憂淫の虜〜魔淫の宴より〜(PC) | |||
メーカー | BLACK PACKAGE TRY | 総合評価 | 75点(佳作〜良作) |
ジャンル | NOV | ||
発売日 | 1999/10/22 | ||
シナリオ | 三波雄 | 「淫」シリーズ第2弾。シリーズ中、最も完成度が 高いとされる作品。中古市場でも品不足なので 見かけたら即捕獲すべし。 |
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原画 | 藤原秋久 | ||
サウンド | ロドリゲスのぶ |
個人的エピソード |
【RASCAL】の管理人SHEOさんにお会いした際に薦められて買いました。 前作にあたる「魔淫の宴」も持っていますしね(^^; |
内容 |
藤沢孝弘。 一見どこにでもいるような平凡な好青年だが、 実は彼には人には言えない性癖があった。 性癖というのが妥当かどうかは判らない。 それは彼のせいなのかどうかも判らない。 ただ彼は、そう言うことが許されるなら、生まれついての色情狂だったと言えるだろう。 獣が餌を食らうのと全く同じように、彼は女性を犯す。 そして、獣が飢えを堪えることができずに餌を食らいつづけるのと同じように、 女性を犯しつづけてきたのだ。 日常の好青年としての顔は、女性を引き寄せると同時に自分の引き起こした事件の 容疑者から外れるという二つの利点を持ち合わせていた。 そう、彼は今まで一度もトラブルを起こさずに切り抜けてきていたのだ。 そんな彼のもとに、ある日、彼の叔父からその経営する神学校、 聖華学園の保険医として迎えたいとの連絡が届く。 彼は叔父の誘いを受け、二つ返事でその学校に赴任することにした。 全寮制の女子校である聖華学園。孝弘にとって格好の狩り場となりうるそこで、 どんな女性が彼の手に墜ちていくのか……。 (マニュアルより) |
システムとか |
必要容量は200MB。女性はフルボイスということを考えるとお手軽です。 さて、まず初めに書くべきでしょう。システム、非常に使いやすいです。 シナリオの分岐マップでシナリオ構造を見せるというのは他にもありますが 「現在の状況から進めるシーン」や「現在、EDを見ることが可能なキャラ」までが一目でわかる というのは珍しいと思います。 このマップと「上の選択肢を選ぶと基本的にマップでも上側のルートに進む」という 特性のおかげで進めるのは楽そのものです。 セーブ数は36個。難易度などあってなきが如しですし、 シーン回想で文字通り(Hシーン以外であっても)シーンごと見られるので困ることはないでしょう。 スキップはオプションで既読/強制のいずれかを選び、スキップボタンで機能するという体裁を取っています。 スキップ自体は高速で文句はありません。 読み返しは125クリック分可能。困ることはまずありません。 鑑賞系は音楽・CG・シーン回想と必要なものは全て揃っています。 また画面下半分にテキストを出して徐々にフェードさせるという表示方式はノベルと しては独特ですが見やすくて好印象でした。 最初触った時に唯一不満に思ったのは右クリックするとサブメニューが表示されてしまい、 1操作でウィンドウを消せないことだけでしたがこれも設定を変えることで 解決しましたし、ほぼ完璧なシステムなのではないでしょうか。 |
絵とか |
一部イベント絵に目が大きすぎる絵があるものの全般的には魅力的です。 暗い雰囲気の塗りもこのゲームには合っていると思います。 まあ、何より個人的にこの会社の肌の色が大好きなんで(爆) 立ち絵も前作ではバランスが危ういものもありましたし、男キャラにいたっては冗談 としか思えないような絵だったのですが今作ではその辺りも改善されています。 で、CG枚数は75枚。パターン違いを除くと52枚くらいというところでしょうか。 枚数としては少ないですが、プレイ時間が短いし、 4ヒロインなので特別少ないという印象は受けませんでした。 後述する音声のおかげもあって実用度は抜群に高いので何の文句もありません。 |
音楽・音声とか |
音楽は全11曲。CD-DAかMIDI(GM/GS)を選びます。 CDなしで遊びたい方は別ですが、そうでなければCD-DAの方をオススメしておきます。音が全く違うので。 と書いてはいますがBGM自体は印象には残りませんでした。 この手のゲームのBGMは邪魔にならなければいいと思うので構いませんが(ぉ さて、音声ですがこちらはかなりレベルが高いと思います。 通常シーンも濡れ場も演技はバッチリです。声質的にも好みでした。 名前の部分は呼ばれませんがほとんどの場面で「先生」と呼ばれるので問題はありません。 この辺の配慮は当然といえば当然ですが……。 ついでに言えば(多くのレビューサイトでも触れられていますが) メインヒロインの絵里香の声が反則です。 濡れ場はおろか通常シーンでのセリフでさえゾクゾクしてしまいました。 主人公に対して怯えを抱いてるのがよく伝わってきて…。 嗜虐心をそそる声ってのはああいうのを言うんでしょうか? 自分の中のサディスティックな部分を感じて怖くなってしまいました(爆死) |
シナリオとか |
この手のソフトはあまりやりません。 なんだか暴力に頼ったり女の子が痛がるのを見て喜んだりするタイプが多いような気がして。 ですが、この主人公は「見た目好青年」というだけあってか理性と策略で獲物を追い詰めていく タイプで暴力に訴えることはほとんどなく入り込みやすかったです(それはそれで問題ありですが)。 またヒロインの方も比較的初期の段階から言葉で嫌がりながらも身体は…という反応 を示してくれるので鬼畜ゲー初心者でも安心して興奮できるかと思います(笑) 私はそういう心身のアンバランスさに戸惑うという展開が大好きなんで満足です。 ええ、“なぜか”疲れて1日に1時間しか進まないほどに(爆死) ヒロインのうち1人は最初から調教済みですし、ひとみなんかは堕ちるのが多少早すぎるのではないかとも思いますが、ソフトのコンセプト上ある程度の簡略化は仕方ないかもしれません。 結果としてですが、絵里香シナリオはその辺りの描写において他との差別化がなされていますし。 最後に…これは個人の嗜好によるでしょうが、私がこのシナリオで1番驚かされたのは 絵里香シナリオの山場ですね。 自分のことを本当の意味で理解してくれる主人公に徐々に惹かれていく絵里香が、 主人公に自分をどう思っているか尋ね、恋や愛を知らない主人公はその旨を正直に言った上で 「でも貴方のことを自分のものにしたいと思うし、他の誰にも渡したくない」と告げる場面があるのですが、 やられたという感じです。 歪んではいるけどこれは恋愛物だったのか、と。いい意味で裏切られました〜。 ま、そういった面も含めて鬼畜嫌いな人でも受け入れられる要素が多いと 感じました。入門向けの1作…なんでしょうか。私にはよくわかりませんけど。 |
総評 |
好評は聞いていたのですが、なかなか良かったです。 私が鬼畜系で75点を付けるなんで初めてですし。 まとめ。恐らくは入門者も安心の鬼畜系ノベル。 そっちに興味はあるけど、残酷なのは…という方向け。 あと、絵里香の声は1度聞いてみる価値はあるかと。 |
書いた時点での総プレイ時間 | 5時間15分(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 綾瀬絵里香 | ||
お気に入りのセリフ | 「先生は…私のことをどう思っているんですか?」 |
初版2000/11/14 最終更新2000/11/21