのアニメムービーで多少キャラのデッサン崩れが気にはなりましたが許容範囲内です^^;

音楽・音声とか
まずは音楽。
光田弘典氏が手がける音楽は名曲揃いです。(「天上の楽園ソラリス」除く^^;)
私は発売済みのサントラも買いました。
お気に入り曲も多すぎて挙げきれませんが、1番好きなのは“シェバト”の曲です。
中古とかで買うなら音楽だけでも元はとれるかもしれません。
個人的にはそう言ってしまえるほど気に入っています。

そして音声。わりと有名どころが使われていますが、戦闘時の掛け声なんかがメインなんで
この項目については割愛させていただきます。
ムービーではあまり喋りませんしね。

シナリオとか
スクウェアとは思えないほど(失礼)シナリオに力が入っている作品です。
素直に素晴らしい出来だと思いました。
ただ、内容については迂闊に書くとネタバレになってしまうのでご勘弁を。
独特な世界観を上手くまとめた点も評価できますが、それ以上にキャラクターの描き方が秀逸です。
多種多様な生き方をしてきて、その上に築かれた価値観・行動理念を持ったキャラクター達を用意し、
無理なく「そいつらしい」考え方で物語上で行動させている点に驚きました。

このシナリオがなければキャラの魅力は大幅に落ちていたことでしょう。
それと比べて同社の…(以下、削除)^^;

またストーリー上の伏線の張り方、利用の仕方も良かったです。
例えば私は、何度も出てくる「ウェルス」という単語の真の意味を知った時、思わず声を上げてしまいました。
そんな意味だったとは思わなかったので……。

強制イベントやモノローグだけで進行するディスク2には賛否両論ありますが、私はこれで良かったと思います。
たしかに私としてもディスク1の方が魅力的だったとは思いますが、いわゆる「お使いイベント」だけで進まされて、しかもザコとの戦闘やダンジョン攻略に煩わせるくらいならこちらの方がいいだろうと。

それにこのストーリーを終わらせるにはプレイヤーが操作する形にするのは不可能だったと思います。
どう足掻いてもモノローグのような形を取らざるを得ない、と。
(つまりある意味話がプレイヤーを置き去りにしていて問題なんですが)

すぐ上に文句も書いてますが、結局のところ個人的にはツボでした。
万人受けするとはとても思えませんが、いわゆるオタクさんになら受けそう(笑)
ストーリー上、必ずしも必要でないことまで詳細に設定されていて、
かつそれを知っているとまた楽しみ方が若干広がるあたりいかにもそっちの方々向けです。
#私は\3500の設定資料集も買ってしまいました

友人いわく「朝日ソノラマ文庫が好きなら」とのことです。
私はソノラマ文庫は読まないのでその意図するところはわかりませんが。

総評
シナリオでも触れましたが、万人受けするとは思えません。
しかし、私はとても気に入りました。スクウェアを見なおしたくらいです。
これだけのものが作れるならまだあの会社も終わっていないということですね。
続編を希望する声もファンの間にはあるようですが、どうやって作るんでしょうね?
まあこのソフトが「Xenogears Episode5」で、全部で6章構成らしいので
「Episode6」がいつの日か見られるのかもしれませんが……個人的にはゲームではなく小説あたりで見たいですね。
戦う相手もいないのではゲームにしづらそうなので。
モノリスソフトから出るんでしょうか?(苦笑)

まとめ。シナリオ・音楽・ビジュアルともにバランスのとれた秀作。
本当に良質なRPGを求める人むけ。複雑な話への耐性が必要ですが。
点数はディスク1が90点、ディスク2が80点という形で評価してます。

書いた時点での総プレイ時間 69時間(クリア)
お気に入りのキャラ エメラダ・マリア・シタン先生・グラーフ(ぉぃ
お気に入りのセリフ 「我が拳は神の息吹!」「俺は! 海の! 男だぜ!」
「私がお前を墜とす黒い翼になってやる!」
「キムキムキムキムキム!」
#なんかダメな人だよ、このラインナップは

初版1999/12/02