夜が来る!〜Square of the MOON〜(PC) ※ディスク2枚組 | |||
メーカー | アリスソフト | 総合評価 | 55点(凡作〜及第点) |
ジャンル | RPG | ||
発売日 | 2001/04/19 | ||
シナリオ | HIRO | アリスソフトお得意のRPG、そしてかなり前からの発売告知……かなり気合いの入ったプロモがされました。 「ぱすチャ」スタッフの新作ってことも話題…か? |
|
原画 | Karen | ||
サウンド | Shade |
※以下の評価はVer.1.1に基づいています
個人的エピソード |
Karenさんの描くかわいい女の子に惹かれて。 「ぱすチャ」はろくすっぽやってなかったりしますけどね〜(^^; |
内容 |
ある夜、空にもうひとつの月が出現する。 「真月」と名づけられた怖れられたその光は、 いつしか日常に溶け、人々の興味を失っていった。 それから三年後。某県大津名市――。 少年「羽村亮」は進学してから二度目の春を迎えていた。 去年と変わりばえのない退屈な日々。 ある日、亮は部活の見学で呼び出され、夜の校舎へ出かける。 そこで彼を待っていたのは赤い瞳の少女。 「一緒に戦ってほしいの」 彼女の口から飛び出した冗談みたいな台詞。 けれど、戦いは本当に始まった……。 (マニュアルを元に編集) |
システムとか |
必要容量は200/450MBのいずれかを選択。 さて、RPGということでどうしてもこの項目の比重が大きくなるわけですが早速。 ゲームは平日・土曜・日曜に分割され進行していきます。 このうち平日と土曜日はキャラクターの育成、日曜は「狭間」と呼ばれる行動時間制限付きダンジョンに潜って戦闘を行うというのの繰り返しに、時折大小イベントやイベントダンジョンが挿入されるというのを想定していただければいいでしょう。 またこのゲームの特徴として挙げられる点を書くと ・育成における戦闘の意味 …このゲームでは戦闘で経験値を稼いでレベルを上げてもHPしか上昇しません。 各種パラメータを成長させるためには戦闘で得られる「訓練値」をそれぞれに割り振る必要があります。 またそれとは別に土曜日は他のメンバーと一緒に特訓することで好感度と能力ボーナスを得ることができます。これが初回プレイでは成長の鍵になること必至です。 セーブ数は20個(うちオートセーブ1つ)。 セーブ可能なのはダンジョンに入る前の編成時のみ。 不便ですが、自動生成型ダンジョンを使っている以上やむをえないですね(^^; スキップは強制スキップのみ。 共通イベントが多いので、逆にあまり困りませんけどできたら既読に してほしいところ。それくらいのことはできるメーカーだと思います。 バックログもなし。まあRPGなんでこんなとこでしょう。 また、鑑賞系はCG・BGM・イベント回想(Hシーンのみに非ず)が用意されていて、いたれりつくせりです。 で、ここからが重要なんですが一見充実のこのシステム。 ADVのシステムとしてはこれで十分ですが、RPGとして検証すると様々な問題が。 まず第一に操作性の悪さが挙げられます。 キーボードでもマウスでも操作は可能ですが、オンリーではどっちにしても思うように動かせません(^^; 具体的にはキーだとコマンド選択が面倒で、マウスだと移動が面倒です。 ダンジョン探索が軸なのに、この操作性はいただけません。 次に2ndプレイ以降の育成の作業化というのがあります。 このソフトでは2回目以降、前回のデータを引き継いで遊べますが、それをやると土曜日の特訓による能力上昇が全くなくなってしまいます。すると好感度稼ぎのためだけに、ひたすらヒロインを選ぶという不毛な行為をするハメになるわけでして……後述する戦闘問題もあって、2回目以降ダンジョン探索・育成はかなり作業化してしまいます(´Д`; 最後に触れるべきは戦闘と能力の問題。 このゲーム、訓練をして能力値を上げても目に見えた効果というものはほとんど出ません。 それよりも迂闊に深い階層まで進んでしまった時の敵の進歩の方が格段に早いです(ぉぃ つまり主人公を強化するには必然的に強い武器の作成が大事になるわけですが…材料の要素石が見つかりません。少なくとも1回や2回のプレイでは一定以上深い階層の敵に通用するような武器は作成不能と言い切ってかまわないでしょう。 事実上の成長限界が用意されているというのは言い過ぎですが、成長が見えないRPGはプレイヤーのやる気を削ぐには十分だと思うんですが、私だけでしょうか? ま、そんなわけで充実してそうで穴の多いシステムというのが正直な感想。 複数回プレイを前提としながら、それを助けるようなシステム構築ができていないというのはやはり問題でしょう。 |
絵とか |
原画さんはKarenさん。「かえるにょ」や「ぱすチャ」で御存知の方も多いかと。 かわいいというよりも線の細い綺麗な女の子を描く方です。 個人的にはアリス原画陣の中で1番好き♪ というわけで、原画的には文句ありませんし、塗りの方もまあ水準には達しています。 なんですけど、いかんせん枚数が少なすぎます。 鑑賞モードによればパターン違い込みで78枚。 パターン違いを除くと55枚くらいでしょうか? ゲーム全体のボリュームに対してあまりにも少ないです(涙 イベント数の都合上、やむをえないのかもしれませんけど……。 また変化の豊富なフェイスウィンドウは見ていて楽しいんですが、立ち絵が2枚しかないというのはちょっと…。 フェイスウィンドウに映る表情や台詞と立ち絵との間に違和感があることがしばしばだったのですが。 質はともかく絶対量が少なすぎますってば。 |
音楽・音声とか |
BGMはCD-DAで全18曲(うち1曲ボーカル)。 質はなかなか高くていいのですが、18曲という現実の数字以上に少なく感じるのはなんででしょう?(^^; まあ若干回しか使われない曲が複数あるのが原因なんでしょうが。 お気に入りはボーカル「A night come's!」に「Existed Value」と「A night come's!(hardrock ver.)」ってところでしょうか。 特に主題歌のハードロック版は「Shade節炸裂」って感じでアリスサウンドファンにはオススメですよ。 音声は男女問わず一部イベントのみ。 キャラクターと声質は合っていますし、演技力もなかなかのものだと思いますが、1つのイベントの中で音声が付いている部分(ビジュアルCG表示)と音声なしの部分(普通に立ち絵)とが存在するために流れを殺してしまっている印象を受けることがあったのが残念です。 音声の有無はイベントごとで管理してほしかったところ。 また細かいことですが、BGMに対して台詞の音量が小さすぎる印象を受けました。 かなりCD再生ボリュームを下げないと聞き取れません(^^; |
シナリオとか |
実はRPGだとこの辺って軽く流せるので楽です(マテ システム解説には苦労するんですけどね。 まあ、とりあえずは誉めどころから。 まずはキャラクターが非常にしっかり立っていることでしょう。 どのキャラも嫌味が無く魅力的でこの辺りは好感が持てます。 また主人公達の部活を中心にした学園生活がテンポよく楽しく描かれていて、「このシナリオさんで学園ものってのもありかな?」と思うことしばしばでした。 1回目はイベントも多いですし、途中話の展開が滞ってしまう夏休み頃を除けば、まあいい部類に入るんじゃないでしょうか。盛り上げるべきところでは盛り上がってますし。 が、このシナリオ、「1回目はイベントも多い」と書いたように実は共通イベントが大半を占めていまして、個別のイベントというのはあまり多くありません。 したがって2回目以降はどうしても話に盛り上がりがなくなってしまって、ダレやすくなってしまっています。 また最終章なんかは決戦への持ち込み方自体は悪くないのに、ダンジョンが長すぎて ラスボスに辿り着く頃にはすっかり盛り下がってしまう…というシステムと連動した 困った事態も発生してしまっています(^^; シナリオ総評としては 「個々のイベント・キャラ立てなどはいいが、複数回プレイを考えると辛い」 ってところでしょうか。期せずしてシステムと似たような評価に(笑) |
総評 |
RPGはシナリオだと思ってましたけど、やっぱシステム大事ですね(ぉ まとめ。システムに引きずられたRPG。 もっともそれぞれの項目を読んでいただければわかるかと思いますが、実はあらゆる要素がちょっとずつ物足りなかったりします(^^; システム(RPG部)、シナリオ(ADV部)共に複数回プレイに優しくない仕様なのが致命的。 評価としては初回プレイが60点、データ改造なしでの2回目以降のプレイが50点と判断して中間点で55点とさせていただきました。 個人的には改造を推奨します(マテ |
書いた時点での総プレイ時間 | 25時間(鏡花・いずみクリア) | ||
お気に入りのキャラ | 七荻鏡花(他も魅力的なのになぁ…) | ||
お気に入りのセリフ | 「あら…女の子はみんなそうよ」 「『続き』を待っている人達がたくさんいるんだからめげてる場合じゃないよね」 |
初版2001/05/18